【SAP資格】転職・再就職を目指す女性必見!SAP認定コンサルタント資格のメリットと取得方法

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SAP(エス・エー・ピー)」は、世界中の企業が導入しているERP(統合基幹業務システム)のひとつ。グローバルでの需要が高い一方、SAPに関する専門知識や技術を持った人材はまだまだ不足しているといわれています。

本記事では、SAPの知識やスキルを持っていることを証明できる資格、「SAP認定コンサルタント資格」の概要や種類、取得費用、メリットなどをわかりやすく解説。転職や再就職を目指す女性がSAP資格を取得することで得られるキャリアアップのチャンスについても紹介します。

目次

    SAPとは?DX化で急増するERPシステムと専門人材の需要の高まり

    まずは、聞きなれない方も多いであろうSAPについて、また、SAPの知識やスキルをもつことの意義について見ていきましょう。

    SAPとは企業のリソースを一元管理するERPシステムのひとつ

    SAPとは、ドイツSAP社提供のERPシステムで、企業のリソースを一元管理し、業務の効率化を促すツールとして、世界中で広く利用されています。

    ERP(Enterprise Resource Planning)とは「企業資源計画」という意味で、ERPシステムは文字通り企業の主要なリソース(資源)であるヒト・モノ・カネ・情報などを一元管理するためのシステムです。

    ERPシステムを導入することで、企業は点在する営業・販売・物流・経理・財務などの業務プロセスを一元管理できるようになり、業務の効率化や意思決定を迅速に行えるようになります。

    ERPシステムは、DX化が著しく進む中、業務効率化を目指す企業において重要な役割を果たしています。その中でもSAPの需要は高く、Apps Run The Worldが発表した「Top 10 ERP Software Vendors, Market Size and Market Forecast 2023-2028」によると、世界のERP市場でのシェア率がトップとなっています。

    出典:Top 10 ERP Software Vendors, Market Size and Market Forecast 2023-2028|Apps Run The World

    SAP人材不足の深刻化と将来にわたる高いニーズ

    このようにSAPの需要が高い半面、日本国内で高度な専門知識が必要となるSAPの人材は不足しているといわれています。

    こうしたSAP人材不足にはふたつの面があります。

    • 2030年までに日本で約40~80万人のIT人材が不足すると経済産業省が推計
    • SAP社のERPソフトウェア「SAP ERP 6.0(ECC 6.0)」の標準サポートが2027年末で終了、システム移行を進められるエンジニアやコンサルタントが不足

    日本では2010年代から将来のIT人材の不足が懸念されており、2030年にはIT人材が79万人不足すると予測されています。(出典:「参考資料 (IT人材育成の状況等について)」(経済産業省)

    また、SAPのシステム移行(期限を2025年から2027年に延長)に関する人材不足の懸念は、この記事の後半でも詳しく解説しますが「2027年問題」といわれ、SAPエンジニア、コンサルタントの不足により、S/4HANA移行プロジェクトの遅延が懸念されています。

    こうした状況のなか、大手メーカーや商社、IT企業など、国内の幅広い業界で導入が進んでいるSAPの専門知識・スキルを持った人材は引く手あまたといえます。SAPの知識を身につけることで、より市場価値の高い人材を目指せるでしょう。

    SAP認定コンサルタント資格などビジネスITスキルを活用するための資格取得

    まず、資格取得の重要性は、単に知識を持っていることを示すだけではなく、専門分野におけるスキルを客観的に証明できる点にあります。SAPのほか、CRMやAI、RPAなど業務の効率化に役立つ高度ITスキルを扱うビジネスITスキルは、この先もより需要が高まっていくと予想されます。

    ビジネスITスキルに関する資格は、業務を理解したうえでその改善に役立つツールを扱う能力を証明するものです。特に30~50代で転職を考えている女性にとっては、これまでの経験を活かし、業務の改善ニーズに対応できるスキルを持っていることを示すことで、自身の市場価値を高める手段となるでしょう。

