子育てがひと段落し、自分に時間が使えるようになってくるのが50代です。
そして50代は、子育てを機に一度仕事から離れていた女性が、仕事復帰を考え始めるタイミングでもあります。
しかし長年のブランクや年齢を気にして、仕事探しが難航する人も少なくありません。
そこで当記事では、50代の女性が自信を持って新しい仕事を始めるために必要なポイントについてまとめました。
「50代の女性はどんな仕事が向いているのか」
「50代女性の強みとは?」
「どうやって仕事を探したらいい?」
など、不安がある方はぜひ最後まで読み進めてみてください。
50代女性の仕事について知ろう
50代の女性は、まだまだ働き盛りです。
子育てがひと段落し、もう一度社会復帰したい!という主婦の方もたくさんいるでしょう。
実際に下記のグラフを見てみると、50代は、20代、40代に次いで労働力が高い年代です。
それでは実際にパート、アルバイト、正社員など、どの雇用形態で働く女性が多いのか、また50代女性が活躍している仕事は何なのか、詳しく見ていきましょう。
50代女性が多い雇用形態は?
総務省統計局の労働力調査(詳細集計)2020年(令和2年)平均結果の要約,概要,統計表等によると、女性の非正規職員は45歳~54歳が371万人と、最も多くなっています。その内294万人の女性が「パート・アルバイト」で働いています。
安定や収入を求めて正社員として仕事をする、というよりは「空いた時間に」「できる範囲で」仕事をする女性が多いのではないでしょうか。
また、子育てや家のことに専念してきた女性が、50代で正社員として就職することは簡単ではありません。
年齢や体力のことも考えて、融通の利きやすいパートにしている、ということも考えられるでしょう。
50代女性が活躍している仕事は?
それでは、パートで働く50代女性が活躍している仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。
50代女性が多く働く仕事は「新しい挑戦」よりも、これまでの人生経験や人柄が活かせる仕事が多くなっています。
順に見ていきましょう。
・接客・サービス業
接客・サービス業というと幅広いですが、スーパーのレジや、飲食店のホールスタッフは50代の女性に定番の仕事です。
人生経験の豊富さからコミュニケーション能力に長けていたり、子育て経験から細やかな気配りができたりと、接客やサービス業は50代の女性に向いていると言えるでしょう。
求人数も多いため、応募しやすく採用もされやすいというメリットもあります。
・受付
ゴルフ場の受付や、ホテルのフロント、クリーニング店の受付など、落ち着いて対応できる50代の女性が求められています。
また、年配の方が集まるようなカルチャーセンターなどの受付も、年配の方の対応にも適応できる女性が勤めていることが多いです。
勤務時間もきっちりと決まっている場合が多いため、働きやすいという声も多く聞かれます。
・介護・福祉
介護や保育士など、福祉の現場では落ち着いた50代の女性が求められています。
専門性の高いお仕事のため、資格や経験が必須なように感じますが、介護や保育の現場では実際にはそんなこともありません。
介護は未経験からでも挑戦できますし、高齢者との円滑なコミュニケーションを図ることができる50代は貴重な戦力です。
保育業界では、保育補助など資格がなくても働ける場合がありますし、保育の現場では育児経験を存分に活かすことができます。
現場で働きながら経験を積んで資格取得のための条件を得るなど、スキルアップも期待できるでしょう。
・軽作業・検品・梱包
物流倉庫など、商品の置かれている倉庫内での、検品や梱包、ラベル貼りなどの軽作業も50代女性に人気のお仕事です。
特別な経験やスキルが必要ないことが多く、未経験からでも気軽に始められます。
同年代の女性が多いため、収入を得るためだけでなく、同年代との繋がりを持ちたい女性にも向いています。
商品によっては重いものを扱う場合もあるため、働く場所は慎重に選ぶ方がよいでしょう。
・家事代行サービス
主婦の経験を活かせる、家事代行サービスも50代女性が多く活躍しています。
近年、共働き家庭が増加し、家事代行サービスの需要も比例して増加していますし、主婦としてのスキルと経験を活かすにはもってこいのお仕事です。
一般的なパートよりもお給料が高い傾向があるため、料理や掃除に自信がある女性は挑戦してみるといいでしょう。
50代女性の仕事の探し方は?
