IT未経験からでも目指せる!SAPテスターというキャリアの第一歩

リスキリング

未経験やブランクがあっても、リスキリングで目指せるIT職として注目されるSAPテスター。本記事では、SAPの基本からテスト業務の内容、キャリアの広がりまでを、復職を考える女性にもわかりやすく解説します。

目次

    SAPテスターとは?その入り口や業務の流れをやさしく解説

    「SAPの仕事は難しそう」「IT未経験でもできるの?」と不安に思う方は多いのではないでしょうか。

    実は、SAPに関わる仕事のなかで、未経験から挑戦しやすい職種のひとつがSAPテスターです。

    テスターは、システムが正しく動くかを確認する大切な役割を担います。経験を積めば、テストエンジニアやSAPコンサルタントへとキャリアを広げていくことも可能です。

    ここでは、SAPプロジェクトにおけるテストの流れや、テスターの仕事内容、未経験からのキャリアステップをわかりやすく解説していきます。

    SAPとは?初心者でもわかるERP(基幹システム)の役割と仕組み

    初心者からITスキルのリスキリングに挑戦するにあたって、「そもそもSAPって何?」という方も多いでしょう。

    SAPは、世界中の企業で導入されている基幹システム(ERP)の代表格。ERPとは、会計・人事・販売・在庫管理など、企業内の情報を一元管理し、部門間の業務連携と効率化を支える仕組みです。

    SAPのような基幹システムを導入することで、企業は「部門ごとに分散していた情報を統合できる」「業務のムダを減らせる」といったメリットを得られます。

    そして、基幹システムのなかでも、SAPは世界中の大手企業で採用され、日本でも製造・流通・金融など幅広い業種で導入が進んでいます。

    ▶SAPについての解説記事はこちら

    SAPテスターの役割とは?SAP導入プロジェクトの流れとテストの位置づけ

    SAPの導入は、多くの場合、大規模なプロジェクトを通して行われます。

    導入のプロセスは一般的に「企画・構想 → 要件定義 → 設計 → 開発 → テスト → 移行 → 運用保守」という工程で進みます。

    テスターが主に関わるのは「テスト」の工程であり、テスターの役割は、設計・開発された機能が要件どおりに動作するかを確認することです。たとえば「伝票登録が正しく完了するか」「在庫更新が他モジュールと矛盾しないか」などを、実運用に近い手順でテストするのです。

    もしテスト不足のまま稼働すると、請求書が発行できない、給与計算が遅れるといった日常業務に直結するトラブルにつながり、企業全体に大きな影響を与えかねません。

    だからこそ、テスト工程は慎重に進める必要があり、テスターの責任は重大です。テストは本番稼働前の最終品質ゲートであり、テスターはその管理人といえます。

    テスト業務の役割とSAP未経験者でも挑戦しやすい理由

    SAP人材は高度なスキルが求められる分野ですが、テスターは未経験者でも比較的入りやすいポジションです。

    テスト業務は、用意されたテストケースやチェックリストに沿ってシステムを操作し、期待どおりに動作するかを確認、結果を報告する仕事です。

    基本的にテスト仕様書や手順書などに沿って作業できるため、少しずつスキルを身につけながら経験を積むことができるでしょう。

    SAPテスター業務には、IT以外の幅広い業種で身につけられる以下のようなスキルも活用できます。

    • ExcelやWordといった基本的なPCスキル
    • 細かな作業を丁寧に続ける集中力
    • エラーを正確に伝えるコミュニケーション力

    また、事務・経理・物流など現場での実務経験は、そのまま強みとして活かせます。

    大切なのは「専門知識がないから無理」と思わずに、一歩を踏み出すこと。まずはテスターとして小さな成功体験を積み、現場感とITの両方を理解していくのが、SAPキャリアへの近道です。

    初心者向け!SAPテスターが関わるシステム開発テストの基本知識

    SAP導入時や、SAP導入後の業務に合わせたシステム開発で、テストは「想定通りに正しく動作するか」を確認する重要な工程です。

    一般的に、システム開発の流れは「V字モデル」と呼ばれる工程で進められ、要件定義や設計に応じたテストが実施されます。
    V字モデル図

    テスターの主な業務は、テスト設計書やテスト仕様書のテストケース(チェックリストのようなもの)に沿ってシステムを操作し、動作を確認することになります。そしてシステムの機能が正しく動作するか、エラーが出た場合はどのようなエラーなのかをひとつひとつ確認していきます。

