「自分の好きなことや得意なことで、自宅にいながら仕事ができるっていいなぁ・・・」
そんな風に憧れる主婦の方も多いでしょう。
起業して自宅で仕事ができるようになれば、仕事と育児・家事などの両立がしやすくなります。
さらに、自分の好きなことや得意なことを仕事にできるという点が特に魅力的ですよね。
新しい働き方やライフワークが実現されるようになり、今まで会社勤めが当たり前だった人でも、起業して自宅で開業するという選択肢も増えてきました。
では、主婦が自宅で起業をするには、どのような職業が向いているのでしょう?
この記事では、自宅起業に向いている職業や、失敗するパターン、起業のために必要なステップなどを詳しくご説明します。
自宅起業を考えている主婦の方は、ぜひ参考にしてみてください。
自宅起業に向いている職業とは?
まず、主婦が自宅起業をするのに向いている職業を8つご紹介します。
それぞれの報酬や稼働時間はどのくらいかなどを見ていきましょう。
①Webライター
Webライターは、インターネット上の記事を書く仕事です。
パソコンとインターネット、タイピングスキルがあれば、自宅でいつでも仕事をすることができます。
はじめは、クラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトに登録し、仕事を受注することからスタートする人が多いでしょう。
「記事を書くのは初めて」といった初心者向けの案件も豊富なので、ライターとしての実績のない人でも始めやすいお仕事です。
また、一般的なライターと違って取材に出向いたりすることがほとんどありません。
もし取材をするとしても、zoomなどを利用したオンラインでおこなうことができるので、自宅にいながら取材形式の記事を作成することも可能です。
Webライターの報酬は、「文字単価」または「記事単価」で計算されることが多いです。
文字単価の場合、初心者向けの簡単なお仕事なら、1文字0.1円~1円ほどが相場でしょう。
実績やスキルを付けることによって1文字3円~10円以上など、文字単価が上がっていきます。
1文字0.1円 3,000文字の場合・・・0.1円×3,000文字=300円
1文字3円 3,000文字の場合・・・3円×3,000文字=9,000円
このように、文字単価によって大幅に報酬が変わります。
記事単価の場合、1記事●円といった計算方法になります。
1記事500円以下のものあれば、10,000円以上のものまであり、その報酬の差は、文章量や求められるライティングスキル、SEO対策ができるかなどによって変わります。
1記事500円の記事を月5本・・・500円×5本=2,500円
1記事3,000円の記事を月5本・・・3,000円×5本=15,000円
1記事10,000円の記事を月5本・・・10,000円×5本=50,000円
このように記事単価に関しても、単価が高ければ高いほど、報酬はどんどん増えていきます。
経験や実績を積み重ねていけば、メディアや企業との直接取引の可能性もあるので、高単価の仕事に繋げることもできます。
②Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトを作成するお仕事です。
クライアントから、「このようなサイトを作ってほしい」と依頼があり、Webサイトの構成や配色、フォント、ロゴ、アイコンなど、クライアントの求めるサイトの方向性に合ったデザインを考えて作成していきます。
また、Webサイトの更新作業や運営サポートなどもおこないます。
パソコンとインターネットに加え、illustratorやPhotoshopなどのソフトや、HTMLやCSSなどの専門知識が必要となります。
インターネットで情報収集をして独学で学ぶこともできますが、スクールに通ってスキルを身につける人も多いです。
Webデザイナーの報酬は、フリーランスの場合、案件や仕事量、経験年数や実力によって異なります。
例えば、初めのころは1案件の相場が20~30万円だったとしても、スキルや実績が増すことによって70~100万円に単価が上がる可能性も大きいです。
Webデザイナーとしてのスキルを身につければ、自宅にいながら高収入を得られやすい職業でしょう。
③イラストレーター
イラストレーターは、依頼を受けて絵を描くお仕事です。
雑誌や絵本の挿絵、本の表紙、ゲームのキャラクターデザイン、広告ポスターのイラストなどを作成します。
イラスト作成用ソフトを使って、パソコン上で描くことが主流となっているので、自宅でも作業ができます。
イラストレーターになるには、絵を描くスキルに加えて、クライアントの要望に応える能力が必要です。
また、illustratorやPhotoshopなどのアプリケーションを使う能力や、グラフィック制作の知識や技術も求められます。
「絵を描くのが好き」だけではなく、様々なスキルが必要となりますが、スキルを習得すればフリーランスのイラストレーターとして仕事をすることができるでしょう。
