50代女性の体と心が整う習慣とは? 日常を「理想の生き方」につなげるヒント

生き方

人生100年時代の今、50代は人生の折り返し地点ではなく”新しい人生のスタート地点”。子育てが落ち着き、改めて仕事を始めたり、新しいことに挑戦したり、理想とする生き方を実現するために動き出したいライフステージともいえます。一方で、ホルモンバランスの変化による不調にも直面する50代女性が、心身ともに健康に活動するための「カギ」となる効果的な習慣をご紹介します。

目次

    50代女性が迎える体の変化と生活習慣

    出典:『働く女性の心とからだの応援サイト』

    女性の体には年齢とともにさまざまな変化が起こります。上の図を見てみましょう。横軸は女性の年齢、縦軸は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量、そしてそれぞれの年代でのライフイベントやかかりやすい病気が表されています。

    50代の女性は、女性ホルモンの減少によって「更年期」となり、多くの不調が引き起こされる可能性が高まります。日常生活に支障をきたす「更年期障害」のリスクも。また更年期以降は、生活習慣病や骨粗しょう症などにもかかりやすくなります。

    50代女性に訪れる不調

    更年期による不調、更年期障害

    更年期は閉経の前後5年ずつ、約10年間の期間を指します。日本人の平均的な閉経の年齢は50.5歳で、一般的には45~55歳ころが更年期になります。これまで心身の不調により「がんばりたいのにがんばれない自分」に直面して、落ち込んだ経験がある方も少なくないのではないでしょうか。おもな症状は、以下のようなものです。

    ホットフラッシュ:急激な体温上昇を感じ、顔や首、胸などが赤くなる、あるいは発汗する。

    不規則な月経:月経周期が不規則になり、経血の量や期間が変化することがある。

    不眠・睡眠障害:夜間の不安感、ストレスなどにより、睡眠の質が低下する。

    精神的な症状:イライラ、不安、情緒の不安定さ、集中力の低下など。

    以上のような更年期症状のうち、生活に支障が出るほどのものを「更年期障害」といいます。治療によって改善されることがほとんどなので、がまんせずに婦人科受診を。

    生活習慣病

    50代の女性は、生活習慣病にかかるリスクも高まります。生活習慣病はおもに不健康な生活習慣に関連して発症することが多く、また、加齢による身体の変化も影響します。代表的な生活習慣病は以下の通りです。

    高血圧:加齢とともに血管の柔軟性が低下し、動脈硬化が進行することで血圧が上昇し、心臓や血管に負担をかけ、心臓病や脳卒中などの重篤な合併症を引き起こすリスクを高める。

    高脂血症(高コレステロール症):加齢や不健康な食生活、運動不足などが原因で、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加し、動脈壁に蓄積することで動脈硬化を引き起こし、心臓病や脳卒中のリスクを高める。

    骨粗しょう症:更年期になると女性ホルモンの減少により、骨密度が低下しやすくなる。特に閉経後の女性は骨粗しょう症になりやすい傾向がある。

    このように、更年期障害や生活習慣病は、日常の生活習慣や食生活、運動習慣などと深く関わっています。定期的な健康診断や医師の指導のもとで体調管理を行うのはもちろんのこと、日々の習慣で対策することも大切です。

    体調を整える習慣でつらい時期を乗り切ろう

    良質な睡眠習慣を確立する

    良質な睡眠習慣をつくることは、更年期による睡眠障害の改善に効果的です。質の高い睡眠は、翌日のパフォーマンスの向上にもつながります。気持ちよく一日をスタートできるよう、具体的な方法をご紹介します。

    【規則正しい睡眠スケジュールを立てる】
    毎日寝る時間、起きる時間を一定にすることで体内時計が管理され、睡眠リズムを整えることができます。

    【自分なりのリラックス方法を身に付ける】
    入浴やストレッチなど、寝る前にリラックス効果のある活動を行うことで、緊張をほぐし、心地よい入眠を促します。

    【睡眠環境を整える】
    寝室を快適な空間に整え、暗く静かな部屋で寝ることで睡眠の質が向上します。快適なマットレスや枕を使用し、適切な温度と湿度を保つことも重要。

