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起業のアイデアに独創性は必要ない|日常からアイデアを見つけるための具体例

終身雇用制度の崩壊、働き方の多様化により、近年起業する人が増加しています。

その一方で「起業に興味はあるが、斬新なアイデアが浮かばない」と起業に踏み切れない人も多いのではないでしょうか?

あなたは起業のアイデアは「だれも思いつかない、独創的なものでなければならない」とハードルを上げていませんか?

起業のアイデアというものは必ずしも「独創的」「斬新」である必要はありません。

誰もが思いつくアイデアに参入したとしても、その後のプロセスでしっかりと調査をすれば成功できる確率は高くなります。

当記事では、起業のアイデアの見つけ方、またそのアイデアを実現するプロセスをかみ砕いてご紹介します。

 

起業のアイデアは日常に転がっている

「起業のアイデア」と聞くと、自然と「独創的で斬新なアイデア」でないといけない、と思いがちですがそんなことはありません。

起業のアイデアは日常にある「不」を見つけることから始まるのです。

日頃使っている商品でも「もっとこうなってたらいいのに」と不満を感じることはありませんか?「ここにあったら便利なのに」など、不便を感じることもあると思います。

そういった「不」から、世の中の便利な商品やサービスが生まれているのです。

例えば、個人宅の駐車場を貸し出すakippaというサービスも、日常の”不便”から生まれました。

「現地に行ってから駐車場が満車だと知るため、停める場所に困る」という不便に対して、契約されていない月極駐車場や個人宅、空き地などの空いているスペースを安くシェアするサービスです。

”近隣の駐車場に停めれず困っている人”
”空いているスペースを持て余している人”

双方にメリットのあるサービスが人気を呼び、2021年5月には累計450000拠点を突破しています。

 

また、傘のシェアリングサービス「アイカサ」は、出先で急な雨に見舞われた人の為のサービスです。

1日70円と安価で借りることができるため、コンビニでビニール傘を買うより安く済みます。

更には、年間数千万ものビニール傘が捨てられている現状を打破できるため、リリース当時はメディアに取り上げられるなど、とても注目されていました。

現在も傘のシェアスポット、登録人数も順調に増加しています。

このように、日常の困りごとは十分に起業のアイデアとなり得るのです。

 

自分だけでなく、友人や家族が不便に思っていること、若しくは子連れのお母さんが困っていることなど、日常の「不」をできるだけ多く見つけます。

実現できるかは後回しで、まずは量を意識して出していきましょう。

そして、出してきた「不」に対しての解決策を思いつく限り書き出していきます。

 

起業のアイデアを実現化するためのプロセスとは?

日常の「不」から出してきたアイデアを実現していくためには、思いつきではいけません。

現実的にどのアイデアが実現可能なのか、調査や分析、テストを繰り返し、ようやくリリースへと至ります。

この章では起業のアイデアを実現化するためのプロセスを、一つ一つ順を追って解説していきます。

 

①マーケット(市場規模)を予測する

新規事業で起業するにあたって、マーケット(市場規模)や、市場の特徴を把握しておくことはとても大切です。

市場規模が大きいと分かっていれば参入の機会も大きくなるでしょう。反対に市場規模が小さいのであれば、どのようにその市場を独占していくかを考えなければいけません。

また市場規模を予測することで、この事業でどれくらいの利益を目指せるか、どの程度の人にアプローチできるかを割り出すことができ、アイデアの事業展開がより具体的になるのです。

市場規模を予測するためには以下の二つの方法があります。

 

市場調査を参考にする

マーケットの調査については各省庁でも調査しており、財務省の「法人企業統計調査」や、経済産業省の「工場統計調査」で見ることができます。

マーケットが小さい場合は、民間の調査団体が調査しているものもあります。

自身の調査したいマーケットがない場合は、調査団体に依頼するのも良いでしょう。

この時点であまりに需要がない、参入の余地がないと判断した場合は別の起業アイデアを調査していきましょう。

 

フェルミ推定

フェルミ推定とは、調査が難しい数値をいくつかの手がかりを元に概算することです。

このフェルミ推定によって市場の需要やマーケットの大きさを知ることができます。

フェルミ推定で有名な問題といえば

「東京都のマンホールの数はいくつあるか」

「全国民が持っている鉛筆の数は?」

などがありますが、フェルミ推定では全体を俯瞰し、論理的に調査し捉えどころのない数字を割り出していくのです。

例えば「東京にある電柱の数」を求める場合

・東京都の面積:約2200㎢
・感覚的に5㎡に2本の電柱(5mに1本)
・東京都の可住地面積は約75%と仮定(総務省統計局のデータより推察)

