40代女性の平均年収が気になる!データに見る年収アップを目指すためのヒント

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物価の上昇が続き、この先の教育費や住宅ローン、老後の備えなどについて不安を覚える方も多いのではないでしょうか。そんななか、「自分の年収はほかの40代女性とくらべてどうなのか」と気になることもありますよね。ここでは、公的機関の資料をもとに、40代女性の平均年収、年収の高い業種・地域、雇用形態などをご紹介します。これらのデータをヒントに、年収アップし、ライフスタイルを向上させるために何ができるかを考えてみましょう。

目次

    40代前半の女性の平均年収は335万円

    出典:国税庁「民間給与実態統計調査」(令和4年)

    国税庁の令和4年分「民間給与実態統計調査」によると、40~44歳女性の平均年収は335万円、45~49歳女性の平均年収は346万円です。男性は19歳以下から50代まで平均年収が上がり続けるのに対し、女性は20代後半から50代の間にあまり年収に変化がないことがわかります。

    出典:内閣府『男女共同参画白書 令和5年版』

    正規雇用労働者の割合については、上のグラフによると、男性は20代から50代まで70%台を維持しているのに対し、女性は25~29歳の60.0%をピークとし、以降はほぼ右肩下がりになっています。

    女性が家事や育児、介護などの「無償労働」の多くを担っていることや、雇用環境が厳しかった就職氷河期の非正規雇用の多さも、正規雇用で働く女性の割合を低下させ、女性の年収が上がらない一因になっていると考えられます。

    年収を高くしている3つの要素とは

    40代女性の平均年収を見てきましたが、何が年収を上げている要素なのかも気になりますよね。年収を左右している要素のうち、「業種」「勤務地域」「雇用形態」の3つの要素についてくわしく見てみましょう。

    年収の高い業種は?

    出典:国税庁「民間給与実態統計調査」(令和4年)より作成

    国税庁の令和4年分「民間給与実態統計調査」によると、男女含め全年齢を対象としたデータを見た場合、年収が高い業種は1位「電気・ガス・熱供給・水道業」、2位「金融業・保険業」、3位「情報通信業」となっています。

    出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和4年)より作成

    また厚生労働省の令和4年「賃金構造基本統計調査」によると、40代女性に限って言えば、1位はIT業が含まれる「情報通信業」、2位「電気・ガス・熱供給・水道業」、3位「学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業」となっており、「金融業・保険業」や技術職が多いと思われる「製造業」「建設業」では女性の年収が低い傾向にあります。月収でみても業種によって最大15万円ほどあるため、業種間での年収の差は小さくはないといえます

    賃金*の高い都道府県はどこか

    出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和4年)より作成

    厚生労働省の令和4年「賃金構造基本統計調査」によると、東京都 37.5万円/月、神奈川県 33.5万円/月、大阪府 33.0万円/月など都市部の年収が高い傾向にあると読み取れます。青森県は24.7万円/月となっているので、東京都と比べると月に10万円以上の開きがあります。

    都市部に住むと住居費や生活費が高くなることなどから、一概に「都心部に住むと年収が上がる」とは言えませんが、通勤可能な距離で都道府県をまたぐ、情報技術の活用によって地方に住みながら都心部の企業で働くことなどに年収アップのヒントがありそうです。

    雇用形態によって月の賃金*の差が10万円も!

    *「賃金」は、調査実施年6月分の「所定内給与額」の平均で、「所定内給与額」とは、労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当として支給される給与をいう。)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額

    出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和4年)より作成

    厚生労働省の令和4年「賃金構造基本統計調査」によると、40代女性で「正社員・正職員」にくらべ「正社員・正職員以外」の給与が月収で10万円近い差があります。非正規雇用として勤めている場合には、いままでの職場経験を生かし、正規雇用への転職をして年収アップを目指す道も考えられます。

    ワークライフバランス、家庭の事情などにより正社員で働くのが難しい場合には、資格取得やITスキル、コミュニケーション能力を鍛えておくと、転機が訪れたとき、副業を始めるときなどに素早く動けそうです。