    健康的な食事を心がける

    バランスの取れた食事は、心臓と血管の健康を促進し、生活習慣病予防につながります。過度な塩分や飽和脂肪を控え、野菜、果物、全粒穀物、良質な脂肪(オメガ3脂肪酸含有のマグロやサバなどの魚介類やなたね油など)を取り入れることは、血圧を下げる効果が期待できます。

    また、食事を管理することで適切な体重を維持することにつながります。肥満や過体重の場合は、減量を目指して「健康的な食事」と「運動」を組み合わせる意識をもちましょう

    運動を継続する

    適度な運動を継続することは、心臓と肺の健康をサポートし、更年期による動悸や息切れ、ホットフラッシュに効果的です。ウォーキング、ジョギング、水泳、エアロビクスなどの有酸素運動や、ウェイトトレーニング、体幹トレーニングなどの筋トレも基礎代謝を向上させる効果があり、生活習慣予防にもおすすめです。

    一番大切なことは運動に継続して取り組むことですが、忙しい毎日の中に運動習慣を取り入れるのはなかなか大変ですよね。そこで継続するためにおすすめの方法は、様々な種類の運動を少しずつ組み合わせて、飽きずに楽しみながら続けることです。

    50代女性に訪れる生活環境の変化と生活習慣

    50代は、家族構成やキャリアの変化など、多くの女性の人生に変化をもたらす時期です。この段階での生活環境の変化を受け入れることは、今後の人生をより素敵なものにするために必要な”能力”といえるでしょう。

    50代女性が抱えやすい悩み


    50代になると、子どもが独立したり親の介護をする立場になるなど、家族構成の変化が訪れます。

    これらの出来事から、介護によるストレス、時間の制約や経済的な負担、子どもの独立による寂しさや喪失感といった悩みを抱える50代女性は多く存在します。とくに介護は、女性の身体活動を低下させる「社会的要因」として注意が払われるべきものです。

    親戚や友人、公的機関などに相談するなど「ひとりで悩まない、抱え込まない」を前提に、気持ちを前向きにさせる生活習慣も取り入れてみましょう。

    心を活性化する習慣

    セルフケアの時間を持つ

    ”自分時間”をつくりセルフケアすることで、主体性を取り戻し、前向きな気持ちになれます。

    子育て中は自分よりも子どもや家族を優先してしまうため、自分のケアがおろそかになっている方も多いでしょう。「自分自身の健康や幸せ」を優先する時間をつくり、50代からの人生をよりよいものにしていくきっかけにしましょう。

    【新しい趣味や活動の追求】
    子どもが巣立った後は、新しい趣味や興味を見つけることで自己の成長を促し、喪失感をやわらげることができます。たとえば、絵画、料理、読書、ハイキングなど、これまで興味をもっていたことややってみたいと思うことを始めてみましょう。

    【日記に自分の気持ちを書き出す】
    生活環境の変化を受け入れることは、想像以上にストレスがかかります。そんな時は、感情を抑え込まずに表現することが大切です。友人や家族に相談することがはばかられるような内容なら、日記に書き出して感情を吐き出すとよいでしょう。

    生活習慣を味方につけて50代からの自分を輝かせよう

    50代は過去の経験から学び、新たな挑戦に立ち向かうことで、自己実現や幸福を追求していける年代といえます。

    様々な変化に適応しながら、これまでの豊富な経験や知識を活かしキャリアを積んだり、自分のために使える時間を活用して趣味を見つけたりして、自分自身の価値観や目標を見つめ直し、新たな夢に向かって一歩踏み出しましょう!

    50代から新しいことにチャレンジする人も増えています

    何かに挑戦する時には体力的にも精神的にもエネルギーが必要です。体と心が整う習慣を身につけ、心身ともに健康に暮らしていれば、何歳からでも新しいことにチャレンジできますよ。

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