
【50代女性】生き方を変える7つの習慣 更年期を乗り越え、心身ともに輝くために
人生100年時代といわれる今、50代はもはや「人生の折り返し地点」ではなく、“新しい人生のスタート地点”でもあります。子育てが落ち着き、これからは自分のやりたいことにチャレンジしたい――。そんな思いを抱く方もいれば、親の介護やキャリアの転換期を迎えるなど、ライフステージが大きく変化する方も多いでしょう。
一方で、ホルモンバランスの乱れや生活習慣病のリスクが高まるのも、同じく50代。生活環境が変化し、体と心が揺れ動きやすい時期だからこそ、毎日の習慣やセルフケアが「理想の生き方」を現実に近づける重要なカギとなります。
本記事では、50代女性が経験しやすい体と心の変化、そして日常のルーティンを味方につけ、心身ともに健やかに過ごすための具体的な「7つの習慣」を紹介します。50代になった今こそ、自身の状態に向き合い、前向きに、自分らしい“生き方”を改めて見つめ直してみましょう。
目次
50代女性が直面する体と心の変化、生活習慣病リスクの高まり
最近わけもなく悲しい、イライラする、眠れない、ひどい肩こり、食欲が増す・減る……などの不調に悩むことはありませんか? 50代にさしかかり、「以前はこんなことはなかったのに」という不快な症状がでてきたら、それはあなたが「更年期」のステージにいるというサインかもしれません。
女性の身体と心の健やかさは、月経、妊娠、出産そして閉経と一生を通して女性ホルモンの影響を受けます。女性ホルモンの分泌が増減することで、女性の心身の状況は大きく変化し、月経不順や月経困難症、産後うつ、そして更年期障害などが引き起こされることもあります。
一方で、女性ホルモンのなかでもエストロゲンやオキシトシンは「幸せホルモン」として知られていますし、エストロゲンは骨や皮ふ、血管など体のさまざまな器官を守り、女性の生活習慣病のリスクを下げている要因のひとつとなっています。
閉経を迎えるということは、月経というホルモンバランスの変動はなくなりますが、大きな目で見ると、女性の一生のうちで最もホルモンバランスが乱れる時期のひとつ。でもこれは、女性に起こる自然な変化です。
大切なのは、不調の原因を知り、それに対処したり上手につき合っていくこと。更年期という時期を、自分の体と心の不調に耳を傾け、必要であれば病院も利用し、やさしくいたわってあげる、という丁寧なセルフケアを始めるきっかけとしましょう。
ではまず、更年期にどんな不調が起こるのか、くわしく見てみましょう。
更年期でホルモンバランスが乱れるとどんな不調が起こる?
上のように、女性の生涯を通してどのように女性ホルモンの分泌量が変動するかを図で見れば、いかに更年期の変化が激しいかがよくわかりますね。
女性の閉経の年齢は約50歳といわれ、閉経を挟んだ10年間が更年期と呼ばれます。20代、30代で規則的に起こっていた月経は、40代ごろから不順になり始める傾向があり、50代前後でさらに不規則になりがちで、12か月間月経が来ない状態となったとき閉経と判断されます。
女性ホルモンであるエストロゲンは、脳や神経など、全身の機能を調節することで女性の体と心を守っており、卵巣の機能が低下する更年期には、このエストロゲンが急激に低下することで以下のような更年期症状があらわれてきます。
- ホットフラッシュ:急に体がほてり、顔や首などが赤くなる・発汗する
- 体の痛み:肩こり、腰痛、関節痛など
- 泌尿生殖器症状:頻尿、外陰部違和感など
- 不眠・睡眠障害:寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚める
- 精神的な症状:イライラや不安感、ゆううつ、倦怠感など
こうした症状が日常生活に大きな影響を及ぼす場合は更年期障害と呼ばれ、婦人科での治療やカウンセリングで大きく改善できることもあります。
更年期の症状は多様で個人差が大きいのが特徴です。不快な症状に「がまんしなきゃ」と思わず、まずは身近な人、婦人科の医師、専門医に相談し、自分の心身の起こっていることを伝え、サポートやアドバイス、治療を受けることが大切ですよ。
(参考:日本女性医学会 更年期を心地よく過ごすために知っておきたいこと(更年期の基礎知識))
更年期に注意したい生活習慣病リスクの高まり
