仕事も家事も効率アップ! タイムマネジメントをとりいれてみよう
ワーク・ライフ・バランス向上のための制度や働き方が、現在整えられたり普及しつつあります。それでも、仕事と家事を両立させるのはなかなか難しいことですよね。そこで、日々の生活にタイムマネジメントをとりいれてみましょう。この記事では、家事も「プロジェクト」のひとつとして、仕事上のタスクとともに管理するタイムマネジメントを考えてみます。
目次
タイムマネジメントの目的は「効率化」
タイムマネジメントとは、時間を最大限に活用するスキルのことです。その目的は、仕事の生産性を向上させること。言い換えると、限られた時間でより成果を上げるために、効率を上げることがおもな目的といえます。
スケジュール管理は、予定通りに仕事を進めていくための方法ですが、タイムマネジメントは、さらに「効率を上げる」ということを意識しながら、スケジュールやタスク管理などに取り組むものです。
仕事の効率を上げられれば、時間に余裕が生まれてストレスの軽減につながりますし、家事の効率を上げられれば、家族との時間、または自分自身のためにかける時間などを確保できるようになることで、ワーク・ライフ・バランスが向上しますね。
タイムマネジメントの6ステップをマスターしよう
タイムマネジメントは、「やる(べき)こと=タスク」を、できるだけ効率よく行っていくための方法です。そこで、自分に合った、使いやすいタスク管理術を取り入れながらタイムマネジメントしていくことが肝心。ここでは、タイムマネジメントの要素であり、タイムマネジメントに必要な以下の6つのステップ
- タスクを洗い出す
- 優先順位を設定する
- 目標を設定する
- タスクを細分化する
- タイムブロッキング
- 振り返り
をご紹介します。
タスクを洗い出す
まずは、やるべきことのリストアップから始めましょう。タスクを書き出すときは、タスク管理ツールなどを使えば、あとから期限やタスクの内容に対するメモなどを簡単に加えることができますね。手書きが自分に合うと感じる人は、付せんなどを活用すれば、紙ベースのタスク管理でも、柔軟に修正できますよ。
タスクを洗い出すとき、大きな要素、たとえばあるタスクから、枝葉、そのタスク完了のためのタスクがわかれていく「ロジックツリー」というフレームワークを使うと、タスクをもれなく書き出すことができるうえ、タスクを細分化するステップへとスムーズに進めることができます。
ロジックツリーは「階層構造」となっているため、優先順位をつけるステップにもつながっていきます。まずは気軽に、エクセルやパワーポイントで「スマートアート」内の「階層構造」の図を使って描いてみましょう。
同じ階層にあるプロセスは進行上や内容などの粒をそろえること、タスクはお互いにダブりがないことを意識するようにします。これにより、もれがなくダブりのないよう、タスクを洗い出すことができます。
下図では、身近な例として、ハンバーグを調理するためのタスクをロジックツリーで洗い出してみました(Excelで作成)。ツリーの枝葉の先、階層的に下位のものから作業を進めます。細分化されたタスクを、すき間時間を活用して順序だててこなしていくことができますし、家族に頼めそうなタスクも見えてきますね。
自分のためのタスク管理で使うロジックツリーは、あくまで「ツール」なので、厳密に分析しなくてもOK。おおまかなタスクとタスク達成のためのプロセスをざっと書き出してみて、タスクの全体像や完了のためのプロセスを可視(見える)化し、自分がいつどの作業をするべきなのか整理することに役立てましょう。
優先順位を設定する
タスクをリスティングした後は、タスク間の優先順位を決めます。
パレート図 (80:20の法則)、フィジビリティスタディ(実現可能性調査)など、優先順位を決めるうえでの考え方はさまざまですが、ここではアイゼンハワーマトリクスを紹介します。
緊急性と重要性でタスクを分けてみましょう。タスクの優先度は第1領域から第4領域まで数字の並び順通りです。
- 第1領域にあるもの:直近のタスク
- 第2領域にあるもの:予定、スケジュールに入れる
- 第3領域にあるもの:人に頼む
- 第4領域にあるもの:削除
タスクに優先度をつけるとおのずとスケジュールも決まってきますね。
目標を設定する
それぞれのタスクの目標を設定します。このとき役立つのが、SMARTの法則。タスクの目標を明確化する形容詞を指します。
- Specific(具体的な):具体的な定義をしてタスクの内容を具体化します。「●●を〇〇する」→「▲▲な●●を〇〇する」など
- Measurable(測定可能な):週〇回、〇時間、〇項目、〇個など、測定できるタスクにすると、あとから効率などの検証が可能
- Achievable(達成可能な):実現可能なタスク設定を考える
- Relevant(関連性のある):タスクが何につながるか、何のためのタスクなのかを考える「〇〇という目標を達成するために△△というタスクを設定」など
- Time-bound(期限が明確な):期限を設定する
タスクを細分化する
タスクをスモールステップに分けます。これによって、するべきタスクが「見える化」してきます。ロジックツリーを用いるとわかりやすいでしょう。
一見、複雑そうで大がかり、あるいは長期的なタスクでもスモールステップで進むと、モチベーションが維持しやすくなります。まさに、「千里の道も一歩から」ですね。
