女性起業家が増加している令和の時代。
その中でも主婦から起業した方はやはり注目されている印象ですよね。
好きなことを仕事にし、多くの収入を得て輝いている女性起業家を見て、憧れている主婦の方も多いのではないでしょうか。
ですが一方で
「主婦で起業するの大変?」
「起業ってどうやってするの?」
と疑問や不安も多いことでしょう。
当記事では、主婦が起業するために知っておいた方がいいことをまとめました。
主婦の方で起業に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
主婦の起業家は増えている?
下記のグラフを見てみると、女性起業家の割合は年々増加しています。
1991年には12.4%だった女性起業家の割合が、2020年には21.4%まで増加しており、1.7倍もの増加率です。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「2020年度新規開業実態調査」
内閣府男女共同参画局の「女性起業家を取り巻く現状について」によると、女性が起業した理由は
・性別に関係なく働くことができるから
・趣味や特技を活かすため
・家事や子育て、介護をしながら柔軟な働き方ができるため
この3点を選択する割合が高く、趣味や特技を活かして、家庭との両立を図る働き方を求めていることが分かります。
家事や子育て、介護をしながら共働きをしなければいけない、柔軟な働き方を求める主婦の方が多いと考えられるのではないでしょうか。
人生100年時代、老後2000万円問題、終身雇用撤廃などにより、経済的に不安を抱えている夫婦は少なくありません。
女性の社会進出も推進されている現代ですが、家事や育児、介護を主に担う主婦にとっては外に働きに出るハードルはまだまだ高いのです。
そこでライフスタイルの変化に合わせて自宅でも仕事をすることができる、”起業”という選択をする主婦が増えていると考えられます。
主婦起業のメリット・デメリット
主婦が起業するには、普通の起業家とは違う面も出てきます。主婦だからこそのメリットもあれば、主婦であるが故のデメリットも。
ここでは、主婦が起業するにあたって考えられるメリットとデメリットについて順に触れていきましょう。
メリット①ライフスタイルに合わせることができる
主婦が起業する一番のメリットといってもいいのではないでしょうか。
ライフスタイルが刻々と変化していく女性。結婚、出産、育児、介護など、女性にとって家庭は切っても切り離せない場所になっています。
ですが自宅でできる仕事で起業すれば主婦でもライフスタイルに合わせて仕事をすることが可能です。
自分の裁量で仕事ができ、働く場所が自宅であれば仕事の合間に家事などの用事を済ますこともできます。
会社の風習や制度に左右されることなく自分のペースで仕事ができるため、ワークライフバランスを調整することも可能でしょう。
主婦にとって家庭と仕事の両立は大きな悩みです。それが解消されるかもしれない「起業」という働き方。主婦にとっては大きな変化になるのではないでしょうか。
メリット②パートより稼げる可能性がある
家庭と仕事を両立して働くには、パートという選択肢を選ぶ主婦の方も多いでしょう。
パートなら働く時間に応じて決められた時給が支払われますが、起業して自分で事業を始めれば、パートの月給よりも多く収入を得られる可能性もあります。
会社に雇用される場合、時給や月給は固定であることがほとんどです。昇給制度があっても家庭と両立しながら働く主婦では、なかなか厳しい現実が突きつけられますよね。
起業してすぐに、大きく収入を得ることはもちろん難しいですが、事業をコツコツ継続していけばパートよりも少ない労働時間で、パートより多く収入を得ることも可能になるでしょう。
メリット③主婦ならではの視点が活かせる
起業する主婦の方は、主婦ならではの視点を活かしている方が多いです。
例えば、ベビーシッターサービスを日本に広めたキッズラインの創設者・経沢香保子さんは、自身が「子供を持ちながら働くことの大変さ」を経験したことからキッズラインの創設へと至っています。
また赤ちゃんの周りを飾り付け、アートのように写真を撮る”おひるねアート”を広めた青木水理さんは、妊娠中に海外のおひるねアートの存在を知り、ブログでおひるねアートについて発信していたことが起業するきっかけとなりました。
巷に溢れている便利グッズで見てみると、ついで掃除ができる”お掃除スリッパ”や、キャベツの千切りが一瞬でできるピーラーなど、主婦向けの便利グッズが圧倒的に多いことが分かります。
主婦がする家事や育児は面倒なことの連続です。日常の「面倒」や「不便」の中にこそ、起業のヒントが隠れているのです。
デメリット①ワークライフバランスが崩れる
前述した、ライフスタイルに合わせて働くことができるというメリットとは矛盾してしまいますが、起業すると事業を軌道に乗せるために多くの時間や体力を費やすことになるでしょう。
起業し、事業を継続していくことは決して簡単なことではありません。
主婦が起業したことで反対に、家庭との両立がうまくいかなくなってしまった・・・ということもあります。
ワークライフバランスを保つためには、起業前にリサーチを重ね、無理のない起業計画が必要です。また起業後は家庭と仕事を切り分ける意識も大切になってくるでしょう。
子どもの年齢や理想のライフスタイル、今後のライフプランなどを鑑みて事業計画を立てることが重要です。
デメリット②収入が増えるとは限らない
こちらも前述したメリットとは矛盾しますが、主婦が起業したからといって収入が増えるとは限りません。