    40代女性 年収をアップさせる3つのヒント

    ずっと仕事に打ち込んできたけれどワークライフバランスを見直したい、子育てを中心にしていたけれどそろそろ手が離れてきたなど、多くの方にとって40代は今後の人生設計を考える時期だといえるでしょう。これからの生活、老後の資金のために収入を上げたい場合の参考に、「昇給・資格取得」「転職・起業」「副業」をとりあげます。

    昇給・資格取得で年収アップ

    出典:国税庁「民間給与実態統計調査」(令和4年)

    国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、年収は男女共に、定年退職を迎えると思われる勤続年数34年まで、勤続年数と比例して右肩上がりになっています。40代となれば、一度自分の給与が、自分の経験やスキルに見合っているかを見直すのも重要なことです。

    厚生労働省が発表している「民間主要企業における春季賃上げ状況の推移」では、令和5年の賃上げ率は3.6%。これまでの仕事を続けながら、資格取得での年収アップを目指すのは良い方法ですが、資格取得手当が支給される会社もあるので、一度そういった制度があるか、会社に問い合わせるか就労規則等で確認してみるとよいでしょう。

    転職・起業で年収アップ

    40代での転職は年齢的に遅いのでは、と思う方もいるかと思います。「転職をするなら35歳まで」と言われていた時代もありますが、平成19年に雇用対策法が改正され、労働者の募集や採用について、年齢制限の禁止が義務化されました。また「就職氷河期世代支援策」など、現在40代の転職は国からも後押しされています。

    派遣やパートなど、非正規雇用で働いている場合には、正社員になることで年収アップが見込めるはずです。転職サポートサービスなどを利用することで、意外な転職先が見つかるかもしれません。

    また、現在の年収に不満や不足を感じている場合は、自分の市場価値を確認する意味でも、一度無料の転職サポートサービスを利用してみてもよいでしょう。転職で年収アップが見込めない場合には、起業も選択肢に入ってくるかもしれません。

    副業で年収アップ

    転職や起業が難しい場合には、空き時間で副業をすることで、収入を増やすことも考えてみましょう。クラウドソーシングサイトを活用して、自分のスキルを販売すれば、本業にあまり影響することなく小規模に副業を始めることも可能でしょう。

    就業規則作成のテンプレートとして厚生労働省から公表されている「モデル就業規則」からも「副業禁止」や、「副業許可制」の文言が消え、副業を禁止しない会社も増えてきましたいまの仕事を続けながら、年収アップを目指したり、新しい仕事へ挑戦できるなど、社会の副業への関心は高まっています。本業では会社に勤め、副業で起業するという道もありますね。

    年収アップにはITスキルを味方につけよう

    昨今、ITスキルに特化したリスキリング(学びなおし)が注目されています。会社によるリスキリング機会の提供があるなら積極的に利用し、ITスキルを伸ばして業務の効率化に貢献することができれば、会社での評価も上がるでしょう

    年収の高い情報通信業への転職や就業を目的としたリスキリングでも、ITスキルへの注目は高いといえます。ITスキルを身につけていれば、リモートワークで地方から都市部の仕事を副業として受注するなど、地方に住みながら都市部の賃金基準で働くことができる可能性もあります。

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    残りの人生をどう働いていくか

    40代となると社会に出て20年という時期、65歳定年とすると会社に勤める期間は残り半分。老後の資金は足りるのか、今後どういった生活をしたいのか、体力的に今の業種で働き続けられるのか……。など、今後どう働いていくのかを考える節目の時期といえます。

    働き方を変えるための転職活動は、自分の市場価値や業界の給与水準を把握できますし、特にリスクはありません。ITスキルのリスキリングは、いまの生活に少しずつの時間をとることでも取り組むことができ、職場での働き方の改善や、転職、就業など大きな可能性を秘めているといえます。また、ITスキルを活用してごく小規模で始める副業であれば、スモールステップで自分にぴったりの働き方を見つける道につながるでしょう。

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