女性の体を守ってくれているエストロゲンが減少すると、それまでは男性にリスクが高い傾向にあった生活習慣病リスクが、女性にも同様に高まってきます。
また、生活習慣病は不健康な生活習慣に関連して発症することも多く、更年期症状による体重増加や、不調による生活習慣の乱れなどが病気のリスクにつながる場合もあります。
- 高血圧:血管の弾力が失われ、動脈硬化が進行することで血圧が上昇。心臓や血管に負担をかけ、心臓病や脳卒中などの重篤な合併症を引き起こす場合も
- 高脂血症(高コレステロール症):LDLコレステロール(悪玉)が増え、心臓病や脳卒中のリスクが上昇
- 骨粗しょう症:閉経後に骨密度が低下しやすく、骨折しやすくなる。特に閉経後の女性は骨粗しょう症になりやすい傾向がある
どれも日々の生活習慣や食生活と密接に関わっているため、まずは日ごろのケアが重要です。婦人科での定期検診や健康診断も積極的に受け、自分の体の変化を把握しておきましょう。
更年期症状は治療で緩和できる場合も多い
更年期の不快だったりつらい症状にはがまんせず、病院も利用しましょう。
更年期の治療には、薬を使わない生活習慣改善指導やカウンセリングなどを受ける方法と、ホルモン補充療法や漢方療法など薬を使う方法があります。
大事なのは、治療への扉を開くこと。更年期は「がまんする時期」ではなく「自分を大切にする時期」であるべきです。心身健やかであるためのセルフケアを大切に、これまでよりももっと理想的な自分になりたい!という前向きな気持ちで、充実した50代を過ごしたいですね。
50代女性の生き方を左右する“生活環境の変化”
更年期が起こる時期は、仕事、人間関係、家庭環境の変化が大きい時期でもあり、それらが更年期症状にも影響するとされています。
たとえば、子どもが独立したり親の介護をする立場になるなど、これらの出来事から、寂しさや喪失感、経済的な負担といった悩みを抱える50代女性は多く存在します。
子どもの独立と親の介護
子どもの独立は、子育て中心だった生活リズムが変わり、「ぽっかり空いた時間」を持て余すケースも。寂しさと喪失感から心身に不調をきたす「空の巣症候群」を引き起こすこともあります。
親の介護が始まれば、自分のプライベートや仕事との両立に悩むことも少なくありません。介護はとくに女性の身体活動を制限したり、精神的な負担が大きくなりがちです。一人で抱え込まず、周囲に相談する姿勢がとても大切。「家族や親戚に頼れない」と感じていても、育児・介護休業法に定められた支援制度、公的機関や地域のサポートサービスなどを活用できる可能性があります。
キャリアの転機
子育てが終わり、できた時間をやりがいある仕事に使いたい、介護のためにワーク・ライフ・バランスを見直したい、あるいは、これまでのキャリアやスキルを見つめ直したキャリアチェンジなど、50代で新たに仕事を始める方、転職を考える方も多いでしょう。長年勤めた会社を早期退職して独立・起業するケースも。
仕事に関するこうした選択は勇気が要りますが、仕事や家庭での過去の経験や知識を活かせるのが50代の強み。スキルの見直し、リスキリングやセカンドキャリアの模索など人生の後半をどう歩むか、改めて考え、行動を起こす人が増えています。
理想の生き方を実現するための7つの習慣
ここからは、50代女性が理想の生き方をかなえるためにおすすめの7つの習慣をご紹介します。
更年期というターニングポイント、人間関係や家庭環境など生活環境の変化を、人生経験を積んできた女性としてしなやかに、心身を整えて前向きに歩んでいきましょう。
1. 規則正しい睡眠スケジュールを守る
良質な睡眠習慣をつくることは、更年期による睡眠障害の改善にも効果的。質の高い睡眠は、翌日のパフォーマンスの向上にもつながります。気持ちよく一日をスタートできるよう、具体的な方法を取り入れましょう。
- 毎日同じ時間に寝起きする
体内時計が整い、睡眠の質が向上します。朝日をあびる、白湯を飲む、やることリスト作成など目覚めのルーティンを作ってみるのも◎。 - 就寝前のリラックス習慣を取り入れる
入浴や軽いストレッチ、ハーブティーなど寝る前にゆっくり心を落ち着かせる時間を持ちましょう。 - 寝室環境を整える
照明は暗め、温度や湿度は快適に。ベッドリネンの見直しも、熟睡しやすい環境を作ります。綿や麻、手触りのよい毛布などお気に入りを見つけて。