    そして、この記事で紹介するSAP認定コンサルタント資格とは、SAP社が実施している認定試験の合格者が得られるコンサルタントの資格です。これを取得することでSAP導入に関する知識や技術を有していることが証明され、SAP関連プロジェクトに従事した際、ユーザー企業からの信頼も得られます。

    SAP認定コンサルタント資格の種類と難易度

    では、SAP認定コンサルタント資格の種類と難易度について見ていきましょう。

    SAP認定コンサルタント資格の試験は100種以上

    SAPがカバーする業務範囲は非常に広く、大きく分けて次の3つのジャンルに分けることができます。

    • アプリケーションコンサルタント:SAPビジネスコンサルタントの初級者が対象。エンジニアよりもビジネス寄りの業務知識や各モジュールの知識が必要になる。取得すると企業の業務プロセスの知識を有していることの証明になる。
    • デベロップメントコンサルタント:アプリケーションの開発が可能な、エンジニア、プログラマー、アプリケーション開発者向けの資格。取得すると様々なニーズに対応できるSAPアプリケーションを開発するスキルがあることを証明できる。
    • テクノロジーコンサルタント:SAPのインフラエンジニア向けの資格。取得するとSAPシステムで生じる問題に対して技術的なアドバイスができる。

    SAP認定コンサルタント資格のレベルは3段階

    SAP認定コンサルタント資格のレベルは、以下の3段階です。

    1. アソシエイト認定資格: 基本的な知識を問うレベル
    2. スペシャリスト認定資格: 特定分野のスキルや理解をさらに深めたレベル
    3. プロフェッショナル認定資格: 高度な専門知識と実務経験が必要な上級レベル

    特にプロフェッショナル認定資格は実務でのプロジェクト経験や深い理解が求められるため、難易度が高いといわれています。

    SAP認定コンサルタント資格の試験概要

    SAP認定コンサルタント資格取得後には認定資格のデジタルバッジを得られ、履歴書やオンラインプロフィールに載せることで、対外的な信頼度を高められます。

    本資格はSAP社が公式に認定するため、転職活動の際やプロジェクトアサイン時に以下のような「SAP製品についての知識とスキルを証明する」強力な武器となります。

    • 世界中で通用するSAPの技術や知識
    • ERP運用の専門知識
    • SAP独自のプログラミング言語ABAPや各モジュールに関する知識
    • 実務での導入・運用能力を客観的にアピール可能

    女性がSAP資格を取得するメリット


    SAP資格を取得することで、収入UPや市場価値の高い人材を目指せるなど様々なメリットがありますが、特に女性にとっては次のようなメリットが考えられます。

    1. 転職・再就職でのアピール材料になる
      ・SAPは多くの企業に導入されているためIT企業だけでなく製造業や流通業などあらゆる業界でスキルを活用できる。
      ・育児や家庭と両立しながら転職を目指す女性にとって、専門資格の取得は武器になる。
    2. 産休・育休後も活躍できるスキルを得られる
      ・専門的な知識や技術を有することでブランク後でも需要の高い人材になれる。
    3. 在宅・リモートワークの可能性
      ・SAP関連のプロジェクトではリモートワークでも可能な業務がある。
      ・コンサルタント業務以外でも、SAP関連の保守サポートやテスト業務など、場所を問わずできる仕事も多く、フリーランスとして活躍する人も増えている。
    4. キャリアの選択肢が増える
      ・コンサルタント、エンジニア、ユーザーサポート、テスター、運用保守など、多彩なポジションでの就業が可能。
      ・実務経験を積むことで収入アップや、管理職への道も開ける。

    女性はライフステージによって働き方が変わるため、SAPの専門知識があれば、このように在宅ワークやフリーランスなど柔軟な選択肢が広がり、ワーク・ライフ・バランスを向上させるメリットがあります。

