RPAによる業務自動化とは? 40代・50代女性のリスキリングにはRPAがおすすめ

リスキリング

RPAとはRobotics Process Automationの略。文字通り、ロボットによる業務や手続きを自動化する技術で、DXを進める企業や組織で導入されています。RPAで開発する「ロボット」はソフトウエアのロボット。このロボットはRPAツールを使って「ノーコード」で開発することができ、ITスキルを持っていなくても、リスキリングによって習得できる可能性が高いものです。ここでは、RPAを習得する方法としてリスキリングに関する情報、RPAによる業務の自動化例もご紹介します。

目次

    「リスキリング」でITスキルを身につけて経験値をさらに発揮しよう

    リスキリング、リカレント教育、生涯教育 さまざまな「学び直し」

    「リスキリング」とは

    新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること

    出典:経済産業省「リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―」

    「今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応する」ために、リスキリングはおもに企業内で従業員に対しておこなわれることが多いといえます。これまでの経験に新たなスキルを加えて、今の業務を効率化したり新たな業務に取り組んだり、効率化を行ったぶん時間にゆとりを持つなど、経験値を生かして働き方を改善できる可能性があります。また、個人で就業・転職を目指すために学び直しをすることも、リスキリングといいます。

    一方、おもに個人で行うのが「リカレント教育」や「生涯学習」です。「リカレント」には「繰り返す」という意味があり、リカレント教育とは社会人がそれぞれのタイミングでいったん職を離れ、仕事に生かすための知識やスキルなど、必要な教育を受けることです。こうして「仕事」と「教育」を繰り返すこととなります。

    また、生涯学習とは、生涯を通じておこなうあらゆる学習のことで、学校教育や社会教育、文化活動からボランティア活動、趣味など、仕事に無関係なことも学習の対象に含まれます。

    リスキリングを個人で行うとき活用したいサービスや給付金

    リスキリングは企業が導入する場合、機会や講習を提供されますが、個人でおこなうには自分で学ぶスキルを選び、費用も負担しなければなりません。職業でこれから必要とされるスキル、変化に対応するスキルを自分で選び出すのは、なかなか難しいですよね。

    そこでここでは、個人でリスキリングを始めたい場合に、会員になれば高度な講習から無料で受講できる講座の提供も受けられるサイト、リスキリングにかかる費用を補助する給付金制度をご紹介します。また、この記事の最後では、RPAスキル獲得のためのe-learningも提供する株式会社MAIAのプログラムもご紹介します。

    日本リスキリングコンソーシアム

    「日本リスキリングコンソーシアム」は、グーグル合同会社を主幹事とし、国や地方自治体、企業など49の団体が参画する団体。参画企業によるトレーニングプログラムと就業支援サービスの提供をしています。

    発足時の2022年6月時点で、無料で受けられるプログラム数は186(有料40)、テーマはクラウド、マーケティング、インターネットセキュリティ、デザイン、データ分析などです。2023年7月には会員登録者数が6万人、トレーニングプログラム数1000以上と公表されています。

    トレーニングプログラム受講者と企業をマッチングして就業支援を推進する「ジョブマッチングパートナー」も参画していて、希望すれば就業支援を受けることも可能。受講状況も記録でき、受講ユーザーのデータからのレコメンド機能も利用できるなど、何をどのように学んでいけばよいか、個人でのリスキリングをサポートしてくれますよ。

    第四次産業革命スキル習得講座

    第四次産業革命スキル習得講座(通称「Reスキル講座」)は、AI、Iot、データサイエンス、高度なセキュリティなど今後の成長が見込まれる分野の専門的・実践的な教育訓練講座として、経済産業大臣の認定を受けたものです。Reスキル講座の認定を受けた講座は経済産業省のホームページで確認できますのでチェックしてみてください。

    Reスキル講座は、「教育訓練給付制度」とも連携しています。教育訓練給付とは、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した場合に、その費用の一部が支給される制度です。

    厚生労働大臣指定の教育訓練には「専門実践教区訓練」、「特定一般教育訓練」、「一般教育訓練」の3種類があり、給付率も異なります。Reスキル講座のうち、「専門実践教育訓練」として厚生労働大臣の指定を受けた講座については、一定の条件を満たした場合、最大で受講費用の70パーセント、年間上限56万円の給付が受けられます。

    教育訓練給付を受けるには一定の条件を満たすことが必要です。下記のリストはご参考までに。くわしくはハローワークで支給要件照会の手続きをすると、給付が受けられるかどうか、よりくわしく調べることができますよ。