イラストレーターの報酬は、実力で大きな差が出てきます。
イラスト1点5,000円~30,000円が相場とも言われていますが、イラストレーターとしての知名度やイラストの用途によっても異なります。
仕事の受注の方法としては、自分の作品集となる「ポートフォリオ」を作成し、クラウドソーシングサイトに掲載して仕事を受注することから始めるパターンが多いです。
そこからクライアントとの直接契約に結びつく可能性もあります。
④フォトグラファー
フォトグラファーは、様々な場所に行き写真を撮る仕事、というイメージがありますが、物撮りに特化すれば自宅でも仕事ができます。
具体的には、ECサイトや雑誌、SNSに掲載する商品や作品、料理などを撮って報酬を得るといった流れです。
報酬は、写真の大きさやカット数によって単価が変わります。
クラウドソーシングサイトでは、1カット500円~1,000円が相場の案件などがありますが、雑誌やメディアとの直接取引に繋がれば、それ以上の収入を得られる可能性は高いです。
また、自宅にスタジオを設けて、プロフィール写真撮影やペットの撮影、結婚式の前撮りなどをおこなっているフォトグラファーも多いです。
フォトグラファーになるには資格は必要ありませんが、撮影技術や編集技術などが必要になります。
また、自分自身の美的感覚を磨いたり、感性やセンスなどの表現力が求められる仕事です。
⑤翻訳者
翻訳の仕事は、パソコンとインターネットが使えれば自宅でできるお仕事です。
語学が得意な人はもちろんですが、未経験者でも翻訳の学校に通ったり、独学で身につけることも可能です。
翻訳者として仕事をするには、クラウドソーシングサイトから請け負う、または、翻訳会社と業務委託契約を結ぶといった方法が挙げられます。
報酬は、クラウドソーシングサイトだと1文字10円が相場と言われており、Webライターよりも高い収入を得られやすいです。
例えば、1日2,000文字を翻訳した場合、2,000文字×10円=20,000円となります。
月に20日稼働すると、約40万円前後の収入が得られます。
また、翻訳会社からの案件の場合、1文字30円などさらに単価の高い仕事が多くなるでしょう。
⑥ネイル・エステサロン
元々エステサロンで働いていた経験がある人や、独学でネイルを勉強してネイリストになった人の多くが、自宅サロンとして開業しています。
休日や勤務時間も自分で決めることができ、サロン経営が軌道に乗れば高収入にも繋がります。
1人単価10,000円×1日3人=30,000円
月20日×30,000円=600,000円
1人単価7,000円×1日5人=35,000円
月20日×35,000円=700,000円
技術や知識のほか、開業の際に機械や備品などをそろえるための資金は大きいですが、家賃や人件費といった経費が必要ないのも魅力のひとつでしょう。
⑦音楽教室
ピアノやバイオリン、声楽など、自宅で音楽教室を開業するケースも多いです。
音楽大学を卒業したり、音楽教師の資格があると開業しやすいですが、実際、特別な免許や資格は必要ありません。
また、楽器や環境を整える必要はありますが、経験や実績があれば比較的自宅で始めやすいお仕事でしょう。
報酬に関しては、例えば生徒の月謝が10,000円だった場合、生徒数が20人いたら月20万円、30人いたら月30万円となります。
個人レッスンだけでなく、グループレッスンなどにした場合、抱えられる生徒数も増やすことができます。
自分の好きな音楽を、自宅で教えながら収入を得られるという点が開業するメリットでしょう。
⑧心理カウンセラー
近年、自宅で開業できる心理カウンセラーも人気を集めています。
臨床心理士は国家資格となるため、大学院を修了し、試験に合格しなければいけませんが、心理カウンセラーは民間資格です。
そのため、通信講座で資格を取ることも可能です。
自宅にカウンセリングルームを設けて、カウンセリングをおこなう他、最近では電話相談やSkypeなどの遠隔ツールや、LINEやTwitterなどのSNSを利用したカウンセリングをおこなっているケースも多いです。
心理カウンセラーの収入は、カウンセリングをした量や資格や実績の有無で大きな差が出てきます。
電話相談であれば1分100円~1,000円、メール相談は1往復800円~10,000円など。
相談件数が多ければ月30万円~100万円といった高収入も期待できる仕事でしょう。
無計画はとっても危険!自宅起業の失敗パターン
起業自体は、個人事業主であれば開業届を出すだけで簡単にできます。
しかし、「簡単に起業できるんだ!すぐ自宅開業しよう!」と、勢いで起業してしまうと失敗する可能性が高いです。
ここでは、起業して失敗しやすいパターンと原因をご紹介します。
①事業コンセプトや資金繰りが無計画
まず、勢いで起業した場合、戦略的な計画が立っていないことがほとんどです。
開業するための初期費用、運営に必要な運転資金がどのくらいかかってくるのか?