    SAP認定コンサルタント資格を取得するための費用と勉強方法

    ここでは、具体的に資格取得のための費用や学習方法について解説します。

    SAP認定コンサルタント資格オンライン受験費用

    SAP認定コンサルタント資格はオンラインで受験可能です。1年以内に1回受験できるチケット(CER001)と、6回まで受験できるチケット(CER006)があり、それぞれ費用が異なります。

    • SAP Global Certification Online Exam(CER001): 年 1回オンライン受験可能 → 約34,900円(税込)
    • SAP Global Certification Online Exam(CER006): 年最大6回オンライン受験可能 → 約87,252円(税込)

    料金は2025年3月現在の情報です。料金は為替相場により変動するため、最新情報はSAP公式サイトでご確認ください。また、6回分をまとめて購入すると1回あたりが割安になりますが、有効期限が1年間なのでスケジュールを考慮して購入するようにしましょう。

    SAP認定コンサルタント資格の受験方法

    SAP認定コンサルタント資格の受験の流れは以下の通りです。

    1. SAP公式サイトで受験チケットを購入
      1年間に1回受験できるチケットと、1年間に6回受験できるチケット、どちらかを選択して購入します。
    2. 上記サイトからCertification Hubにアクセスして取得予定資格の試験予約を行う
      資格試験の種類は公式サイトのこちらから選択できます。
    3. 予約をしたCertification Hubからオンライン試験を開始する
      オンラインでの試験なのでインターネット環境を再度確認し、受験に必要なものを準備しておきます。

    SAP認定コンサルタント資格の勉強方法

    SAP認定コンサルタント資格取得のための学習方法には、公式のオンライン教材や参考書などを用いる方法があります。

    • SAP公式「SAP Learning Hub」で学習
      SAP社が提供する公式のオンライン教材やトレーニングコースなので信頼性も高く、最新の情報にも対応しているが、数十万の費用がかかるため、企業側の経費が出る場合におすすめ。 詳細はSAP公式サイトでご確認ください。

    • 過去問や参考書籍で学習
      過去問や参考書籍を使用し、試験範囲を確認したうえで学習していく。「SAP Leaning Hub」よりも安価なので始めやすい。

    2027年問題とSAP人材の需要拡大

    現在、SAPの2027年問題に向けて、SAP人材の需要が拡大しています。このため、今はSAPについての学習や資格取得を始める良いタイミングであるともいえるでしょう。

    では、2027年問題などについて詳しく説明していきます。

    SAPにおける2027年問題とは

    SAPの2027年問題とは、2004年にリリースされた「SAP ECC 6.0」のサポート・保守が2027年(拡張プログラムで2030年)に終了することにより予測される影響を指しています。

    現在「SAP ECC6.0」を導入している企業は、2027年問題に対し、最新バージョンの「SAP S/4HANA」への移行か、追加費用が発生するが2030年までサポート期間を延長するか、または別のERPシステムを導入するかの経営判断を迫られています。

    2027年問題間近である現在のタイミングでSAPに関する勉強を始めれば、移行プロジェクトに参画できる人材として大きくキャリアアップを狙えるといえます。

    SAP人材の需要拡大

    国内でも多くの企業がSAPを導入しています。SAP S/4HANAへの移行を進める企業が増えるなか、移行プロジェクトが増加することでSAPコンサルタントやエンジニア、運用保守担当者などの需要が急増することになります。しかし、現在のところSAPに関する人材は不足しているため、これらの人材の確保が課題となっています。

    また、移行プロジェクトでは、テスターマニュアル作成担当などSAPコンサルタントやエンジニア以外の職種も求められます。

    SAP認定コンサルタント資格は、比較的難易度が高いものです。まずは、テスターやマニュアル作成など未経験からでもスキル習得にチャレンジできる職種につき、経験をつみ資格取得を目指しながらキャリアを広げる選択肢もあるでしょう。

    SAPも学べる「でじたる女子+」のリスキリング講座とは?


