やりがいのある仕事って何だろう?
毎日同じことの繰り返し・・・
ただ淡々と一日が過ぎていくことに無性に不安を感じつつも、どうしていいかわからない。
そんなことありませんか?
本記事では、今の仕事に対してやりがいを感じられない方のために、やりがいのある仕事とはどんな仕事なのか?どんなときにやりがいを感じられるのか?今の仕事のままでもやりがいを感じられるようになるのか?ということをお伝えします。
仕事にやりがいを感じられるようになることで、いきいきとした毎日を過ごせる様になりましょう!
やりがいのある仕事とは?
やりがいのある仕事とは、どのような状態のことをいうのでしょうか?
厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析 概要」によると、働く人の「働きがい」について「ワーク・エンゲイジメント(WE)」という概念を用いて分析しています。
「ワーク・エンゲイジメント(WE)」は、次の3つが揃った状態として定義しています。
熱意・・・仕事に誇りとやりがいを感じている
没頭・・・仕事に熱心に取り組んでいる
「ワーク・エンゲイジメント(WE)」の「熱意」は仕事に誇りとやりがいを感じている状態ということから、「活力」「熱意」「没頭」が揃った状態の「ワーク・エンゲイジメント(WE)」で表す「働きがい」について、やりがいのある仕事と同様ととらえてデータをみることにします。
したがって、やりがいのある仕事とは「活力」「熱意」「没頭」が高い状態であることを指します。
仕事にやりがいを感じるのが多いは男性?女性?
一般的に仕事にやりがいを感じるのが多いのは、男性でしょうか?女性でしょうか?
ここで、興味深いデータがあります。
男性と女性では、働きがいの高い状態にあてはまる者の割合が、雇用状態関係なく男性より女性が高いという結果が出ています。
もともと女性のほうが男性より仕事に対するやりがいを感じる意識が高いようですね。
【参考】厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析 概要」ー非正規雇用労働者の「働きがい」の概況ーより引用
また、正社員の「働きがい」については「活力」「熱意」「没頭」のスコアが男性と女性で次のような結果がでています。
【参考】厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析 概要」ー正社員の「働きがい」の概況ーを参考に作成
女性は男性より「活力」は劣るものの、「熱意」と「没頭」では高いスコアを出しています。
女性は男性より仕事に対して誇りややりがいを感じ、熱心に取り組む姿勢が強いと言えます。
やりがいを感じながら仕事をしている人と、感じていない人の差は?
次に、やりがいを感じながら仕事をしている人と、感じていない人にはどんな差があるのでしょうか?
「働きがい」の高い労働者の主な仕事に対する認識のデータでは、働きがいが高い者と低い者の認識の差を次の9つの質問からみています。
②自己効力感(仕事への自信)が高い
③勤め先企業でどのようにキャリアを築いていくか、キャリア展望が明確になっている
④働きやすさに対して満足感を感じる
⑤仕事の遂行に当たっての人間関係が良好である
⑥仕事の裁量度(仕事を進める手段や方法を自分で自由に選べる程度)が高い
⑦職場にロールモデルとなる先輩社員がいる
⑧労働時間の少なくとも半分以上は10ハイスピードで仕事をしている
⑨自身に業務が集中している
【参考】厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析 概要」ー「働きがい」の高い労働者の主な仕事に対する認識ーより引用
※スコア化に当たっては、「いつも感じる=6」「よく感じる=」「時々感じる=3」「めったに感じない=」「全く感じない=0」として、各質問項目の平均値を示しており、当該スコアは、主な仕事においてそれぞれの認識を感じる度合いを指しています。
棒グラフが働きがいが高い者、赤丸が働きがいが低い者です。両者のスコアの差が一番開いているのは、次の3つです。
①仕事を通じて、成長できている
②自己効力感(仕事への自信)が高い
③勤め先企業でどのようにキャリアを築いていくか、キャリア展望が明確になっている
逆に両者のスコアの差があまり開いていないのが次の2つです。
⑧労働時間の少なくとも半分以上は10ハイスピードで仕事をしている
⑨自身に業務が集中している
この結果から、やりがいを感じながら仕事をしている人と感じていない人とでは、「仕事量」や「作業面」などに感じ方の差はないものの、「成長」「自信」「キャリア展望」という面で感じ方に差があり、物理的なことより心理的なことに感じ方の差が開いているとみてとれます。
したがって、目の前にある仕事を淡々とこなすのではなく、今している仕事がこの先自分が望んでいる姿に繋がっていると感じれるときにやりがいを感じると言えるのではないでしょうか?