    POINT

    教育訓練給付を受けるために必要な条件は以下の通りです。ハローワークで支給要件照会の手続きをすると、よりくわしい確認が可能です。

    1. 講開始日時点で在職中であり、雇用保険に加入している
    2. 離職してから1年以内である
    3. これまで教育訓練給付を受けたことがない
    4. 3を受けたことがあり、前回の受講開始日以降、雇用保険の加入期間が3年以上ある、もしくは前回の支給日から今回の受講開始日までに3年以上経過している
    5. 雇用保険の胃加入期間が1年以上ある(専門実践教育訓練を受講する場合は2年以上)

    企業を対象とした給付、支援事業

    経済産業大臣が認定した教育訓練講座を企業内での人材育成に用いる際には、企業に対し、厚生労働省「人材開発支援助成金」の助成が行われています。 また、参画する事業者を対象としたリスキリング補助事業もあり、「リスキリングを通じたキャリアアップ事業」では、事業者を通してキャリア相談(無料)、リスキリング(受講費用負担軽減)、転職支援(無料)を一体としたサービスを受けられます。

    株式会社MAIAが「女性のためのリスキリング」として展開する「でじたる女子+」は、「リスキリングを通じたキャリアアップ事業」に採択されています。これら企業、事業者を対象としたリスキリング促進事業には、個人で申請することはできませんが、所属の会社でリスキリングやサービスを受けられるかどうか確認してみてもよいでしょう。

    RPAはリスキリングのテーマに選ばれやすい技術

    現在のリスキリングは、デジタル化に対応する、もしくはデジタル技術によってDXを推進するためのスキルを身につけることを目指す場合が多いでしょう。なかでもRPAは、ITを利用して業務の自動化、効率化ができるという面で、リスキングのテーマとして取り上げられることが多いといえます。

    RPAでどんな業務を自動化できる?RPAによる自動化例

    RPAでは定型作業の自動化が可能ですが、それはどういったものでしょうか。たとえば、家電量販店での業務として、次の例を考えてみましょう。

    RPA化の業務例

    1. 価格設定のために、毎朝、競合する家電量販店やインターネットショッピングサイトなど、10のWebサイトから、5つの商品の価格について情報を入手する
    2. 商品名、価格をエクセルファイルに記入。当日の日付をファイル名として保存する
    3. 2のエクセルファイルをメールに添付、「●●様 おはようございます。本日の価格調査結果です。よろしくお願いいたします」という定型文を添えて、20人の社員に送付する
    4. プリントアウトして直属の上司に提出する

    この業務例の1~4の作業は「毎朝行われる定型作業」といえます。RPAはPC上の操作を自動化できるので、1~3の業務の自動化が可能ということになります。

    RPAで「自分の業務」を自動化するメリット

    では、自動化はどのように行うのでしょうか? PCによる定型作業を自動化するには、一連の操作を行うプログラム(=ロボット)を開発します。プログラムを作るにはプログラミングの技術や知識が必要ですが、RPAにはこれをプログラミング言語でソースコードを記述することなく「 ノーコード」で可能にするRPAツールを使う点が特徴です。

    プログラミング言語の習得をしなくても自動化ロボットを開発できるということは、プログラミングをしたことがない、ITスキルに自信がない、という方でもRPAツールを使って自分の業務を自動化することができます。自分の業務をいちばん理解しているのは自分なので、きめ細かな点を考慮しながら自動化することができますし、自動化のために手順を確認することで、業務フローの改善につながったりもしますね。

    RPAツールにはBizRobo!、UiPath、Winactor、Automation Anywhere、Blue Prismなどいくつかの種類・製品があり、企業が契約するものを使うことになるでしょう。

    RPAを40代・50代から学ぶメリット

    この記事では、

    • リスキリングには助成金(条件を満たす必要がある)や無料のサービスも活用できる
    • RPAはITスキルに自信がなくても、リスキリングで習得できる可能性が高い
    • RPAで自動化できる作業は事務作業にも多い定型作業

    ということを紹介しました。

    事務のエキスパートも多い40代・50代女性がRPAを身につけられれば今の業務を効率化し自分の”価値”を高める、定型業務をロボットにまかせクリエイティブな業務に挑戦する、転職や就労の際のアピールポイントにするなど、さまざまな道につながるでしょう。

    受講生の80パーセント以上が40代の以上のe-leaningプログラム「でじたる女子+」

    「リスキリングを通じたキャリアアップ事業」、自治体でも採択されている「でじたる女子+」(株式会社MAIA提供)は、RPAをはじめSAP、ChatGPTプロンプトエンジニアリングなどの高度ITスキル、Webデザインや動画編集などの人気の高いスキルを幅広く学べます。

    全国各地で学ぶ受講生たちとのコミュニケーションの場としてのコミュニティ運営も行われており、ひとりではなかなか保てない学習へのモチベーションもサポートされます。リスキングを始めよう、RPAを学びたいと考える方はぜひチェックしてみてください。

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