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新しい働き方とは?5つの事例から見えてくる未来の働き方

近年、就業形態や働く場所、働く時間にとらわれない「新しい働き方」が注目を集めています。

結婚、子育てなどでキャリアが途絶えてしまいがちな女性にとっては特に気になる言葉ではないでしょうか。

最近では企業が新しい働き方を次々導入し話題にもなっていますよね。

当記事では、新しい働き方のメリットデメリット、企業の導入事例について解説していきます。

働きにくさを感じていた女性が「新しい働き方」を知ることにより、働き方を見直すきっかけになれば幸いです。

 

新しい働き方と従来の働き方の違い

昨今耳にするようになった「新しい働き方」とは

・就業形態
・働く時間
・働く場所

にとらわれずに個人の裁量で働く働き方のことを言います。

従来は「決められた時間に」「会社へ出社し」働くことが当たり前でしたが、新しい働き方では時間も場所も選ばず、更には就業形態までも変化してきています。

具体的にどのように変化しているのか、一つずつ見ていきましょう。

 

就業形態

日本では「年功序列」「新卒一括採用」という雇用方法が根付いており、こういった従来の日本の雇用制度を「メンバーシップ型雇用」といいます。

「メンバーシップ型雇用」は職種を限定せず”総合職”として雇用し、職種も仕事内容も幅広くなることが特徴です。

早期退職を防ぐために働く年数ごとに昇給ができる「年功序列制度」、長く務めるほど多くなる「退職金制度」もメンバーシップ型雇用の特徴といえるでしょう。

ですが今では、メンバーシップ型雇用とは逆の「ジョブ型雇用」に注目が集まっています。

メンバーシップ型雇用は

・社歴が長くなるほど転職しにくい
・働いていれば給与が得られるため成果主義から遠ざかる可能性がある

というデメリットが挙げられます。

そのデメリットを解消するのが「ジョブ型雇用」です。

ジョブ型雇用は、従来の学歴や年齢を重視しての採用ではなく、「仕事に活かせるスキルがあるか」が採用基準になっています。

仕事・職務に対して必要なスキルがある人、相応しい人を割り当て、仕事の成果によって報酬が決まる雇用制度です。

今後IT化の進む日本でも「ジョブ型雇用」は積極的に取り入れられていくと予想されます。

 

ジョブ型雇用以外にも、フリーランスとして業務委託契約を結び企業に貢献する働き方も注目されています。

企業側からすると

・専門性の高い仕事を任せることができるため人件費を削減できる
・人材教育のコストを抑えられる

などのメリットがあり、専門的なスキルを持ったフリーランスと請負契約をする企業も増加してきています。

 

更にはパラレルワーカーという、本業だけに依存せず副業と並行してキャリアを積んでいく働き方もあります。

本業の傍らで副業をするというイメージではなく、複業として複数の仕事を同じ熱量でこなしていく働き方です。

近年副業を解禁する企業も増えている中で、パラレルワーカーは今後も増加していくことが予想されます。

 

働く時間

従来では働く時間は会社ごとの規定で決まっていることが当たり前でした。

9時~18時まで、など会社によって「定時」を設定し、その通りの時間に会社に出社し働いていました。

ですが今では「時短勤務」「フレックスタイム制度」など、働く時間も自由に選べる時代になってきています。

また、リモートワークの普及により通勤時間がなくなり仕事に対する拘束時間が短くなっていることも挙げられます。

働く時間が選べる、時間が有効に使えるというのは小さな子供がいる女性にとっては大きなメリットとなるでしょう。

 

働く場所

従来の働き方では「会社に出社する」ことが当たり前でした。

ですが今ではリモートワークを導入する企業が急増し、自宅やカフェなど働く場所も自由に選べるようになっています。

最近では従業員の交通費を抑えるために、郊外や地方にサテライトオフィスを作る企業も増えていたり、コワーキングスペースも増加したりとリモートワークの普及がうかがえます。

更にはリモートワーク時代の家づくりなども注目されており、働く場所と共に家庭や仕事の在り方も変わってきているということでしょう。

このようにリモートワーク環境の整備と新しい働き方の導入により従来と比べ、働き方の自由度が高くなっています。

子育てや介護で働きにくかった女性や、会社で働くことにとらわれ家族との時間に制限があった方にとっては理想の働き方が実現できるチャンスではないでしょうか。

 