やりがいと職種の関係
では、仕事に対してやりがいを感じている人たちが多いのはどんな職種でしょうか?
やりがいと職種の関係についてみていきましょう。
下の図表は、厚生労働省「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」で、産業別の職場の「働きがい」に関する意識調査の結果です。
「働きがいがある」「どちらかといえば働きがいがある」と回答した割合が多いのは次の4つです。
2位「医療・保健、福祉」59.4%
3位「電気・ガス・熱供給・水道業」57.8%
4位「情報通信業」57.1%
「教育・学習支援業」、「医療・保健、福祉」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「情報通信業」のどの産業も「働きがいがある」「どちらかといえば働きがいがある」合わせて6割くらいあるため、これらの職種がやりがいのある仕事と言えるでしょう。
【参考】厚生労働省「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」ー産業別キャリア形成に対する意識ーより引用
それでは「教育・学習支援業」、「医療・保健、福祉」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「情報通信業」にどんな仕事があるのかご紹介いたします。
やりがいのある仕事1位「教育・学習支援業」
やりがいのある仕事1位「教育・学習支援業」について、日本標準産業分類では、以下のようになっています。
「学校教育を行う事業所、学校教育の支援活動を行う事業所、学校教育を除く組織的な教育活動を行う事業所、学校教育の補習教育を行う事業所及び教養、技能、技術などを教授する事業所が分類される。
通信教育事業、学習塾、図書館、博物館、植物園などの事業所も本分類に含まれる。」
近年の少子化の影響から縮小傾向にある仕事ではありますが、その分、一人一人と向き合うことが多いため、子供達の成長を直に感じとれることからやりがいのある仕事といえます。
やりがいのある仕事2位「医療・保健、福祉」
やりがいのある仕事2位「医療・保健、福祉」について、日本標準産業分類では、以下のようになっています。
「医療、保健衛生、社会保険、社会福祉及び介護に関するサービスを提供する事業所が分類される。
医療業とは、医師又は歯科医師等が患者に対して医業又は医業類似行為を行う事業所及びこれに直接関連するサービスを提供する事業所をいう。
保健衛生とは、保健所、健康相談施設、検疫所(動物検疫所、植物防疫所を除く)など保健衛生に関するサービスを提供する事業所をいう。
社会保険・社会福祉・介護事業とは、公的年金、公的医療保険、公的介護保険、労働災害補償などの社会保険事業を行う事業所及び児童、老人、障害者などに対して社会福祉、介護等に関するサービスを提供する事業所をいう。」
医療・保健、福祉ともに慢性的な人材不足の状態が続いています。しかしながら人命を救うという仕事は、かけがえのない命の尊さを直に感じれる、または間接的に支える立場であることからやりがいのある仕事といえます。
やりがいのある仕事3位「電気・ガス・熱供給・水道業」
やりがいのある仕事3位「電気・ガス・熱供給・水道業」について、日本標準産業分類では、以下のようになっています。
「電気,ガス,熱又は水(かんがい用水を除く)を供給する事業所並びに汚水・雨水の処理等を行う事業所が分類される。
電気業とは,一般の需要に応じ電気を供給する事業所又はその事業所に電気を供給する事業所,特定規模需要に応じ一般電気事業者が運用・維持する系統を経由して電気を供給する事業所,特定の供給地点における需要に応じ電気を供給する事業所をいう。自家用発電の事業所も電気業に含まれる。
ガス業とは,一般の需要に応じ導管によりガスを供給する事業所,一定数量以上の需要に応じて導管によりガスの供給を行う事業所,及び自らが維持し運用する一定規模以上の導管でガスの供給を行う事業所をいう。熱供給業とは,一般の需要に応じ蒸気,温水,冷水等を媒体とする熱エネルギー又は蒸気若しくは温水を導管により供給する事業所をいう。
水道業とは,一般の需要に応じ水道管及びその他の設備をもって給水を行う事業所並びに公共下水道,流域下水道又は都市下水路により汚水・雨水の排除又は処理を行う事業所をいう。」
生活に必要な電気、ガス、熱、水を供給する仕事は、なくてはならない仕事のため、安定性を得られるとともに、すべての人の生活をささえる仕事としてやりがいのある仕事といえます。
やりがいのある仕事4位「情報通信業」
やりがいのある仕事4位「情報通信業」について、日本標準産業分類では、以下のようになっています。
「情報の伝達を行う事業所、情報の処理、提供などのサービスを行う事業所、インターネットに附随したサービスを提供する事業所及び伝達することを目的として情報の加工を行う事業所が分類される。
