転職市場でよく耳にする”キャリアアップ”という言葉。
“キャリア”という言葉の意味はひとつではないため、この言葉をどういった意味で捉えるかは個々によってそれぞれ変わってきます。
“昇給によって収入をアップさせる”ということをキャリアアップと捉える人もいれば、”自分らしいワークライフを実現する”ことをキャリアアップと捉える人もいることでしょう。
この記事では、”キャリアの意味”とはどういうものかを企業の採用側、自分側それぞれ2つの視点から解説していきます。
“転職を考えているけど、やりたいことがなかなか見つからない”
“どんなキャリアを歩むことが正解と言えるのか?”
このような疑問を抱いている皆さんは、是非参考になさってくださいね。
「キャリア」の意味とは??
そもそも”キャリア”という言葉の意味は何なのでしょうか。
キャリアという言葉は仕事・経歴・就職などの分野において使われることが多いイメージですが、実際には全く異なる二つの意味で定義されているのです。
キャリアという言葉は、仕事を遂行する過程と仕事における役割や働く意味という全く異なる二つの定義があることが特徴です。。
厚生労働省で提唱されている”キャリアの概念”では、キャリアという言葉が
『時間的持続性ないしは継続性を持った概念』
として定義されています。
<参考記事>https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consulting.html
しかし文部科学省では、キャリアという言葉は
『人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖及びその過程における自己と働くこととの関係づけや価値付けの累積』
という意味合いで定義されているのです。
<参考記事>https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/index.htm
厚生労働省と文部科学省それぞれで全く異なる意味で定義されている”キャリア”という言葉の共通点は、“キャリアという言葉の意味は一つではない”ということです。
どちらの視点をキャリアの意味として捉えるかは、皆さん自身の求める人生の歩み方によって決まってくると言えるでしょう。
以下段落では“評価されやすいキャリア”と“自分らしいキャリア”の歩み方をそれぞれ解説していきます。
どんなキャリアなら重宝されるのか?
転職市場は多くの場合新卒採用よりも枠が少ないため倍率が高く、即戦力として期待される場合が多いため実績やスキルなどがより重要視されやすくなります。
更に”他人軸で評価されやすいキャリア”には共通点があることが特徴であり、人材育成を前提とした新卒採用と比べて評価されるポイントも異なります。
この段落では、”採用市場において評価されやすいキャリア”についてを紹介していきます。
今後転職を考えている方や、市場価値の高い人材となるキャリアを歩みたいと考えている皆さんは是非参考になさってくださいね。
採用市場において重宝されやすいキャリア①長年働き続けている
採用市場において重宝されやすいキャリアの1つ目の共通点は、長年働き続けているということです。
皆さんが一つの会社で5年以上働き続けていた経歴がある場合、面接官に対して”継続力のある人”、”すぐに会社を辞めない人”という印象を与えることができるでしょう。
しかし1年前後での辞職歴や転職歴が多い人の場合、どうしても面接官に”すぐに辞めてしまわないか不安”というイメージを与えやすくなってしまいます。
どうしても自分に合わない場合は話が別ですが、余りにも短期的な離職や転職は将来のキャリアの構築に影響することをしっかりと心掛けておきましょう。
採用市場において重宝されやすいキャリア②ある特定の分野に精通している
特定の分野に精通しているということも、採用市場において重宝されやすいキャリアの特徴のひとつと言えます。
たとえ複数回の転職をしていた場合でも、同じ業界においての複数の会社での勤務経験が長い場合、その分野においての知識や実務経験を評価されやすくなります。
また、異なる業界における複数の会社での勤務経験がある場合も、営業や経理など同じ職種での就業経験が長い場合スキルを認められやすく、人材としても評価が高くなります。
ある特定の職種や分野における専門知識を持っていることで、転職市場においても即戦力的な人材としての評価が高まっていくことでしょう。
採用市場において重宝されやすいキャリア③明確な実績がある
数字やデータなどで表せる明確な実績があることは、その人の実力を判断する上での材料になるため採用市場においての価値が大きく上がります。
採用市場において重宝されやすい実績の例としては
・◯◯年◯◯月に◯◯社◯◯部の営業として月間ナンバーワンの売り上げを記録した
・〇〇システムの開発チームにおけるリーダーを〇〇年間担当していた
・◯千人以上のフォロワーのいるSNSアカウントを企業のPRのため運用していた
以上のようなパターンがあります。
以前の職場で達成した実績を自分の長所や将来の目標などと掛け合わせてアピールすることで、キャリアを歩んでいくことへの本気度も伝わりやすくなるでしょう。
採用市場において重宝されやすいキャリア④企業の理想の人物像にマッチしている
“企業が求める人物像にマッチしている”ことは採用側にとってこれ以上ない判断材料でもあるため、人材としての評価も高まりやすくなります。
社内の雰囲気や働き方、人間関係などを知っている採用側からすると、その人が会社が今求める人物として相応しいかどうかを判断することは必要不可欠です。
例え高度な資格や実績を持っている人の場合でも、採用側が会社の求める人物像とマッチしないと判断した場合、面接での合格率も大幅に下がると言えるでしょう。