今はインターネット上で仕事を探せるため、スマホさえあればたくさんの仕事と出会うことが可能です。
ここでは定番の方法も含め、50代女性の仕事の探し方についてご紹介します。
求人情報サイトで探す
今はインターネット上に、たくさんの求人情報サイトがあります。
GoogleやYahoo!の検索画面で「○○市 求人」などと打って検索するだけで、たくさんの求人情報サイトが出てきます。
検索結果を眺めているだけでたくさんの仕事に出会えますし、働く条件も自分で選んで検索することもできるため、絞り込みができて便利です。
たくさんの求人を取り扱っているサイトには登録しておけば、その後の求人応募もスムーズに進みます。
まずは自分の働きたい地域や職種を入力して検索することから始めてみましょう。
ハローワークに登録する
定番ですが、ハローワークに登録することも仕事探しに有効な方法です。
求人情報サイトはインターネット上でしか探せないため、第三者に相談しながら探したい女性にはハローワークがよいでしょう。
また、セミナーや相談会などのイベントが開かれる場合もあるため、ブランクを経ての社会復帰となる女性にとっては心強いですね。
加えて、ハローワークは履歴書の書き方や面接の仕方などの相談もしやすいため、一人で仕事を探すのは不安な女性にも向いていると言えるでしょう。
派遣会社に登録する
非正規雇用で働くのであれば、派遣会社に登録するのも有効です。
一般的なパートよりも高い時給で働くことができるため、収入面を重視したい女性には適した方法になります。
単発のお仕事も多く、軽作業や事務、イベントスタッフ等、仕事は多岐に渡ります。パートで働く前に派遣社員で自分の適性を見てみるというのも一つの手でしょう。
ただし派遣社員は原則有期雇用で、最大3年までの雇用となるため、長く同じ場所で働きたい女性には向いていません。
一つの職場に固執しない、給与は多い方がいい、という女性にはお勧めの方法です。
50代女性が仕事をする上で注意するポイント
50代の女性はまだまだ働き盛りとはいえ、年齢を重ねているため、当然ですが若いころと比べ体への負担が大きいです。
また、ブランクを経ての社会復帰の場合、自分が思っていたように働けない・・・という懸念もあるかもしれません。
ここでは、50代の女性が仕事をする上で注意しておくべきポイントを整理していきます。
体力仕事は程々に
子育てがひと段落したとはいえ、やはり仕事と家事を両立することは重労働に変わりありません。
加えて、50代になると若いころに比べて体力は落ちていることがほとんどです。その為、体を酷使するような体力仕事は選ばないようにしましょう。
倉庫や工場で働く際には、重いものを運ぶ仕事がないか確認する、介護の仕事であれば、夜勤がないか確認する、など自分の体力に合った仕事選びが重要です。
せっかく仕事を始めても体を壊してしまっては元も子もありません。健康的に働ける仕事を選ぶようにしましょう。
持っている資格や経験にとらわれすぎない
仕事に役立つ資格を持っていたり、これまで携わってきた仕事の経験が活かせることは、多くの場合双方にとってメリットとなりますよね。
ですが、久しぶりの社会復帰となる場合は、そうとも限らないのです。
資格を持っていたり、同じ職種の経験があっても、現場が求めているスキルとは違う場合もあるでしょう。
昨今ではIT化も進み、仕事の現場は刻々と変化しています。昔取った資格や経験にとらわれすぎず、視野を広げて仕事を探すことが大切です。
介護と両立する場合も
50代は子育てが落ち着いてくる年代でもありますが、同時に親や義両親の介護が必要になる年代でもあります。
家事だけでなく、介護が必要になる可能性も考えておきましょう。
具体的には「仕事の融通がききやすいか」「通勤に無理はないか」「子育てや介護に理解があるか」などを事前に確認しておくと安心です。
何のために働くかを考える
あなたが働くのは何のためですか?家計のため、やりがい、人とのつながり、理由は様々あるでしょう。
家計のためであれば「生活に必要な収入または老後のために必要な収入を得られる仕事」を選ぶ必要がありますし、やりがいを求めるのであれば「自分のやりたい仕事」を軸に探すのがいいでしょう。
人とのつながりを重視するのであれば「同年代が多い仕事を選ぶ」等働く目的によって、仕事を探すための軸ができるのです。
50代は子育てが落ち着き、自分の時間を大切にできる年代でもあります。
仕事だけに時間を使ってしまってもいいのか、一度立ち止まって考えてみることも大切です。
50代女性が働く上での強みとは
50代の女性は「もう若くないから」「新しいことが覚えられない」など、仕事をすることに自信を持てない方も多いです。
ですが実際50代の女性は、子育てが落ち着いている世代、人生経験が豊富で即戦力となってくれることを期待され、多くの企業で求められています。
子育て真っ只中の30代、40代と比べて、50代は子ども中心のスケジュールから離れる年代です。働ける時間が長くなったり、子どものことで突発的な休みも減るため、安定的に仕事をしてもらうことは企業にとっては魅力的です。
また、長年の家事や育児の経験が活かせる仕事もたくさんあり、そういったスキルを活かせる現場では落ち着いた雰囲気の女性は重宝されるでしょう。
人生経験も豊富で、基本的なマナーや年配者とのコミュニケーションにも長けている方も多いです。
冠婚葬祭、医療、子育てなど、まだ若者が経験していない経験をしていることも、50代女性の大きな強みとなるでしょう。
個人で在宅ワークをするという選択肢も
外に出て働くだけでなく、自宅で個人事業主として在宅ワークをする、という選択肢もあります。
テレワークを導入している企業も増加し、それに伴って個人に委託される在宅ワークも増えてきました。
仕事と家事や介護との両立に不安を感じる方は、自分にできる在宅ワークから始めてみるのもいいでしょう。
場所だけでなく、時間の拘束がない仕事もあるので、家事や介護で忙しい女性にもおすすめの方法です。
女性向けの在宅ワークについては以下の記事で解説しています。ぜひ在宅ワークを探す参考にしてくださいね。
在宅ワークにはどんな種類がある?女性向けの仕事を10選ご紹介します。
まとめ
子育ても落ち着き、豊富な経験をしている50代の女性は、様々な仕事で重宝されます。
主婦経験しかない、と思われるかもしれませんが、深堀していくと主婦経験が活かせる仕事は世の中にたくさんあるのです。
若者では経験できないこと、若者よりも強みとなる部分を見つけて、積極的に企業にアピールしましょう。
50代の女性は、まだまだ社会にとっては貴重な戦力であり、仕事の幅を広げたり新しいことにもチャレンジできる年代です。
自信をもって、輝かしいセカンドキャリアを構築していきましょう。