情報の伝達を行う事業所とは、電磁、非電磁を問わず、映像、音声、文字等の情報を伝達する事業所及び伝達するための手段の設置、運用を行う事業所をいう。
情報の処理、提供などのサービスを行う事業所とは、電子計算機のプログラムの作成を行う事業所、委託により電子計算機等を用いて情報の処理を行う事業所及び情報を収集・加工・蓄積し、顧客の求めに応じて提供する事業所をいう。
インターネットに附随したサービスを提供する事業所とは、インターネットを通じて、上記以外の通信業及び情報サービス業を行う事業所をいう。
情報の加工を行う事業所とは、新聞、雑誌、ラジオ、テレビジョン、映画などの媒体を通じて不特定多数の受け手を対象に大量に情報を伝達させるために、映像、音声、文字等の情報を加工する事業所をいう。」
情報通信業とは、情報の伝達や処理、提供などのサービスを行う現代社会に必要不可欠な業種です。
人と人、人とモノ、人とストーリーを繋げ、人の心や行動を動かすことができる仕事のため、やりがいのある仕事といえます。
やりがいのある仕事の共通点は「喜び」
やりがいのある仕事として「教育・学習支援業」、「医療・保険、福祉」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「情報通信業」を紹介してきましたが、それぞれの仕事に共通点があるのはお気づきいただけたでしょうか。
子供達の成長、人命の尊さ、人の生活を支える、人と人を繋げるなど、「喜び」を感じることで感情が震え、もっと人のためになりたい、そのために自分が成長したいという欲求が満たされ、仕事のやりがいにつながるのではと推測されます。
したがって仕事がやりがいを感じさせるのではなく、どんな仕事であっても、やりがいを感じることは自分の考え方や意識次第でできるのではないでしょうか?
今の働き方にもっとやりがいをプラスするために
今の働き方に自分は満足しているのかな?
ただ淡々と過ぎていく日々は平穏ではあるけれども、5年後も10年後も今のままの自分でいいのかな?
今の働き方にもっとやりがいをプラスしたい!
そう思っていませんか?
実は、パラレルワークやスキルアップをして、自分で今の仕事に対するやりがいを見出している人が増えてきています。
パラレルワークとは、「複業」ともいわれています。
オーストリア人経営学者のピーター・ドラッカーにより提唱された言葉で、本業を持ちながら第二の活動をすることです。
ひとつの仕事を本業ととらえず、すべての仕事や活動に本業と同じように取り組むことから、一つ一つの仕事にやりがいを持って取り組めることでしょう。
ここで、今の働き方にやりがいをプラスした働き方をしている2つの事例記事を紹介します。
一つ目は、税理士法人の正社員でありつつ、AIやRPA(人間がコンピューター上で行っている定型作業を、ロボットで自動化すること)のスキルを学び仕事をしている方のインタビューです。
仕事のやりがいは、完成したRPAロボットをお客様がご覧になって感激されるときや、RPAロボットが完成したとき、RPA開発における課題が解決できたときなどに感じているようです。
特にお客様に自動化されている様子をご覧頂いたときに感動されて、あれもこれも自動化してほしいとお願いされることに喜びを感じているそうです。
MAIA女子との出会いが夢であったITの仕事に携わることを可能にした〜そして、さらなるITスキルの強化へ〜
二つ目は、夫の地方転勤と出産が重なり、仕事を辞めることになっても、くすぶっているのではなく再就職に向けてスキルアップして仕事へのやりがいを自ら切り開いた方のインタビューです。
こちらの記事も合わせてご覧ください。
RPAとの出会い自信と余裕をくれたが「仕事をしていく私」への自身と余裕をくれた
まとめ
やりがいのある仕事とはどんな仕事でしょうか?
初めに、やりがいのある仕事とは「活力」「熱意」「没頭」が高い状態であることを指すとお伝えしました。
熱意・・・仕事に誇りとやりがいを感じている
没頭・・・仕事に熱心に取り組んでいる
では、どんな状態の時に「活力」「熱意」「没頭」が高くなるのでしょうか?
それは、目の前にある仕事を淡々とこなすのではなく、今している仕事がこの先の望んでいる姿に繋がっていると感じれるときに感じると言えます。
また、人は「喜び」を感じることで感情が震え、もっと人のためになりたい、そのために自分が成長したいという欲求が満たされ、仕事のやりがいにつながるのではと推測されます。
したがって、仕事がやりがいを感じさせるのではなく、どんな仕事であっても、やりがいを感じることは自分の考え方や意識次第によるもので、今の働き方にやりがいをプラスするのも自分次第なのです。
やりがいのある仕事を自ら生み出せるいきいきとした女性になりましょう。