「セカンドキャリア」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。
自分のセカンドキャリアについて真剣に考え始めたり、自分に合ったセカンドキャリアはどういったものなのか想像する人も増えています。
人生100年時代と言われる今。
いつまでも自分らしく理想の人生を生きるためにも、セカンドキャリアについて知っておくことが必要です。
そこでこの記事では、セカンドキャリアの定義や、満足するセカンドキャリアを描くための準備や方法、実際にセカンドキャリアを構築した女性の事例などを詳しくご紹介します。
あなたのセカンドキャリアを描くお手伝いができれば幸いです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
セカンドキャリアとは?
セカンドキャリアとは、「第2の人生における職業」のことをいいます。
”定年した後の人生や仕事=セカンドキャリア”というイメージかもしれませんが、それだけではありません。
例えば女性の場合、結婚・出産・子育てのために一時的に退職し、育休後に復帰することもセカンドキャリアとなります。
また、スポーツ選手が現役を引退した後のキャリアもセカンドキャリアと呼ばれます。
人生100年時代と言われる現代では、結婚や定年が人生のゴールではなくなりつつあります。
そのため、結婚や育児で一度退職した後のキャリアや、定年退職した後のキャリアについて、真剣に向き合わなければいけない時代へと変化してきました。
終身雇用という日本の制度はもはや時代遅れとも言われており、働き方の多様化に伴い、フリーランスという働き方や副業、起業も当たり前となってきています。
また、世帯収入に対する不安から共働き率も高くなっており、育児を終えた後のセカンドキャリアを意識する20代や30代も増えています。
独身の女性でも「ずっとこの仕事でいいのだろうか?」「自分はどんな人生を送りたいか?」など、自分の人生について考えるようになった場合、セカンドキャリアを意識する人も多いでしょう。
女性のセカンドキャリアの傾向
では、妊娠・出産をした女性のセカンドキャリアはどのような傾向があるのかみてみましょう。
2010年に出産をした女性の就業状況の変化を追跡調査した結果、以下のようなデータが出ています。
(画像引用:内閣府「第2章 多様化する職業キャリアの現状と課題(第1節)」)
出産する前は、常勤・パート・アルバイト・自営業等として働いていた女性は約62%です。
しかし、出産から半年後には約36%に減少し、約4割の女性が出産を機に退職して無職となっていることがわかります。
その後、復職した割合は増えていますが、ほとんどがパートやアルバイトで、常勤の割合は出産後減少したままです。
つまり、出産した女性が休職前と同じキャリアパスに戻ることは難しい傾向にあるということがわかります。
女性が仕事と子育てを両立するためには、様々な課題があります。
まず、職場の理解や支援が必要となります。
例えば、子どもの急な病気で早退や休みを取らなければいけなくなったり、送迎のため残業ができない場合にも理解してもらえるかなど、子育てをしながら働く女性の多くがこのような不安を抱えています。
実際、嫌な顔をされてしまったり、反対に協力的だったりと、職場によって子育てに対する理解は異なります。
職場が育児に対する理解や協力体制が整っていれば、休職後もスムーズに復職しやすいですが、環境が整っていない企業も未だに多いのが現状です。
そのほか、保育所など子供を預けられる場所が確保できるか、家族が仕事との両立を応援してくれるかなど多くの課題があるため、パートやアルバイトとして復職するケースが多いと考えられます。
こういった背景と働き方改革によって、近年では子育てをしながら働くことができる「在宅ワーク」が普及されています。
在宅ワークを取り入れる企業も増え、クラウドソーシングサイトでも在宅ワークの案件が豊富に揃っています。
特に、30代~40代の女性の中で在宅ワークなど、フリーランスとして仕事をおこなう人が増えてきています。
フリーランスとして自由な働き方ができれば、仕事と子育ての両立が可能となり、理想のセカンドキャリアを築ける可能性も広がるでしょう。
また、起業する女性も増加している傾向があります。
女性が理想のセカンドキャリアを描くには、どのようなキャリアプランを形成していくかがポイントとなります。
そして、キャリアパスについてもしっかり考えておく必要があります。
例えば、初職が正規雇用か非正規雇用かによってもその後のキャリアパスは大きく異なります。
(画像引用:内閣府「第2章 多様化する職業キャリアの現状と課題(第1節)」)
正規雇用で入職した女性のうち、「終身雇用」パスを歩んでいるのは50代で7%程度です。
先ほどの調査結果のデータのように、出産等により「正社員コース」から一度外れてしまうと元に戻れないことが背景にあると考えられています。
また、正規雇用か非正規雇用かで復職にも大きな影響が出てきます。
元々正規雇用だった場合は、正社員として戻りやすいですが、非正規雇用から正規雇用には転換しづらいとされています。
そのため、就職をする際にはキャリアパスをしっかり考えて、自身の将来像を描く必要があります。
私らしいセカンドキャリアを描くには
では、自分の満足するセカンドキャリアを描くためにはなにが必要でしょうか?