上記3点を前提条件として、計算式を組んでいきます。

まず5㎡に2本と仮定した1㎢あたりの電柱の数を求めます。

・1㎢あたりの電柱の数=(1㎢÷5㎡)×2本

この計算式によって、1㎢あたりの電柱の数は400本である、と分かります。

次に東京都の可住地面積を加え「東京にある電柱の数」を割り出していきましょう。

・東京にある電柱の数=2200㎢(東京都の面積)×400本(1㎢あたりの電柱)×75%(可住地面積)

この計算式から66万本という数字が割り出せます。

フェルミ推定はこのように前提条件を書き出し、実際のデータや統計情報、仮定とした数値を使って計算していきます。

更に精度を上げるには、国が推進している無電柱化(電柱地中化)がどの程度進んでいるのかを調査する等、推定する数値によって他に前提とできる条件がないかを確認していくことが必要です。

 

②競合との差別化を考える

次に、競合との差別化を考えていきましょう。

起業のアイデアを形にした時に、強い競合と鉢合わせてしまっては意味がありません。

選択肢が多い現代においては競合と差別化し、自身のサービスや商品の特徴や欠点を知り、売り方を考えていくことは起業する上で欠かせないのです。

その為には競合、そして自身のサービスや商品に対する分析が必要です。

ここでは代表的なマーケティングの分析法となる

・3C分析
・4P分析
・SWOT分析

の3つについて解説します。

 

3C分析

3C分析とは「customer(市場)」「competitor(競合)」「company(自社)」の3つのCを分析していく方法です。

まずは「customer(市場)」から始めていきましょう。

市場分析では、潜在顧客の数、市場の成長性、ニーズ、購買決定へのプロセスなどの観点から分析していきます。

潜在顧客の数を割り出すには、前述したフェルミ推定を用いると良いでしょう。

続いて「competitor(競合)」です。競合分析では、いかに競合より商品やサービスの寡占度を高められるか、に注目します。

競合の経営戦略、販売ルート、営業方法、強み弱み、売上高や利益率など、わかる範囲で調査しましょう。

それによって自身の起業アイデアと見比べることもでき、サービスや商品の強みや弱みを知るきっかけにもなります。

最後に「company(自社)」の分析です。

これまでおこなってきた二つの分析結果から、自分のアイデアでどのような戦略で売ることができるかを考えます。

また経営資源、売上高、収益性、市場シェア、販路、組織力など、様々なポイントに着目し、自身のアイデアの強みと弱みを把握しましょう。

 

4P分析

4P分析とは、「product(どんな製品)」を「price(いくら)」で「place(どこ)」で「promotion(どのように)」売るかという、4つの観点から分析していく方法です。

まず「product」のターンで「製品を使うことで(得ることで)得られるメリット」「製品によって顧客ニーズをどう満たすか」について考えていきます。

次に「price」のいくらで売るか、というところも重要なポイントです。

売り出したものを購入してもらう為には、競合の価格を調査したり、ターゲット層に合わせた価格設定が必要になります。その上で「利益率」「商品との整合性」についても検討しなければいけません。

更に「place」へと進みましょう。

自社店舗、百貨店など実店舗で売るのか、ネット販売なのか、ターゲットや商品のイメージによって妥当性を探ることが重要です。

最後に「promotion」です。

販売促進を進めるために、どのようにターゲットとなる顧客にアプローチするのかを検討します。

代表的なプロモーションとしては広告やCMが挙げられます。他にイベントの企画、SNSでの情報発信、メルマガなどの手法も考えられますね。

ターゲット層が興味を持ちそうな媒体、プロモーションにかけられる予算から検討していきましょう。

 

SWOT分析

SWOT分析は「strength(強み)」「weakness(弱み)」「opportunity(機会)」「threat(脅威)」の4つの視点から自社の経営戦略を練っていく分析法です。

「strength」と「weakness」は内部要因について分析します。

まずは自身の強みと弱みを知ることです。技術力や経験値、ユーザーがなぜその商品を利用してくれるのか、について分析し、更に弱みとなるコストや人材力なども競合と比較しながら割り出します。

