ERPシステム「SAP」リスキリングでDX化実現のカギをにぎるデジタル人材に
「人生100年時代」といわれる今、これからのキャリアに不安を感じていませんか?
テクノロジーの進化が加速し、働き方が多様化するなかで、“学び直し”=リスキリングが注目されています。
本記事では、企業のDX化を支える基幹システム「SAP(エス・エー・ピー)」を学ぶSAPリスキリングの意義や学ぶメリット、そして女性が自分らしいキャリアを築くための活用方法を紹介します。
目次
SAPリスキリングとは?DX時代に求められる“学び直し”の新定番

「リスキリング」とは、社会や仕事の変化に合わせて新しい知識やスキルを学び直すこと。
経済産業省はこれを「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得する/させること」と定義しています。出典:経済産業省ホームページ『リスキリングとは DX時代の人材戦略と世界の潮流』
DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む今、企業では業務のデジタル化や自動化が進み、これに対応できるデジタル人材が強く求められています。
このデジタル社会に合わせたリスキリングが広まるなか、プログラミングやRPAなどに加えて、ERPシステムであるSAPを学ぶリスキリングも注目の分野のひとつとなっています。
SAPを学ぶことで、経理・販売・在庫など企業のあらゆる情報を一元化し、効率的な意思決定を支援できるようになります。これこそが、今の時代に求められる「DXを推進できる人材」への第一歩です。
日本で「デジタル人材」は不足している?
需要が高い一方で、独立行政法人情報処理推進機構 (IPA)が発表した「DX動向2024」によると、日本は他国に比べDXを推進する人材が大幅に不足しています。

出典:「DX動向2024」独立行政法人情報処理推進機構
また、世界の中で日本はDXの取り組みに遅れをとっているのが現状です。
スイスにある国際経営開発研究所が2023年に発表した「世界デジタル競争力ランキング」では、世界64ヶ国のうち日本は過去最低の32位でした。
このように他国に比べ日本がデジタル技術を十分に活用できていない背景として、デジタル人材の不足が、原因の一つとしてあげられるのです。
この状況から、いま未経験からデジタル人材を目指せるSAPリスキリングに挑戦することには、大きな意義があるといえます。
なぜSAPがリスキリングの対象に選ばれているのか?

私たちの仕事や暮らしには、すでに多くのデジタル技術が使われています。
AIによる顧客対応の自動化、購買データの分析、在庫の最適化──こうしたDX化の中心にあるのが「ERPシステム」です。
ERP(Enterprise Resources Planning)とは、企業の資源(ヒト・モノ・カネ)を一元管理するシステム。その代表格がドイツSAP社の提供する「SAP」であり、ERP市場で数十年来、世界トップクラスのシェアを誇っています。
SAPの特徴は、業務ごとに“モジュール”と呼ばれる機能群を備えている点です。それらを連携させることで企業全体の情報をつなぐことが可能です。そのため、多くの業種・業界で導入が進み、DX推進の中核を担う存在となっています。
国内市場も右肩上がりで、ITRによると2022年度のERP市場は前年比11.6%増の1,687億円。同社の予測によると、今後も需要は拡大していくと見込まれています。
この成長分野を支える人材として、SAPリスキリングでスキルを身につけた人の価値はますます高まっていくでしょう。
▶SAPの特徴、モジュールや導入事例についての解説記事はこちら
SAPリスキリングで身につく4つの実践スキル