ここで転職者にとって大切なのは、面接に合格できなくてもあまり自分を責めすぎず、”自分は企業の求める人物像にマッチしていなかった”と考えることです。
理想のキャリアの実現にはスキルや実績同様、会社との相性の良さも大切な要素の一つなので、自分の歩むキャリアを選ぶ時にしっかりと考えて会社を選ぶことが大切です。
即戦力としての働きが期待される転職市場では、勤続年数や実績など実際に自分が歩んできたキャリアを”可視化”した部分が評価されやすくなります。
採用市場において評価されやすいキャリアを求める場合は、上記の要素を掛け算して転職市場だけでなく業界において価値の高い人材を目指していくことを心掛けましょう。
私らしい「意味のあるキャリア」を見つけるには
前段落では”採用市場において評価されやすいキャリア”についてを解説させていただきましたが、これらのキャリアの歩み方は全て”絶対的な正解”ではありません。
“自分らしいキャリア”とは”評価されやすいキャリア”を追い求めるのではなく、自分の人生に軸足を移すことで初めて見えてくるものなのです。
この段落では、”自分にとって意味のあるキャリアを見つける上でのポイント”についてを解説していきますので、是非参考になさってくださいね。
自分にとって意味のあるキャリアのポイント①自分の今までの人生経験を振り返る
自分にとって意味のあるキャリアを見つける上での最初のステップは、自分の今までの人生をもう一度振り返ってみることです。
自分の人生を振り返るにあたって
・自分はどんなことを仕事として続けていきたいのか
・自分はどんな人と一緒に居たいのか
・自分は何歳まで働きたいのか
・自分は何のために日々働いている(勉強をしている)のか
各年におけるこれらの点に注目することで、当時の自分と今の自分の状況や考え方の変化に気付きやすくなります。
“一度きりの自分の人生においての意味のあるキャリア”を見つけるためには、まずは自分自身の経歴や理想を現状と照らし合わせてみましょう。
自分にとって意味のあるキャリアのポイント②自分の持っている資格・スキルを整理する
自分の人生の振り返りが終わったら、次は今までに取得してきた資格や身につけてきたスキルについてを整理してみましょう。
書類一枚で自分の実力を証明できる資格はもちろんのこと、今までの人生において培ってきたスキルや得意分野などについても振り返ることが大切です。
今までの人生において積み上げてきた実績や資格、習得したスキルを今一度整理することによって、”自分は社会において何が出来るのか”ということを再認識できます。
自分の過去や考え方の変化、現状や目標を再認識してこそ、”自分にとって意味のあるキャリア”とは何かを考えやすくなるのではないでしょうか。
自分にとって意味のあるキャリアのポイント③自分の性格を今一度分析する
自分にとって意味のあるキャリアの理想像がある程度固まってきたら、次は自分の性格についてを今一度分析してみてください。
自分の性格を分析するにあたって大切なことは、
・自分の強みと弱み
・誰にも負けないこと
・行動の動機付けになるもの
以上のような点をしっかり明確にしておくことです。
自分の性格についての理解を深めることによって、意味のあるキャリアを
・どこで実現するのか
・どうやって実現するのか
・誰と一緒に実現したいのか
・誰のために実現したいのか
についてを考えることが出来るため、自分にとって意味のあるキャリアを見出すための今後の行動や具体的な計画も立てやすくなります。
自分の性格を分析することが苦手な方は家族や親しい友人、パートナーに自分はどんな人間なのかを伝えてもらうのも一つの選択肢と言えるでしょう。
自分にとって意味のあるキャリアのポイント④自分が情熱を持って取り組めることは何かを考える
自分が情熱を持って取り組めることは何かを考えることも、自分の人生にとって意味のあるキャリアを見つける上での大切な要素と言えます。
皆さんが思い描く理想のキャリアには
・年齢を問わず突き詰めたいこと
・好きだからこそ頑張れること
・誰かのためになるなら力を尽くしたいこと
以上のようなパターンがあると思われます。
今後のキャリアを歩んでいく中で、自分が本気で情熱を持って取り組める仕事を見つけてこそ、その長いキャリアには大きな意味が生まれるのではないでしょうか。
理想のキャリアは実現してこそ意味があるもの
意味のあるキャリアはただ見つけるだけでなく、実現させてこそ初めてキャリアとしての意味を見出せるものです。
理想のキャリアを実現させるにあたって
・自分の得意分野を明確にプレゼンできる
・自分の伝えたいことを簡潔に相手に伝えられる
・自分の目標や理想をぶれることなく話すことができる
以上のスキルをしっかり身につけることで、人材としての価値だけでなく自分の人生においての幸福度も大きく上がってくると言えるでしょう。
自分の見つけた”意味のあるキャリア”を実現するためにも日々の積み上げを怠らず、真っ直ぐに理想像を追い求めることを心掛けましょう。
以下の記事では、実際に”自分らしいキャリア”を歩んでいる女性の方々に対して行われたインタビューについてを纏めておりますので、是非参考になさってくださいね。
やりがいのある仕事とは?女性が今の働き方にやりがいをプラスできる方法
フリーランスの仕事とは?需要が高い職種やフリーランスとしての心構え
まとめ
この記事では、他人軸と自分軸で考える”キャリアの意味”についてを解説してきました。
キャリアの歩み方には、絶対的な正解はありません。
これからのキャリアをどうするか考えている皆さんは”自分にとって意味のあるキャリアとはどういうものか”についてを今一度考えてみましょう。
“自分にとって本当に意味のあるキャリア”という、長い人生においての大きな目標がきっと見つかるはずですよ。