新しい働き方に取り組み始めた企業の事例

新しい働き方はすでに複数の企業で導入されています。

リモートワークが普及してきた2020年よりも以前に新しい働き方を導入している企業も。

ここでは新しい働き方を導入している5つの企業の事例を順にご紹介します。

 

ヤフー株式会社

ヤフー株式会社は2020年10月から、新しい働き方を導入しています。

主な施策内容は

・リモートワークの回数制限をなくす
・フレックスタイム制度のコアタイム廃止
・副業人材の募集

の3つです。

ヤフーでは従来あった「どこでもオフィス」というリモートワーク制度月5回までの制限を、2020年10月からは回数無制限へと拡大しています。

リモートワークを無制限としてからの社内アンケートでは「生産性が上がった」との声が多く、全国で働く全社員を対象に無制限のリモートワークへと移行しました。

フレックスタイムのコアタイムを撤廃することにより、時間の自由度も上がっています。

また、副業として業務委託契約を結べる「ギグパートナー」という人材を募集し、従来では交わることのなかった人と「より創造的な便利」を生み出すことを目的とした施策も開始しています。

フリーランスの方でも、本業がある方でも、大手企業のヤフーで副業をすることができる時代です。

 

リモートワークでは「コミュニケーション不足」「雑談がしにくい」などの課題がありますが、ヤフーでは「どこでもオフィス」をうまく活用して働いています。

「今日の打ち合わせはオフィスで」「今日は1人で集中する」など、柔軟に働く場所を変えることが可能です。

また、2021年からは「実験オフィス」という取り組みを始め、オフィス内で”集中フロア”と”コミュニケーションフロア”に分けたりとオフィス内の働きやすさも進化しています。

 

株式会社タニタ

健康計測機器やタニタ食堂で有名な株式会社タニタでは「社員のフリーランス化」がおこなわれています。

「日本活性化プロジェクト」と名付けられ、働き方改革が叫ばれる以前から導入されている画期的な働き方です。

「社員のフリーランス化」は、その名の通りタニタの社員として働く人がフリーランスとして独立し、業務委託契約を結ぶことを言います。

こちらは義務ではなく、社員として働くか、フリーランスになるかを自由に選択することができる制度です。

新しい働き方、と聞くと働く時間や場所に注目しがちですが、タニタでは会社と個人の関係性に着目しています。

フリーランスになることでまず時間と場所の制限から解放され、仕事の方法も自身で選択することができるように。

反対にフリーランスのデメリットとして、社会保障の薄さと収入の不安定さが挙げられます。

タニタでは社員時代にかかっていた社会保険相当額を報酬に組み込むことで社会保障の薄さを回避。社員時代の給与・賞与をベースとして固定報酬を設定することで、収入の不安定さをも回避しています。

もちろん固定報酬だけではなく、成果報酬も支払われるため自身の裁量によって収入を増やすことは可能です。

フリーランス化したメンバーは平均3割ほどの収入アップになるという結果になっています。

契約期間の縛りや福利厚生についてはフリーランスの課題となりますが、社員としてスキルアップした後に自由な働き方を選択することができるというのは大きなメリットです。

 

日立製作所

日立製作所では全社員にテレワークを推進する他、大きな方針として「ジョブ型雇用」を導入する方針を2021年4月に打ち出しました。

「ジョブ型雇用」とは、仕事・職務に対して必要なスキルがある人、相応しい人を割り当て、仕事の成果によって報酬が決まる雇用制度です。

従来の年功序列や社歴で報酬が決まる「メンバーシップ型雇用」とは逆で、成果主義であることが特徴の一つです。

日本人に根付いたメンバーシップ型雇用の概念を変えていくには時間を要するため、2024年までにジョブ型雇用へ完全移行することを目指しています。

ジョブ型雇用への移行によりスキルや経験があれば報酬は上がり、年齢や学歴に関係なく仕事の成果で評価をしてもらうことが可能になります。

企業側としても職務や仕事に適した人材を確保できるため、成果が出やすく人材コストもかからないことがメリットです。

ジョブ型雇用の課題としては、新卒採用との親和性が低いこと、流動性が高いことが挙げられます。

スキルや経験、専門性が重視されるため、新卒採用をメインとすることは難しいでしょう。

また、スキルや専門性を持った人材は、待遇のいい会社や自身のスキルが更に活かせる会社に移ることも考えられます。

 