    テスターが関わる主なテストには次のようなものがあります。

    • 単体テスト:プログラムを小さな機能単位で正しく動くかを確認
    • 結合テスト:複数の機能を組み合わせても正常に動作するかを確認
    • システムテスト:一連の業務フロー全体が正しく動くかを確認
    • 受け入れテスト:実際の利用者が使って業務に問題ないかを確認

    もし不具合があれば、その内容の画面キャプチャや発生条件を記録(エビデンス)として残し、開発者に報告します。

    地道な作業とはいえ、企業にとって致命的なリスクを事前に防ぐため、テスター業務はシステムの信頼性を守る大切な仕事です。

    重要な役割である一方、未経験者にとっては、テスト設計書などのマニュアルをもとに取り組めるため入りやすいポジションといえるのです。

    細かな確認を丁寧に進める集中力や、報告内容を正確に伝えるコミュニケーション力があれば、キャリアの第一歩として十分に挑戦できます。

    キャリアの広がり ― テストエンジニアやSAPコンサルタントへ

    SAPテスターとして経験を積んだ後は、さまざまなキャリアの選択肢が見えてきます。

    • テストエンジニア:テスト設計や実施全般を担う
    • テストリーダー/マネージャー:チーム全体をまとめ、品質を管理する立場
    •     

    • SAPコンサルタント:業務要件の定義やシステム設計に携わる上流工程へキャリアアップ

    また、資格取得もキャリア形成の強い後押しになります。代表的な資格としては、以下が挙げられます。

    資格は自分のスキルを客観的に証明できるため、SAPキャリアにおいても転職やステップアップの大きな強みとなります。

    SAPを学ぶことで得られる“市場価値”とは?年収やスキル活用例を紹介

    SAPを学ぶといっても「今から新しいスキルを身につけても遅いのでは?」と感じる方もいるかもしれません。

    しかし、SAPは製造業・流通業・金融・医療・公共機関など、業種を問わず導入されている世界的な業務システムであり、運用や改善に関わる人材は年齢や職種を問わず求められています。

    とくに、この記事でご紹介した「SAPテスター」ほか「運用担当者」は、現場とIT部門をつなぐ重要な役割を担う存在です。

    現場とIT部門をつなぐ役割を担える可能性

    SAPテスターや運用担当者は、単なるシステムチェックにとどまらず、現場の業務理解とITの技術的視点を両立する「橋渡し役」として活躍できます。

    現場業務の経験がある未経験者の場合は、業務の流れや課題感を肌で理解しているため、IT部門とのコミュニケーションにおいて強みとなります。

    こうした“業務とITをつなぐ人材”は、企業内でも高く評価される傾向があり、SAP関連職種の年収にもその価値が反映されています。

    たとえばSAPエンジニアの場合、業務経験やスキルに応じて変動しますが、年収は400〜500万円台からスタートし、経験を積むことで600万〜800万円以上を目指せるケースもあります。

    テスト業務から始めて、設計・開発・運用へとステップアップすることで、着実に市場価値を高めていくことが可能です。

    こんなケースもあります:現場経験を活かして“橋渡し役”として活躍

    長年、受発注や在庫管理などに携わってきた方ならば、SAP導入プロジェクトのテスト業務に関わることで、現場の業務フローとシステム仕様のズレに気づきやすくなるはずです。

