多種多様な働き方が広がるなか、副業を認める企業も少しずつ増えてきました。
会社員エンジニアをしている人も企業に勤めながら副業をすることで、得られるものに期待し始めているのではないでしょうか?
・収入アップ
・スキルアップ
・人脈を広げる
副業により得られるものはいろいろとありますが、実際にエンジニアが副業するにはどうすればいいのかなど事前に知っておくことも大切です。
本記事では、会社員がエンジニアとして副業する時に知っておきたい報酬(時給・案件)、仕事の探し方、収入を上げるコツなどを簡単にお伝えしていきます。
副業エンジニアとしての一歩を踏み出せるよう参考にしていただければ幸いです。
副業エンジニアの割合と傾向
副業しているエンジニアが全国でどのくらいいるのでしょうか?
TECH Streetが2020年8月時点のITエンジニア500名と非エンジニア500名を対象に行った「ITエンジニアの副業実態調査」をみてみましょう。
現在の副業実施状況として次のような回答がされています。
・過去に副業をしていたが、現在は本業のみに専念している 24%
・現在副業をしている(スポット/不定期だが行っている) 10%
・現在副業をしている(毎月コンスタントに行っている) 6%
【出典】「ITエンジニアの副業実態調査」(TECH Street)https://www.tech-street.jp/entry/research-sidejob(2021年8月12日に利用)
ITエンジニアで副業したことがない人が60%いることから、ITエンジニアの副業経験率が40%とみてとれます。
また、「副業を行っている理由」の上位3位は次のとおりです。
・自分の能力を試したいから 25%
・本業以外の人脈/コミュニティが欲しいから 16%
【出典】「ITエンジニアの副業実態調査」(TECH Street)https://www.tech-street.jp/entry/research-sidejob(2021年8月12日に利用)
収入を増やしたい!自分のスキルを活かしたい!と思っていても、ITエンジニアに副業割合が40%にとどまっている理由は、企業の副業ルールで同業他社での副業が禁止されている、また適切な副業紹介サービスがなく人脈を駆使しないと良い条件の副業が探しにくいという背景があるといえます。
月の平均稼働時間は?
エンジニアは副業するとき、月の平均稼働時間はどのくらいでしょうか?
株式会社GIGが運営する「運命の仕事相手」が見つかるジョブ型採用支援サービス「Workship(ワークシップ)」が2020年10月に行った『副業に関するユーザーアンケート』の結果をみてみましょう。
【出典】株式会社GIG 『副業に関するユーザーアンケート』から作成
副業ワーカーの1週間の稼働時間は、『10時間以上、30時間 未満』が27.5%、『3時間以上、5時間 未満』21.6%という結果から、月に換算すると、副業ワーカーの半数の人が『12時間以上、120時間未満』で稼働しているといえます。
会社員として働きながらの副業と考えると、さすがに月120時間稼働は、1日4時間の稼働となりますので、なかなかのハードワークになりますが、平日と土日祝日を組み合わせて稼働すればできないこともありません。(1月を30日間とみています)
1件あたりの仕事の報酬はどのくらい?
副業エンジニアの1件あたりの仕事の報酬はどのくらいでしょうか?
仕事の報酬についても、株式会社GIGが運営する「運命の仕事相手」が見つかるジョブ型採用支援サービス「Workship(ワークシップ)」が2020年10月に行った『副業に関するユーザーアンケート』の結果をみてみましょう。
【出典】株式会社GIG 『副業に関するユーザーアンケート』から作成
上の図は副業ワーカーの『時給設定』になります。
『1,000円 未満』15.7%で最多となりますが、時給にすると10,000円を超えるケースもあり、一概にエンジニアが副業すると、平均時給がどのくらいと言えるものではないようです。
エンジニアの仕事は、例えば「システムの設計をつくるシステムエンジニア」であったり、「ネットワークのシステム構築や保守管理などを行うネットワークエンジニア」であったりと多種多様です。
1件の案件も数日で終わるものもあれば、3か月以上かかるものもあります。
したがって、エンジニアの仕事は時給も1案件単価も幅広い報酬額となるでしょう。
ここで、エンジニアの代表的な13の種類と仕事内容と平均的な年収を表にしました。
だいたいの目安として参考にしていただければ幸いです。
種類 | 仕事内容 | 平均的な年収 |
システムエンジニア | 顧客からヒアリングした内容を元に問題を解決するシステム作りを提案し、そのシステムの設計図となる「仕様書」を作成すること | 570万円程度 |
Webプログラマー | システムエンジニアが設計した仕様書に沿って、Webシステムの開発・プログラミングすること | 540万円程度 |