2. バランスの取れた食事を意識する
バランスの取れた食事は生活習慣の改善、ひいては生活習慣病予防につながります。また、食事を管理することで適切な体重を維持しやすくなります。
- 野菜・果物・全粒穀物を取り入れる
食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に摂取し、血糖値の急上昇を抑えることを心がけて。全粒粉パン、オートミール、サラダ、フルーツ入りヨーグルトなど朝食メニューに手軽に取り入れられそうですね。 - 良質なタンパク質・脂質を選ぶ
魚介類やナッツ類、オリーブオイルなどを適度に取り入れて、悪玉コレステロールの増加を抑えましょう青魚はコレステロール上昇対策に効果的といわれています。サバの塩焼き、あじの南蛮漬けなど昔ながらの家庭料理でも対策OK - 塩分・糖分を控えめに
高血圧や糖尿病の予防には、日々の調理・味付けを工夫しましょう。目分量で加えていた調味料を、減塩に関する情報などを参考に、測りながら加えるだけでもずいぶん違いますよ。
3. 運動・身体活動を継続する
適度な運動を継続することは、心臓と肺の健康をサポートし、更年期による動悸や息切れ、ホットフラッシュに効果的です。一番大切なことは運動に継続して取り組むことです。忙しい毎日の中で無理なく、飽きずに楽しめる運動習慣を取り入れてみましょう。
- 有酸素運動で血流改善
ウォーキング、ジョギング、水泳などを週2~3回、1回30分ほど目安に。縄跳びも手軽。 - 筋トレや体幹トレーニングも取り入れる
更年期以降は筋力が落ちやすいので、無理なく続けられる筋トレで基礎代謝を保ちましょう。スクワットやダンベルトレーニングなど、初心者向けのフリー動画なども活用しつつ始めてみては。 - “飽きない仕組み”を作る
友人と一緒に運動したり、音楽を聴きながら行う、がんばった自分へのごほうびを準備するなど、楽しみをプラスすることが、長続きのコツです。
4. セルフケアの時間を持つ
仕事や家族を優先してしまい、自分のケアがおろそかになっていませんか。「自分自身の健康や幸せ」を優先する時間をつくり、50代からの人生をよりよいものにしていくきっかけにしましょう。”自分時間”をつくりセルフケアすることで、主体性を取り戻し、前向きな気持ちになれます。
- “自分時間”を確保する
子育てや仕事を優先してきた方こそ、今こそ自分のためのリラクゼーションタイムを意識的に取りましょう。少し丁寧にお肌や髪の手入れをしてみる、メイクに時間をかける、良い香りのお茶を楽しむなど、「自分だけの・自分好みの」時間を過ごしましょう。 - 日常的にストレスを発散する方法を見つける
好きな音楽を聴く、読書をする、手芸や絵画など打ち込める趣味を再開してみるのも◎。
5. 新しい趣味や活動に挑戦する
新しい趣味や活動を始めることで前向きに”第二の人生”をスタートさせられます。人生100年時代といわれる現代では、50代以降もどんどん新しいことにチャレンジできますよ。
- 子どもの独立後の喪失感をプラスに変える
ハイキングやダンス、料理教室など、以前から興味があったけど、時間的に少しハードルが高かったことを始めるいいタイミングです。 - 学び直しでスキルアップ
語学やITスキルなどオンラインで学べる講座も増えています。新しいキャリアのきっかけにもなるかもしれません。
6. 日記やメモで感情を整理する
毎日でなくても大丈夫。お気に入りのノートを用意したり、好きな飲み物を片手に書く時間を作ったりすると、習慣として続けやすくなります。自分の心と向き合う時間を大切にしましょう。
- 文字に書き出すことで客観的に理解できる
イライラや不安が募ったときは、言葉にして吐き出すと心が軽くなることもあります。誰かにぶつけた言葉は取り返しがつかないもの。まずは自分で自分の感情や状態を理解し、それを受け入れてみましょう。 - ポジティブ面とネガティブ面を両方書く
悲しかったこと・つらかったことを書くときには、良かったこと・嬉しかったことも同時に書く習慣をつけると、前向きな気持ちを引き出しやすいです。
7. 周囲のサポートを積極的に活用する
周囲のサポートを積極的に活用することは、心の安定につながり、ストレスの軽減に役立ちます。身近なサポートを上手に活用し、安心できる環境を整えていきましょう。