まずは準備、そしてどのような方法で描いていくかが重要になります。
・資金準備
・次のキャリアに行くためのスキルアップ
・キャリアアドバイザーなどに適性を相談する
資金準備
セカンドキャリアを描くためにはまず、資金が必要です。
そのためにいくら必要になるのかは、目指す先によって異なります。
例えば、セカンドキャリアとして在宅で自分で仕事をしていこうとする場合、必要になるものはパソコン、インターネット環境が最低限でしょう。
それらを揃える資金があれば在宅ワークを始めることはできます。
また、自分でカフェを開業したいという場合は、出店のための資金が必要になります。
そうなると必要になる資金は大きくなるので、自己資金をどこまで用意できるか、あるいは融資を受けるのかなどを考えなければなりません。
自身の描くセカンドキャリアには、どのくらいの資金が必要になるかを把握しておくといいでしょう。
次のキャリアに行くためのスキルアップ
理想のキャリアやなりたい将来像を具体的にイメージしながら仕事を選ぶことがポイントですが、その際、仕事によっては資格やスキルが必要になることもあります。
医療事務や介護職員初任者研修、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)、TOEIC、ファイナンシャルプランナーなどの資格が人気を集めています。
通信講座や独学で取得できるものも多いので、子育てをしながら、あるいは働きながら勉強することも可能です。
資格やスキルがあることで復職に有利だったり、収入アップに繋がる可能性も高いです。
キャリアアドバイザーなどに適性を相談する
キャリアアドバイザーは、就職や転職希望者に対して、適職探しのアドバイスをしたり、成功するまでのサポートをしてくれます。
求人情報の提供や職務経歴書の書き方、面接対策などもおこなってくれます。
また、相談者の性格や学歴・学部、経験や能力などから、その人に適切な職種などの診断をしてくれるので、自分ひとりでは見つけられない適職を見つけるきっかけにもなります。
そのため、キャリアアドバイザーに相談することで、理想のセカンドキャリアをスムーズに描くことができるでしょう。
こういった準備をふまえて、次は、セカンドキャリアを描くためにはどういった方法があるのかをご説明します。
・セカンドキャリア支援を利用する
・転職活動
・起業
セカンドキャリア支援を利用する
セカンドキャリアを構築していくために、国や民間が支援してくれる制度やサービスがあります。
●教育訓練給付制度
●公共職業訓練(ハロートレーニング)
●キャリアコンサルティング
●民間企業主催のセカンドキャリア構築プログラム
など、セカンドキャリアを歩んでいく際に有効な支援制度です。
これらを積極的に活用するといいでしょう。
詳しくは下の記事を参考にしてみてください。
セカンドキャリア支援制度4つを解説!自分らしく働くための心構えもお伝えします
転職活動
セカンドキャリアを充実させるためには、転職活動も有効的です。
それにはまず、どんな企業で、どのような業務をして、どんな自分になりたいか?を考える必要があります。
キャリアプランをしっかり組み立て、そのプランを軸に就職先を探すことが重要です。
例えば、仕事と子育ての両立が可能な職場なのか、希望の収入が手に入るのか、自身のワークライフバランスに合っているか、その職場でさらなるキャリアアップは可能かなど、様々なことを考慮した上で転職活動をおこなうといいでしょう。
起業
会社に属さず、自分で起業する方法もあります。
特に近年女性の起業家も増えてきました。
フリーランスのwebライターやwebデザイナーとして活動したり、自宅で料理教室やネイルサロン・エステサロンなどを開業するパターンも多いです。
自分の好きなように働くことができるので、仕事と家事、子育てのバランスが保ちやすいというメリットがあります。
セカンドキャリアを構築した女性の事例
実際に、セカンドキャリアを構築して成功している女性が増えています。
MAIA女子の中にも理想のセカンドキャリアを手に入れている女性がいるのでご紹介します。
まず、旦那さんの海外転勤と子育てのため、SEとしてのキャリアを中断していた女性です。
帰国後にRPAを学び、現在はロボットクリエイターとして、スキルを活かしつつ子育てと両立ができる「今の自分にベストな働き方」を実践されています。
RPAで中断したキャリアが花開く~「今の自分にベストな働き方」~
また、子育てをしながら在宅でできる仕事を探していたという女性も、セカンドキャリアの構築に成功しています。
長く専業主婦をしていましたが、もともとしていたプログラム開発の経験を活かし、現在はロボットクリエイターとしてデジタルロボットを開発しています。
そしてフリーランスとして開業し、「子どもとスキルアップが可能な働き方」を実現されています。
デジタルロボットが自分を高める時間をくれた ~「ロボットクリエイターとしてスペシャリストになる」~
まとめ
結婚、妊娠、出産、介護・・・
女性のライフイベントはたくさんあり、そのたびにキャリアへの影響が大きく出てくるでしょう。
しかし、セカンドキャリアとして新たなキャリアを築くことも可能なのです。
まずは、「自分は第二の人生をどのように歩んでいきたいか」「どのような自分として生きていきたいか」など、将来像のイメージを具体化することが重要です。
これから先の人生を見据えて、理想のセカンドキャリアを構築していきましょう。