株式会社ソニックガーデン

株式会社ソニックガーデンはソフトウェア開発で有名な企業です。

ソニックガーデンは新しい働き方に先立ち、2016年にオフィスを撤廃し全社員がリモートワークをおこなっています。

さらにフレックス制度を導入しているため、働く時間も場所も自由に選択することができます。

日本全国から社員が集まり、中には海外で働く人も。

完全リモートワークとフレックス制度を導入することにより、一人一人のライフスタイルに合わせて働くことができます。

育児や介護、パートナーの転勤などにもリモートワークであれば柔軟に対応できるため、キャリアを途絶えさせることなく仕事を続けることが可能です。

企業側としてもオフィスがある地域に限らず全国から優秀な人材を集めることによって生産性が上がりますよね。

リモートワークでは、コミュニケーション不足が課題の一つになりがちですが、ソニックガーデンでは「バーチャルオフィス」を作ることでそれを回避しています。

オンラインでも顔を合わせてコミュニケーションを取りながら仕事をすることで、チームワークよく仕事をすることができるよう工夫されています。

 

株式会社ファーストリテイリング

株式会社ファーストリテイリングは「ユニクロ」「GU」を展開している会社です。

2015年に週休3日制度を導入したことで話題に上がりました。

週休3日にすれば労働時間が減り、給与が減額になるのでは・・・?という不安に対しては1日の労働時間を10時間に延ばすことで回避しています。

1日の労働時間を10時間にしたことで、週休2日の場合と同じ労働時間が確保できるため以前と変わらない給与水準を保つことができています。

週休3日にすることで、「働くときは集中して働き、休む時はじっくり休む」働き方を実現し、家庭との両立や余暇を楽しむ時間を作り出しました。

家族との時間をとりやすくすることで、育児も夫婦で協力しやすくなるというメリットもあります。

週休3日は、ファーストリテイリング以外の企業でも取り入れていますが、他企業との連携が取りづらくなることや、企業によっては収入が減ってしまうことが課題として挙げられています。

 

新しい働き方は、個人にどんな影響を与えるか?

新しい働き方が普及していくことでワークライフバランスが整い、働きやすさは格段に上がると言えるでしょう。

例えば女性は従来の働き方では出産や育児、転勤などで好きな仕事を諦めなければならないこともありました。

ですが、新しい働き方であるリモートワークや時短勤務、フレックスタイム制度を導入することで女性の社会進出において課題であった「家庭と仕事の両立」は以前より容易になるでしょう。

また新しい働き方を取り入れることで恩恵を受けられるのは女性だけではありません。

内閣府の調査「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化」によると、リモートワークやフレックスタイム、労働時間の減少により家事育児の役割が増えたという男性が3割以上という結果も出ています。

新しい働き方でできた時間を使って副業を始めたり、勉強してスキルを磨くことで、会社員とフリーランスの二足のわらじで仕事をすることも可能になるでしょう。

または家族との時間を大切に、ワークライフバランスを重視した働き方も可能です。

一つの会社に勤め続けることがすべてではなくなり、今後更に働き方は多様化していくと考えられます。

それにより、仕事への意識や仕事のやり方、向き合い方もより良い方向へ変化していくでしょう。

 

新しい働き方に順応して行くために

新しい働き方に変わって行くなかで、私たちの働き方もそれに対応していく必要があります。

例えば、リモートワークに対応できるように、web会議ツールやチャットツールの使い方に慣れたり、副業を見据えて新たにスキル取得をするなどが挙げられます。

フレックスタイムやリモートワークによって生まれた時間の余裕を、スキルアップなどで自分のキャリアをよくしていく方法もあります。

 

まとめ

新しい働き方とはどういう働き方なのか、実際の導入事例と共にご紹介しました。

新しい働き方で時間も場所も選ばず、自分の環境に合った仕事、適性に合った仕事を選択できるようになることで女性でもキャリアを中断せず働き続けることが可能になります。

今後は会社だけにとらわれず、スキルや適性で仕事を選ぶ時代になってくるのではないでしょうか。

ワークライフバランスを重視できる働き方が実現できれば、未来では家族や仕事の在り方も変わってくるのかもしれません。

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