IT未経験者がSAPを学ぶ過程で得られるスキルは、SAPの知識に加え、実務につながる幅広いスキルがあります。ここでは、4つの実践的スキルを紹介します。
1. 各部門の業務フローが理解できる
SAPには会計(FI)、販売管理(SD)、人事(HCM)など多様なモジュールがあります。
学ぶ過程で自然と、経理や物流などの業務知識やビジネスフローの理解が深まり、業務全体を俯瞰できる力が身につきます。
たとえば会計(FI)モジュールについての学習は、経理や会計業務の全体像、簿記についても知るきっかけとなります。
2. デジタル時代に必要な基本ITスキルが養える
SAPの操作や設定はすべてPC上で行うため、パソコン操作・クラウド環境・デジタルツールの活用といった基礎スキルが自然と身につきます。
SlackやTeamsなど、リモートワークに不可欠なオンラインでのコミュニケーションツールにも慣れることができるでしょう。
3. 高度な専門スキルへのステップアップが可能
SAPエンジニアやコンサルタントを目指すなら、SAPに関するより深い知識、とくにSAP独自のプログラミング言語「ABAP」も身につけることが必要です。
また、習得したSAP知識やスキルがより実践的になっていくにつれ、分析力・課題解決力・コミュニケーション力など、DX時代に欠かせない総合的なスキルも同時に磨かれます。
4. SAP×英語リスキリングで広がる可能性
ERP製品はSAPを含め海外製品が多く、製品ドキュメントや操作画面に英語が使われることもあります。
そのため、SAPなどのビジネスITスキルに加えて、英語の学び直し(リスキリング)も注目され、多くの方が実践しています。
「IT+英語」のスキルは、これからのキャリアにおいて強力な武器になるでしょう。
▶RPAやSAPとともに、効率よく行う英語リスキリングについての記事はこちら
こうして学んだスキルは、業界を問わず活かせる“汎用力のあるスキル”として、今後のキャリアを支えてくれるはずです。
SAPリスキリングが“自分らしい働き方”を支える理由
デジタルリテラシーとは、「デジタルを理解し、正しく使いこなす力」のこと。たとえばIT関連業種など「デジタルを創る人」のみならず、「デジタルを使う人」も知っておくべきもの、とされています。参考:厚生労働省ホームページ デジタルリテラシーについて
今や仕事でも生活でも欠かせないデジタルスキルですが、まだまだ不安を感じる人も少なくありません。
SAPリスキリングを通じてデジタルリテラシーを高めれば、「業務効率化ツールを使いこなせる」「テレワークでも成果を出せる」といった自信がつきます。
これは、単に技術を学ぶだけでなく、“働き方を自由に選べる力”を身につけることでもあります。
転職・再就職・副業など、ライフステージの変化に柔軟に対応できるスキルとして、SAPリスキリングは女性にとって大きな味方になるでしょう。
女性にチャンス到来!自治体のSAPリスキリング支援制度を活用しよう

DX推進の流れの中で、各自治体が女性のデジタル人材育成事業を積極的に展開しています。
内閣府は令和4年4月、「女性デジタル人材育成プラン」を策定し、育児や介護等により時間的・場所的な制約のある女性が、デジタルスキルを習得しつつ、それを活かして収入を 得られるよう支援する取組が各地で行われてきました。
なかでも、株式会社MAIA・一般社団法人グラミン日本・SAPジャパンが連携して立ち上げた「でじたる女子活躍推進コンソーシアム」は、全国約20の自治体と協働し、未経験の女性がSAPなどを無料または低コストで学べるプロジェクトを展開。
「新しい働き方に挑戦したい」「家庭と仕事を両立したい」──そんな想いを後押ししてくれるプロジェクトが全国各地で実施されました。
令和7年6月には、「新・女性デジタル人材育成プラン」が決定され、女性デジタル人材育成・活躍への国をあげての取り組みは今後も続く見込みです。
こうした自治体でも採用された講座を含む、「でじたる女子+」は、動画編集など人気の高いITスキルから、SAP・RPAなどデジタル人材を目指せる高度なITスキルまで、幅広いリスキリングが可能。オンライン学習プログラムなので、場所や時間を選ばず、学ぶことができます。
でじたる女子+は、厚生労働省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」にも採択されています。学びながら将来のキャリアを再設計できるチャンスが到来している今、ぜひチェックしてみてください。
SAPリスキリングで“未来に強い私”へ
デジタル化が進む今、学び直しはキャリアの再出発に欠かせません。
この記事では、SAPとはどんなものでどのようにDX化と関係しているのか、なぜ今SAPリスキリングが注目されているのか、SAP学習で身につく実践スキルなどについて解説しました。
SAPリスキリングは、単なるスキル習得ではなく、「仕事を選ぶ自由」と「長く働ける安心」を手に入れるための学びです。
未経験からでも遅くありません。あなたの経験に“デジタル”という新しい力を掛け合わせることで、未来の可能性はぐっと広がります。
今こそ、自分らしい働き方のために、SAPリスキリングを始めてみませんか?