    「この画面だと現場では入力ミスが起きやすい」「この手順は実際の業務と合っていない」といった視点は、IT部門にとって非常に貴重です。

    こうした“現場の言葉をITに翻訳できる人”は、プロジェクトの中で重宝され、結果的に業務改善チームや運用保守のポジションへとキャリアが広がっていくこともあります。

    こうした展開も可能です:SAPスキルを起点にRPA・業務改善へ展開

    また、SAPスキルをきっかけに、RPAや業務改善の分野へ展開していくケースもあるでしょう。

    経理や人事などでSAPを日常的に使っていると、業務の大量な繰り返し作業を課題とする社内のRPA導入プロジェクトに関わるチャンスも広がります。

    SAPの画面操作や業務の流れを理解していることで、ロボットの設計やテストにもスムーズに対応でき、IT部門との連携もスムーズに。

    その結果、他部門の業務フロー分析や改善提案など、より広い業務改善の領域へと活躍の場が広がることもあります。

    SAPやRPAを学んだ先輩女性たちの体験談はこちら

    未経験から学べる「でじたる女子+」のSAPコース

    SAPを学ぶには、実際のシステム画面を見ながら操作することが何よりの近道です。

    しかし、SAPは企業向けの高機能ERPであり、導入には数千万円〜数億円規模のコストがかかることも珍しくありません。 そのため、個人でSAP環境を用意して学習するのは現実的に難しく、未経験者が実務に近い形で学べる機会は限られています。

    株式会社MAIAが運営する「でじたる女子+」では、IT分野のスキルアップを目指す女性のために、実践的なe-learningプログラムを多数提供しています。

    SAP講座はそのひとつで、SAPのテスターを目指すための教育プログラムとして設計されています。このでじたる女子+のSAP講座では、受講者は業務知識を学びながら、実際にSAPのシステムを使ってデータ登録や伝票作成を行います。

    基礎を学んだあとは、SAPのテスター業務を想定した工程に取り組み、プログラムに不具合がないかなどの模擬テストをおこないます。 そして、エラーが発生した場合は、テスト設計書にエビデンスをつけて報告(提出)し、採点結果を見返したあと次のテスト演習に取り組んでいきます。

    このように、実際のSAP環境に触れながら「テスト業務の流れ」を体験できることは、未経験者にとって非常に貴重です。

    単なる座学では得られない“現場感”を身につけることで、プロジェクト参画時の不安や心配も軽減されるでしょう。

    修了後の参考ステップ:実際の体験談から見えるキャリアの広がり

    実際に、このSAP講座を修了した受講者の中には、10年間のブランクを経てSAP関連の仕事に就いた方もいます。

    講座で学んだ知識と操作経験を土台に、実務を通じてスキルを磨き、現在ではSAPシステムのカスタマイズにおける設計・開発・テスト業務を一貫して担当するという活躍をされています。

    講座修了後のステップ例としては、

    1. SAPテスター業務からスタート(派遣・委託・契約など)
    2. 実務経験を通じて設計・開発・運用保守の理解を深める
    3. 資格取得や社内研修を経て、上流工程へステップアップ

    このような流れが現実的であり、未経験者でも着実にキャリアを築いていくことが可能です。

    DX化の進展により、SAP人材のニーズは今後ますます高まると予想されています。そうした流れのなか、IT未経験からでも、まずはテスターとして基礎を固めることで、着実にキャリアの第一歩を踏み出すことができます。

    「でじたる女子+」のSAP講座は、そんな一歩を支える実践的な学習環境として、多くの受講者に選ばれています。

    SAP講座の詳細を見る

    未経験・ブランクからでも始められるITキャリア ― SAPテスターという第一歩


    SAPは世界的に需要が高く、今後も成長が見込まれる分野です。IT未経験の方でも、SAPを学び、まずはテスターとして経験を積むことで、着実にSAP人材へのキャリアを築いていけるでしょう。

    「新しい働き方を探したい」「ブランクからの復職を考えている」という方にとって、SAPテスターは挑戦しやすいスタート地点。自分の可能性を広げる第一歩として、SAP未経験からのチャレンジを始めてみてはいかがでしょうか。

    「自分にもできるのかな…」「学習を続けられるかな」という不安は、実際に学び始めてみることで少しずつ解消されていきます。

    その第一歩をサポートしているのが、女性のリスキリングを応援するオンライン学習プログラム 「でじたる女子+」 。

    未経験者でも実際のSAP画面を操作しながら学べるカリキュラム、仲間と励まし合えるオンラインコミュニティが運営されており、さらに学びをキャリアにつなげる個別相談や情報提供も含めたサポートが受けられます。

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