細分化したタスクをアイゼンハワーマトリクスで考えると、自分でやらなくてもよい、他人のほうか効率が良いタスクもあります。すべてを自分で抱え込まず、分業化することも効率化に有効です。
タイムブロックキング
タスクが洗い出され、それぞれの優先度がクリアになってきたら、タスクに取り組む時間を割り当てます。これを「タイムブロッキング」とか「時間をブロックする」といいます。
このとき、同じプロジェクトや類似の作業など関連性のある仕事をまとめて、そのための時間をブロックします。ひとかたまりにまとめられるタスクは、たとえば「Eメールのチェック」、「ミーティング」、「経理業務」、「プロジェクトAに関する仕事」、「プロジェクトBに関する仕事」など。
仕事以外の時間もブロックしましょう。「食事づくりと食事の時間」、「掃除」、「休憩」、「子どもなど家族と過ごす時間」、「自分のためだけの時間」など。リフレッシュや休憩時間も確保したい大切な時間ですよね。
そして、自分が最も集中できる時間帯に重要なタスクを割り当てることがポイントです。朝食後の時間、昼食から夕食までの時間、夕食後の夜の時間など、集中できる時間はひとそれぞれ。子育てをしているなら、子どもが通園・通学中に集中が必要なタスク、子どもが帰宅後は、子どもが側にいてもこなせるタスク、というように割り当てるとよいでしょう。
自分の生活や体調のリズムをイメージしながら、「Googleカレンダー」などのカレンダーアプリを使ってタイムブロックし、スケジュール化していくのがおすすめです。
振り返り
ここまでのステップ、とくにタイムブロックをすれば、タイムマネジメントができたように感じられますが、もうひとつ大切なステップ「振り返り」があります。
一日の終わり、週の終わりに、タスクの実行状況などを振り返ります。KPT法というフレームワークを使い、Keep(うまくいったこと)、Problem(改善が必要なこと)、Try(改善策)の視点で考えるとよいでしょう。
それにより、現状の自分がどのくらいの時間でどのくらいのことができるのか、もっと効率化できないか、などが見えてきます。これによって、より自分に合ったタイムマネジメントができるようになるのです。
タイムマネジメントにアプリを活用しよう
タイムマネジメントに使えるタスク管理、プロジェクト管理ツールなどはたくさんありますが、ここでは、仕事と家事のタイムマネジメントに向くアプリを2つご紹介します。どちらも無料(機能によっては有料)で使うことができますよ。
日々の献立に関するタスク管理ができるテンプレートもあり「Todoist」
Todoistはタスク管理アプリのひとつ。タスクの表示方法はリスト形式のほか、ボード形式、カレンダー(有料)があり、ボード形式では、タスクを記したカードを並べる感覚で使うことができます。
タイムマネジメントのステップで細分化したタスクを、可視化することで、スケジュールにスムーズに配置していくことができます。それらのタスクは、デイリー、ウィークリー、マンスリーのタスクをボードに並べて表示することも、どれかひとつの期間のタスクを表示することも可能。
また、プロジェクトごとのタスク管理が可能で、さまざまなプロジェクトに適したテンプレートがあるのも便利です。たとえば、家事のタスク管理に役立つ、買い物リストや献立作成、バケーションや結婚式の計画などのテンプレートも。「Googleカレンダー」と同期すれば、Googleカレンダーに設定している予定が自動的に表示されます。
30分の使い方を変える!ポモドーロ・テクニック用のアプリ「Focus To-Do」
ポモドーロ・テクニックとは、タスクに集中する時間と短い休憩を繰り返す時間管理術のこと。このテクニックでは、「集中」の時間25分間、休憩5分間を1サイクルとし、4サイクルが終わったら15~30分間の長い休憩をとります。
「Focus To-Do 」は、このポモドーロ・テクニック用のアプリで、無料で使えるのは、おもにタイマー機能です。集中、休憩、長い休憩の時間は好みで設定でき、集中→休憩のサイクルのタイマーを自動的に繰り返したりも可能。集中の時間に流す作業BGM、集中時間の終わり、休憩時間の終わりのアラーム音を選ぶことなどもできます。(もちろん無音も可能)
タスクはプロジェクトごとの管理ができ、有料版ではそれぞれのタスク、プロジェクトにかかった時間を計測することもできます。タイムマネジメントのステップのひとつ、振り返りに有効ですね。
ポモドーロ・テクニックを試すと、「次の休憩まで25分」という意識が集中力を生み、25分間がいかに貴重で、そして意外と長いことがわかるでしょう。アプリを使って、楽しく取り組んでみてくださいね。
在宅ワークやテレワークにはタイムマネジメントを積極的に取り入れよう
自宅やオフィスではない場所で、ひとりで仕事をする場合、どうしても仕事と家事などのプライベート、両方の時間管理が難しくなります。「家事」がつねに周囲にある状況、終業時刻に帰宅する環境ではないため、どちらかにかける時間がかたよってしまったり、どちらにも長く時間をかけ過ぎてしまったりしがちなのです。
在宅ワークをする場合は、ぜひタイムマネジメントを取り入れて、家事もプロジェクトのひとつとして、仕事と家事の効率を上げることを意識してみましょう。それによって、これまでは持てなかった新たなことに当てる時間を確保できるかもしれません。
モチベーションのあがるタスク管理アプリもたくさんあります。自分に合うもの、お気に入りを見つけて、「自分のための効率化」を実現させてください!