インフラエンジニア | サーバー構築やネットワーク管理、クライアント端末の設定などのITインフラの監視やメンテナンスをする | 530万円程度 |
ネットワークエンジニア | ネットワークのシステム構築や保守管理などを行うこと | 580万円程度 |
セールスエンジニア | セールス(営業)とエンジニア(技術者)の両方の要素を兼ね備え、自社製品の導入提案や導入後のサポートをすること | 660万円程度 |
Webエンジニア | WebサイトやECサイトなどで使われるシステムの設計・開発・運用・保守などを行うこと | 430万円程度 |
サーバーエンジニア | サーバーの構築作業、運用・保守作業などをすること | 460万円程度 |
フロントエンドエンジニア | Webデザイナーのデザインをもとに、HTML、CSS、JavaScript、PHPの設計や実装をしたり、WordPressなどのCMS構築やカスタマイズをしたりすること | 510万円程度 |
マークアップエンジニア | テキストデータにタグを埋め込んでWebページの文書構造を記述するHTMLによるマークアップをすること | 400万円程度 |
データベースエンジニア | データをデータベースに保存したり、必要なときにデータを瞬時に取り出せるようシステムを構築・運用したりすること | 500万円程度 |
IoTエンジニア | IoT技術やIoT製品を利用したシステム開発を行うこと | 400万円程度 |
クラウドエンジニア | クラウド製品を利用したシステムの設計、構築、運用・保守などをすること | 590万円程度 |
セキュリティエンジニア | サーバーの構築や運用・保守や情報セキュリティに配慮したシステム設計・運用をすること | 570万円程度 |
エンジニアの平均的な年収は、400~660万円程度となりますが、300万円未満のエンジニアもいますし、700万円や1,000万円を超えるエンジニアもいますので、仕事内容や案件により個人差が出るようです。
副業エンジニアとなると、受ける案件により報酬がかなり変わるため、自分の得意分野やスキルや経験などが活かせる案件を選択し、安請負せずに高めの報酬を狙ってもこなしていけるでしょう。
エンジニアが副業するには
エンジニアが副業するには、どこで仕事を探せばよいのでしょうか?
仕事は待っていても来るわけではないので、まずは自分でマッチングサイトや求職サイトなどで探しましょう。
エンジニアが副業を探すなら「クラウドワークス」「ランサーズ」「ココナラ」といったマッチングサイトや「シューマツワーカー」「YOU TRUST(ユートラスト)」といった求職サイトなどを利用してみましょう。
エンジニアの副業サイト①「クラウドワークス」
日本最大のクラウドソーシングである「クラウドワークス」は、実績のあるプロに依頼・発注できるから安心クオリティーでどこよりも早くリーズナブルとなっております。
逆に、エンジニアとして副業する際には、会社員や副業での実績をアピールすることで、受注しやすくなります。
運営会社 | 株式会社クラウドワークス |
ユーザー数 | 443万件 |
仕事の数(または仕事の種類) | 仕事は200種類以上 |
サポート体制 | クラウドワークス安心安全宣言 |
報酬単価など | 50,000円/件~(ホームページ制作など) |
エンジニアの副業サイト②「ランサーズ」
日本最大級のフリーランスプラットフォーム「ランサーズ」では、ライティングやデサインから、エンジニア向け案件まで、セールス、企画、コンサルなど、ビジネス知識・スキルを活かせるお仕事も多数あります。
副業エンジニアとして事前登録しておくと、277種類以上の案件から、あなたにおすすめの案件を紹介してくれます。
運営会社 | 株式会社ランサーズ |
ユーザー数 | 400,000以上の企業の利用実績 |
仕事の数(または仕事の種類) | 277種類の案件 |
サポート体制 | 24時間365日体制のサポート |
報酬単価など | 5,000円/時間~(エンジニアなど) |
エンジニアの副業サイト③「ココナラ」
「ココナラ」は、知識・スキル・経験など、みんなの得意をサービスとして出品・購入できる日本最大級のスキルマーケットです。仕事依頼の成約実績が420万件とあり、自分のスキルを活かして副業をすることができます。
例えば、社内システムITインフラについてのご相談をきっかけに他の仕事に結び付けるなど、ここだけで終わらない仕事の仕方なども可能です。
運営会社 | 株式会社ココナラ |
ユーザー数 | 133万件以上 |
仕事の数(または仕事の種類) | 仕事は100,000件以上 |
サポート体制 | 安心・安全の取り組み |
報酬単価など | 3,000円/件(社内システムITインフラについてのご相談) |
エンジニアの副業サイト④「シューマツワーカー」