- ひとりで悩まない
親の介護、夫婦関係、将来設計など、悩みを抱え込むとストレスが大きくなります。身近な家族や親せき、友人、ちょっと距離をおきたいときはカウンセラーなど、相談内容によっていろいろな相談相手を想定しておきましょう。 - 公的機関や専門家に相談する
法的な支援制度、介護保険サービス、地域包括支援センター、カウンセリングなど、使える制度は積極的に調べましょう。 - 友人やコミュニティとつながる
オンライン・オフライン問わず、人との交流が心の安定につながります。ささいな悩みを共有したり、一緒に楽しんだりすることによって、癒しや気づきが得られることも多いでしょう。
今すぐ始めよう 生き方を変えるために大切な「心の習慣」
人生のターニングポイントでは、気持ちの持ち方も、将来の自分に影響してきます。体調を整えるだけでなく、メンタル面での新しい習慣づくりも「理想の生き方」へ今すぐに踏み出せることのできる一歩です。
- セルフイメージをアップデートする
50代になったからといって、「もう遅い」「できない」と思い込まない。自分に合ったやり方で挑戦する姿勢が大切です。同じ年代の女性の活動や挑戦を知ることも良い刺激となるでしょう。 - 人生の目標・価値観を再確認
子育てや仕事に追われてきた数十年を振り返り、今後どんな人生を送りたいかを考える機会を作りましょう。まずはノートやパソコンを使って書き出してみると、客観的に見られたり、自分自身の記録にもなりますね。 - “小さな一歩”から始める
いきなり大きな変化を求めると疲れてしまうことも。まずは「毎日5分のストレッチ」「週末にカフェでひとり時間」など、簡単な習慣からチャレンジすると続けやすいです。
生活習慣を味方につけて、50代から輝く生き方へ
50代は、決して「下り坂」ではありません。これまでの経験・知識を活かし、新しいことに挑戦する絶好のタイミングともいえます。
更年期や生活習慣病など、体や心が揺らぎやすい変化を感じやすい年代ではありますが、だからこそ自分を大切にケアするきっかけとし、意識的に生活習慣を整えることでこの先、健やかに理想の生き方を追求していくことが可能です。
- 睡眠・食事・運動といった基本的な健康習慣を整える
- セルフケアや趣味、学び直しなどで心に余裕をつくる、前向きになる
- 家族や友人、公的サービスの力も借りて「ひとりで抱え込まない」
- 小さな一歩を積み重ね、50代からの人生をもっと自由に楽しむ
何か新しいことにチャレンジするときには体力・気力が必要ですが、心身のケアを習慣づければ、きっと思い描く生き方に近づいていけるはず。今からでも決して遅くありません。ぜひ、今日からできることを始めてみましょう。
50代女性の心と体の悩みについてよくある質問(FAQ)
Q1:更年期障害がつらいときはどう対処すればいいですか?
A1: 病院での治療やカウンセリングなどの専門的アプローチで、かなり症状が改善する場合があります。婦人科の更年期外来や漢方薬、ホルモン補充療法など、自分に合った治療法を探してみてください。また、睡眠や食事など日々の生活習慣を見直すことで、症状緩和に効果があるケースも多いです。
Q2:運動が苦手ですが、何から始めればいいでしょうか?
A2:まずはウォーキングや軽いストレッチなど、ハードルの低いものからスタートしてみましょう。慣れてきたら週2~3回、少し心拍数が上がる程度の有酸素運動を取り入れると効果的です。「続けられること」を優先すると、運動嫌いでも挫折しにくくなります。
Q3:子どもの独立後の喪失感が大きいです。何かよい対処法はありますか?
A3: 子育てで忙しかった時間が空くと、心にぽっかり穴が開いたように感じることがあります。新しい趣味を始める、新たなコミュニティに参加するなど、出会いや活動を通じて「自分の人生」を取り戻すきっかけを探してみましょう。株式会社MAIAが提供する「でじたる女子+」は、今必要とされるデジタルスキルの講習を、同じくスキル習得を目指して学ぶ女性たちのコミュニティに参加しながら受講できます。ぜひ、仲間と学ぶ楽しさを体感してみてください!
自分らしい生き方を実現するうえで、50代はまさに“再スタート”を切るにふさわしい時期です。日々の習慣や心の持ち方を少しずつ変えて、あなたの50代をより輝かせていきましょう。