当然ですが、事業は需要があってこそ成り立ち、またその需要のある場所に届ける施策をしなければ収入を得ることはできないのです。
収入を増やすためには、参入しようとしている事業の知識はもちろんのこと、マーケティングや心理学についても学ぶ必要があります。
ともすれば、パートの時の方が収入があった・・・という事態にもなりかねません。そうならない為に起業には事前準備が重要になってくるのです。
デメリット③家庭不和の可能性も
起業したからと仕事に打ち込みすぎてしまい、家族との時間が取れない、家事ができない、などの状況に陥ってしまうと家族の負担が大きくなることも。結果、夫との関係性も悪化してしまうこともあるため注意しましょう。
主婦が起業する理由として「家族の為に」という部分も少なからずあるでしょう。にも関わらず家庭不和になってしまっては本末転倒ですよね。
家庭不和を避けるためには起業前に、夫や家族の協力が得られるか、どの程度仕事に時間を割くか、など夫婦での話し合いが必要です。
家庭のことを多く担う傾向のある主婦が起業するためには家族の協力は不可欠。起業前の準備としてこちらも重要なポイントになってくるでしょう。
主婦起業するなら押さえたい7つのステップ
主婦が起業するためには一つ一つ階段を上っていく必要があります。
起業したから事業スタート!ではなく、事業を成功させるためには事前準備がとても重要なのです。
主婦が起業を成功に導くための7つのステップについて、順に解説していきます。
1、「なぜ?」起業したいのか?目的を明確にする
「なんとなく」起業してもほとんどの場合事業は継続できません。「なぜ」起業したいのかを明確にしましょう。
「自分の趣味や特技を活かしたい」「今より収入を増やしたい」など、人によって起業の目的は違うはずです。
その目的を持って起業した先、1年後どうなっていたいか、3年後、5年後はどうか、未来のことも視野に入れて準備を進めましょう。
2、自分のできることと世の中の「困り事」が重なる分野を見つける
起業するためには事業計画が必要です。事業計画を立てるためには事業内容を決めなければいけません。
まずは自分の身近なところから「不便なこと」「困りごと」「悩み」をピックアップしていきましょう。
家事や育児、介護を担う主婦にとって、日常の困りごとは多いのではないでしょうか。その困りごとのなかから自分ができることを見つけます。
3、2で見つかったことをすでにやっている人がいないか?競合をチェックする
自分が解決したい!と思えた困りごとが見つかったら、次に競合調査をします。
すでにその解決法を見出している人はいるか?どのような売り方をしているか?戦略や規模は?など、競合チェックは事業をする上でとても重要なポイントです。
4、商品開発をする(競合との差別化を意識した値付けやサービス内容など)
次に商品開発へと進みましょう。ここでも競合調査は必須です。
競合と同じような商品を販売したところで消費者にとってはどちらから購入しても同じです。
値段を下げる、サービス内容に付加価値をつけるなど、消費者にとってあなたの商品(サービス)を買うことで得られるメリットを明確に提示できるようにしましょう。
5、テスト販売をして商品の改善を行う
商品ができたらテスト販売です。本格リリースをする前に、モニターに使用してもらい商品のフィードバックをもらいます。
実際のターゲットからの生の声は貴重な改善ポイントとなる為、リリース前に改善できるところは改善しておきましょう。
6、SNSやチラシ、ホームページなどで集客を行う
商品が完成したら、SNSやチラシ、ホームページなどのWeb媒体で集客をおこないます。
SNSでの企画や、チラシにつけるクーポンなど、ターゲットに合った集客方法を考えましょう。
7、商品の本格販売を行う
本格販売開始です。
あなたの商品(サービス)で価値を感じられる人が多ければ多いほど、収入も大きくなります。
※開業届は事業開始後1年以内に税務署に提出しましょう。
長く事業を続けるためには
主婦が起業し、長く事業を続けるためには生涯学習し続ける姿勢が重要です。
安定的にお給料がもらえる雇用とは違い、自分自身で努力し続けなければ起業後に持続的な収入を得ることはできません。
また日本政策金融公庫総合研究所「2020年度新規開業実態調査」によると、起業後に苦労したこととして「顧客、販路の開拓」が47.3%、「財務・税務・法務に関する知識の不足」が32.4%と高い数字が出ています。
このことから
・経営
・広報、マーケティング
・経理、税金(確定申告)
の3つについては常に勉強し、知識を蓄えていく必要があります。
起業し安定的に収入を得続けるためには、情報のインプットが欠かせない為、共に切磋琢磨できる起業仲間を作ることも大切です。
積極的に情報交換の場に出向いたり、情報が入ってくるコミュニティに属するのもいいでしょう。
まとめ
主婦が起業することは決して簡単ではありません。成功している女性起業家はキラキラと輝いて見えますが、実際裏では常に努力をしています。
また、主婦が起業することによって大きなメリットも得ることができますが、同時に家庭不和やワークライフバランスなどの問題も浮上してきます。
問題を解決するためには夫婦、家族でしっかりと話し合い、周りにも協力してもらう体制を作っておくことが大切です、
起業することは、出産や育児、介護とライフステージが変化していく主婦にとってワークライフバランスを整える一つの選択肢なのです。
まずはリスクの少ない、スモールビジネスから起業への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。