毎月どのくらい売り上げれば利益を出せるのか?など、収益計画を立てなければ、資金繰りができなくなってきます。
その結果、閉業せざるを得なくなるパターンは多いのです。
また、自分のスキルをアップさせようと、資格取得に高額をかけてセミナーを受けたりしても、売上が追い付かないなどといったこともあります。
どんなサービス・商品を、誰に提供するのか、強みはなにか、などの事業コンセプトが固まっていないまま起業してしまうと失敗しやすいでしょう。
②集客の仕方がわからない
自宅で開業をしたものの、仕事を受注することができなければ売上は作れません。
例えば、「自宅で音楽教室を始めました!」を言っても、生徒になってくれる人(お客様)がいなければ売上はゼロのままです。
どのように生徒(お客様)を集めればいいのか?など、集客に関しての戦略も必要となります。
近所の人や地域の繋がりを利用して口コミで広げてもらうといった方法もありますが、それだけでは限界があります。
例えばSNSを利用した集客方法など、集客に関する知識がないと、「集客ができない=売上がない=運転資金が作れない=閉業」となるパターンも多いです。
主婦が自宅起業するためのステップとは?
では、失敗せずに自宅起業をするためにはどのような知識が必要なのでしょう?
次は、起業をするのに必要な手続きや、継続的な経営ができるような体制作りなど、自宅起業するためのステップを詳しくご説明します。
①家族に相談する
主婦が起業をするにあたりまず必要なことは、家族の理解と協力です。
起業することで、少なからず家事や育児に影響してきます。
ご自身のライフスタイルも大きく変わるため、家族やまわりの人のサポートが大切となります。
起業をすると生活にどのような変化が生じるか、それに対しての対応策など、具体的な計画を家族に相談することが重要です。
②目的の明確化
いつまでにいくら収入を得たいかなど、収入目標を決めることも大事です。
例えば、3ヶ月後に月10万円、1年後に月100万円収入を得る、など。
そして、それだけの収入を得るためにはどのような戦略が必要かを考えていきます。
自分の好きなことや得意なことで自宅起業ができても、収入を得られなければ継続的な経営は難しいです。
起業をする際には、「自分の好きなこと+収益を得られやすい仕事」はなにか、しっかり考えてみましょう。
②起業のための資金を貯蓄する
まずは、起業するための資金が必要です。
株式会社や合同会社など、会社として設立するなら法人となります。
法人には登記登録をするための各種手数料が必要となり、株式会社だと30~40万円、合同会社だと10万円ほどの初期費用がかかります。
個人事業主として開業する場合は、手続きに関するお金はかかりません。
しかし、事業運営に必要な初期費用などは必要です。
その分の資金を貯蓄しておいたほうが、スムーズに開業ができるでしょう。
起業後に病気や事故をして働けなくなるなど、不測の事態を考えた場合も、貯金があったほうが安心です。
③ビジネスノウハウや経営知識を身につける
起業は簡単にできたとしても、軌道に乗せるのが難しいです。
軌道に乗せるためには、経営戦略や集客力など、ビジネスノウハウが備わっているかが重要となります。
経営知識を身につけるために勉強をしたり、セミナーを受講したり、経営者としての自覚を高めておくといいでしょう。
④融資や支援制度などの情報収集
女性の起業は、国や自治体が積極的にサポートしており、様々な制度があります。
その中の一部を表にまとめてみました。
起業するための資金を蓄えておく他、こういった補助金や助成金、融資に関する情報も知っておくといいでしょう。
補助金・助成金に関しては、返還する必要のない資金です。
融資はお金を借りるということなので、期日までに返還する義務があります。
自宅起業をするにあたり、どのような制度が役に立つか調べておきましょう。
⑤起業後の会計・経理
起業後は、お金の管理が重要となります。
特に、確定申告が必要なので毎月の収入と支出の管理をしっかり行いましょう。
確定申告は白色申告と青色申告の2種類があります。
開業届を出していない場合は簡易な白色申告、そうでない場合は青色申告になります。
青色申告は書類作成が多くなるため、自分で管理するのが難しい場合、外注に頼む人も多いです。
このように、会計や経理に関しても自分でおこなわなければいけないので、お金についての知識も身につけておいたほうがいいでしょう。
まとめ
パソコンを使ってできるWebライターやWebデザイナー、翻訳者、イラストレーター、自宅スペースを利用したフォトグラファーやエステ・ネイルサロン、音楽教室など、主婦が自宅起業をするのに向いている職業はさまざまです。
自宅起業をするなら「自分が好きなことや得意なこと」というだけではなく、確実に収益に繋げることができるか?など、経営的な視点から見た上で職業を選ぶことが重要となります。
また、起業して失敗しないためには、資金繰りや事業計画など、ビジネスノウハウも必要です。
新しい働き方が普及し、女性が起業して活躍できる時代に変わりつつあります。
主婦も、家事・子育てをしながら、好きなことを仕事にして活躍することもできるのです。
そのためにも、自宅起業を考えている主婦の方は、まず起業についての最低限の知識を身につけておきましょう。
この記事がお役に立てれば幸いです。