次に「opportunity」「threat」は自分ではコントロールできない外部要因についてです。

「opportunity」は環境の変化に対して競合がどう動いているか、自社にとってのビジネスチャンスになるような変化について、できるだけ多く抽出します。

「threat」では、自社の強みを打ち消してしまうような環境変化、競合の動きを分析し、こちらも些細なことでもできるだけ多くの要因を抽出します。

 

これら3つの基本の分析をそれぞれおこない、競合が強すぎる場合や需要が少ないと判断した場合は、エリアを限定したり、ターゲットをより詳細に絞るなどして再度分析してみましょう。

 

③起業アイデアをプレゼンテーションして、フィードバックを得る

起業アイデアを絞り出し分析を重ねても、実際に起業経験がないと成功する感覚というのは分からないものです。

起業アイデアを形にし、成功させるためにはアイデアのフィードバックが欠かせません。

自身が思いついた起業アイデアを他人にぶつけてみると、思わぬ方向からの視点やアドバイスがもらえたりします。

痛い指摘が飛んでくることもあるでしょう。ですがそこでアイデアをブラッシュアップしていくことでその後の成功率が大きく変わってきます。

それまで仮定に過ぎなかった起業アイデアがどんどん洗練されていき、実現可能性の高い仮説となっていくのです。

もしくは指摘によっては、当初の起業アイデアとはまったく別のアイデアへ変化していくこともあるでしょう。

アイデアをプレゼンする相手としては

・起業経験の長い人
・サービスや商品の業界で働く人
・サービスや商品のターゲット層となる顧客

など、あなたが信頼する一人だけでなく、様々な角度からの意見や考えを聞くと良いでしょう。

 

④プロトタイプを作ってテスト販売する

プロトタイプとは、起業アイデアを具体的にわかる形に落とし込むことで、いわば試作品のようなものです。

プロトタイプを作るにあたって大事なことは、商品のコアとなる機能やコンセプトを見た人が理解できるか、ということ。

プロトタイプができたらターゲットユーザーとなるモニターを募集し、実際に使用してもらいましょう。

この時点でユーザーのフィードバックを経て、更に商品を改良、修正していくことが重要です。

現代では、「ユーザーの声」が大きな広告となります。ここでしっかりとユーザーの声を商品に反映させていくことで本リリース後に大きく影響が出るでしょう。

このようにプロトタイプを作ることで、開発者とユーザーの認識のズレをリリース前に知ることができ、ユーザーニーズにマッチした商品を作ることができるのです。

また、この段階で本リリース時にSNSなどで拡散してくれる協力者を募っておくと良いでしょう。

 

⑤改善した後、本リリースする

プロトタイプを改良した後はいよいよ本リリースです。広報、広告、口コミ、SNSを使い、情報を拡げていきましょう。

特にSNSが普及している現代では、SNSを広報ツールとして使用している大手企業も多いです。

ユーザーにとって有益な企画をする等、SNSでの広報活動にも力を入れると良いでしょう。

 

起業アイデアを形にするには「熱意」が必要!

「起業」と聞くと華々しいイメージを持つ人が多いと思います。ですが、その華々しさの裏では泥臭い情報収集、そして度重なる分析・検証を繰り返しているのです。

起業のアイデアを形にするまでには、熱意を持続させることがとても大切になってきます。

「なんとなく売れそうだから」「この時代ならこの商品が合っていそう」などの理由でできたアイデアでは長続きしない可能性が高いです。

熱意を持続させるためには、自身の「好き」や「自分の生きがい、ミッション」に紐づいていることが重要だと言えるでしょう。

アイデアを商品化するまでのプロセスは、泥臭く、根気のいるものです。ですが、自分の熱意を形にできた時の達成感はひとしおです。

 

まとめ

起業のアイデアは、独創的で斬新である必要はありません。

まずは日常に深く目を向けて、アイデアのヒントとなる事象がないか、目を凝らしてみましょう。

そうして見つけたアイデアが、自身の「好き」や「生きがい」に紐づいていれば言うことはありません。

ただし1つのアイデアに固執したり、分析を怠ったりすると成功への道は途切れてしまいます。

根気強く分析・検証を続け、頭を柔らかく使い、起業アイデアを商品化するためのプロセスを一つ一つ乗り越えていきましょう。

 

 

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