    でじたる女子+」は、IT分野のスキルアップを目指す女性向けにeラーニングプログラムを提供しています。SAP講座をはじめ、RPAやChatGPT(プロンプトエンジニアリング)など、デジタル時代に求められる幅広いスキルを定額で学べます。

    でじたる女子+の特徴・メリット

    1. 初心者でも安心: パソコン初心者でもわかりやすい教材と質問へのサポートなど学習環境の充実。
    2. オンライン学習: スマホやタブレットを活用し、いつでもどこでも学べる。
    3. 就労サポート: 受講後には実務経験を積める案件紹介や就労支援が整っており、学習→実務へのスムーズなステップアップが可能。
    4. 日本語での解説: SAPの試験やドキュメントは英語メインだが、でじたる女子+での基礎学習は日本語で受講できる。

    でじたる女子+のSAP講座

    でじたる女子+のSAP講座では、SAPの幅広い知識の習得を目指しており、SAPの基礎知識、業務シナリオに沿ったSAPシステムの実機操作、SAPのプログラムの不具合を確認し、テスト結果の報告書を提出する試験などに取り組むことができます。

    まとめ:SAP認定コンサルタント資格で新しいキャリアと働き方を実現しよう

    この記事では、SAP認定コンサルタント資格の試験概要や、資格取得のメリットなどについてくわしく解説しました。

    • SAP認定コンサルタント資格は、グローバルで需要が高まるERPスキルを、客観的に証明する強力な武器。
    • 2027年のサポート終了に向けて移行作業が本格化し、SAP人材不足がさらに加速する見込み。
    • SAP関連の資格取得は、在宅ワークやフリーランスなど柔軟な働き方を選べるチャンスが増え、特に育児や家庭と両立したい女性には大きなメリット。
    • 費用面や英語力に不安があっても、eラーニングや企業支援制度を活用すれば、未経験からでも十分に挑戦可能。

    これまで培った社会人経験や知識、ITスキルに「SAP認定コンサルタント資格」をかけ合わせることで、あなたのキャリアの可能性は格段に広がります。ぜひ、学習や受験にチャレンジしてみてください。

    SAP認定コンサルタント資格を目指す次のステップ

    • 「でじたる女子+」のSAP講座で基礎からしっかり学習し、資格取得を目指す
    • 実務経験を積んで、さらなる専門性(スペシャリスト・プロフェッショナル資格)や高収入を狙う
    • 在宅やフリーランスを視野に入れ、新たな働き方へチャレンジ

    少しでも興味を持ったら、まずは情報収集から始めてみましょう。SAP認定コンサルタント資格はあなたの新しいキャリアとライフスタイルを切り開く大きな一歩となるはずです。

    FAQ:SAP資格に関するよくある質問

    Q1. 未経験からSAP資格を取っても転職に有利になりますか?
    A. 特に企業の会計部門やシステム部門での経験がある場合はもちろん、未経験でも専門資格があるだけで書類選考時のアピール度が高まります。

    Q2. 英語が苦手ですが、大丈夫でしょうか?
    A. ある程度の英語力は必要です。実際にSAP資格試験の多くは英語で実施されていますが、日本語で対応している試験もあります。また学習においては、SAPの公式トレーニングや教材で日本語のものも提供されています。ただし、SAP資格試験の問題自体は専門的な内容が多いため、英語が得意でない場合でも、専門用語を覚えることが重要です。

    Q3. SAP資格を取得するまでどれくらい勉強時間が必要?
    A. 目指すレベルや個人のITスキル・知識によりますが、SAP製品に精通している人であれば2~3か月、未経験からのチャレンジの場合、3~6か月程度の学習が目安となります。また、実務経験や自習時間によっても変動します。

    Q4. 費用が高いので、なかなか踏み切れません…
    A. 1回あたりの受験料は安くありませんが、6回受験できるプランを使うと1回あたりが割安になります。企業によっては資格取得支援制度を設けている場合もあるので、在籍中の会社へ相談してみましょう。

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