「シューマツワーカー」は、今の仕事をしながらスキマ時間ではじめられるエンジニア・デザイナー専門の副業紹介サイトです。
副業マッチング後も、専属コンシェルジュがアサインされ副業の成功をサポートしてもらえます。
運営会社 | 株式会社シューマツワーカー |
ユーザー数 | 30,000人以上 |
仕事の数(または仕事の種類) | 案件の99%以上がリモートワーク案件 |
サポート体制 | 税理士サポート・報酬前払・勉強会など |
報酬単価など | 2,500円/時間(マッチングサービスのアプリ版作成) |
エンジニアの副業サイト⑤「YOU TRUST(ユートラスト)」
「YOU TRUST(ユートラスト)」は、友達もしくは「友達の友達」までという信頼できるコミュニティの中で、個人と企業・個人と個人がつながることができるキャリアSNSです。
友人のつながりで副業や転職のオファーがあったり、仕事の情報収集をしたりすることができます。
登録ユーザーは、エンジニアが最も多く、企画職(PM等)・デザイナー・事業開発・営業・マーケティング・コーポレートなど、20代後半〜30代の登録比率が高いです。
運営会社 | 株式会社YOUTRUST |
ユーザー数 | 5万人超 |
仕事の数(または仕事の種類) | 記載なし |
サポート体制 | 記載なし |
報酬単価など | 記載なし |
エンジニアの副業を支援するマッチングサイトや求職サイトなどがいろいろありますが、最後の「YOU TRUST(ユートラスト)」に関してはSNSで仕事を探すという現代らしい方法で副業される方も増えてきています。
TwitterやInstagramの投稿やプロフィールをみて直接問い合わせてくる企業もいますから、これからの時代は副業を見つけるのは難しくないのかもしれません。
ただ、本当に信頼できる相手なのかどうかは今までの評価ややりとりをしてわかるものなので、多少のリスクはつきものです。
このように副業の経験を積めば、知人から紹介を受けたり、以前仕事をいただいた先から次の仕事がもらえたりと新しい仕事口やリピーターも増えていきますので、初めはコツコツと実績を増やしていきましょう。
エンジニアの副業案件が決まった時の仕事の進め方
エンジニアの副業案件が実際に決まった時は、どのように仕事を進めていけばいいのでしょうか?
今回は「ランサーズ」の案件が決まった時の仕事の進め方を紹介します。
他の仕事案件もよく似た感じになりますので、ご参考にしていただければ幸いです。
副業の経験を積めば、知人の紹介を受けたり、以前仕事をいただいた先から次の仕事がもらえたりと新しい仕事口やリピーターも増えていきます。
収入を上げるために持っておきたい心構え
エンジニアが副業で収入をあげていくためには、すでにJavaScriptやPHP、Java、Ruby、Perlなどの言語系、LinuxやMySQLといったオープンソース系などのスキルがある場合、クライアントのニーズに応えることができる為、収入アップが見込めます。
しかし、まだエンジニアとしてのキャリアが少ない場合は、自ら勉強しスキルアップすることも大切です。
最近は、オンラインスクールやアプリなど、隙間時間に勉強することも可能なため、クライアントのニーズに応えられるように学んでいきましょう。
また、エンジニアとしての言語系やオープンソース系のスキルだけでなく、「開発全体の俯瞰力と開発したものの持続的な運用を含めての提案ができるコミュニケーション能力の高いエンジニア」が年々重宝されています。
エンジニアとしてのスキルやキャリアアップに努めれば、それだけ提案力も上がってくるため、クライアントのニーズに応えられるエンジニアとして他のエンジニアとの差別化になり、収入アップが見込めるでしょう。
まとめ
本記事では、会社員がエンジニアとして副業する時に知っておきたい報酬(時給・案件)、仕事の探し方、収入を上げるコツなどを簡単にお伝えしていきました。
・過去に副業をしていたが、現在は本業のみに専念している 24%
・現在副業をしている(スポット/不定期だが行っている) 10%
・現在副業をしている(毎月コンスタントに行っている) 6%
・自分の能力を試したいから 25%
・本業以外の人脈/コミュニティが欲しいから 16%
・3時間以上、5時間 未満 21.6%
※時給にすると10,000円を超えるケースもあり、一概にエンジニアが副業すると、平均時給がどのくらいと言えるものではない。
・ランサーズ
・ココナラ
・シューマツワーカー
・YOU TRUST(ユートラスト)など
エンジニアであっても企業に勤めながら副業をすることで、収入アップやスキルアップ、人脈を広げることができるため、副業を意識する人は増えてきています。
このように、副業により得られるものはいろいろとありますが、実際にエンジニアが副業するにはどうすればいいのかなど事前に知っておくことで、副業エンジニアとしての一歩を踏み出してみるのもよいのではないでしょうか?