40代、50代からずっと楽しめる 毎日の暮らしを心地よく整える趣味10選

生き方

40代、50代から趣味を見つけるとしたら、生涯通してずっと楽しむことができ、毎日の生活を豊かにしてくれるような趣味がおすすめです。たとえば、衣・食・住にまつわる趣味をもち、自分が「美しい」「おいしい」「心地よい」と感じるもので生活を満たしてみませんか。プライベートを充実させ、仕事や家事のリフレッシュとなったり、ときにはスキルとして実益にもつながる趣味をご紹介します!

目次

    趣味からつむがれる充実の生活に癒されよう

    「趣味をもつ」ということは、好きなことを追究する、お気に入りを集める、誰かと楽しみを共有する、などの面で、人生を豊かにしてくれるものです。また、自分自身の特色や特徴を成長させること、ともいえるかもしれません。これらの点で、趣味は、仕事や家庭生活に並ぶ、生活の構成要素となる可能性があるのです。仕事の進捗や家族の心配事などで落ち込みそうなとき、趣味が心を支えてくれることもありますね。

    趣味と資格や検定/認定制度で「自分を育てる」のもおすすめ

    趣味は、「その道を極める」というスタンスで長く続けていく楽しみ方もあります。茶道や華道で、家元制度のもと免状や資格などを取得して習熟度の証明とすることは、以前からよく知られていますね。現在は、コーヒーや紅茶、着物やうつわなどにちなんだ検定や資格の認知度もあがってきました。

    趣味で磨いたスキルを積み重ねていくと、教室やサロンを主宰するなど、誰かに教えたり、誰かと楽しみを共有する場を作り出すという社会的な活動や副業にもつながるでしょう。また、資格や検定/認定を取得するための勉強をすると、たとえば着物ならば日本の歴史や文化など、物事の背景にある普遍的な知識も同時に学ぶことになります。この学びのなかで、他に興味のもてる対象が見つかるなど、自分の世界の幅が広がっていく可能性があります。

    こうしたことから、趣味に関連する資格や検定/認定制度の取得は、50代になっても60代になっても、生涯通してずっと趣味を楽しむコツのひとつといえるでしょう。

    衣・食・住にまつわる、暮らしを整える趣味

    コロナ禍を経て、リモートワークの普及など、家での過ごし方が注目されています。また、家族や仕事の状況や年齢によって、身の回りの着ること、食べること、住環境を見直し、「丁寧な暮らし」を意識すると、日々の充実感も増すことでしょう。

    このような「丁寧な暮らし」につながる趣味は、この先の人生でずっと、生活のなかで楽しんでいくことができます。趣味をとおして、身の回りを心地よく、ときに心ときめくように整えれば、きっと前向きな気持ちも生まれてきます。趣味が高じれば、資格の取得などにも挑戦してスキルとして身につけ、趣味と実益をかねた活動の可能性も広がります。

    着物で日本の伝統技術の粋を楽しむ

    着物は、日本固有のファッション文化。とはいえ、着物を着るといえばフォーマルな場面に限られる、高価で着用するのもメンテナンスも大変、というイメージが定着していました。

    最近では、腰ひもに代わり着物の着用を簡単にする伸縮するベルトや、結ばなくてもいい作り帯などの道具や、ポリエステルなどウォッシャブルな素材の着物も豊富に出回っています。

    中古品の着物は比較的安価なものが多く、気軽に着物を試してみるのにおすすめ。扱う店も最近は多く、思わぬ良品を安く購入できることも。

    また、メンテナンスは大変でも、日本の伝統技術の粋を身につけるという贅沢は着物を着る醍醐味のひとつです。西陣織や大島紬、結城紬、友禅染めなど繊細な織りや染めの技術を装いに取り入れたり、また産地を訪れ逸品を鑑賞する楽しみにもつながります。

    着物姿での街歩きで特典が受けられたり、着物を楽しむコミュニティがあったりと、ライフスタイルを華やかに彩ってくれる趣味になりますよ。

    POINT

    着物は、身にまとう日本文化。趣味にすることで、自分磨きできるポイントもありますよ。

    • 着付け教室に通う 着物の着方や美しい所作、シーンに合わせた着物の装い方などが学べます。着付け講師や美容院での着付けを担うなど、仕事につながるスキルにも。
    • 検定を受ける 「きもの文化検定」は、一般社団法人 全日本きもの振興会が行っている事業で、着物に関する歴史や文化の知識を深められます。他人に着物を着付ける「着付け技能士」(一般社団法人 全日本着付け技能センター)という国家検定もあります。

    お茶、コーヒーで生活に心地よさを

    良い香りや味でほっと和める飲み物は、趣味としてもっと楽しむことができます。

    茶道は「茶の湯」ともいい、客を招き亭主が抹茶をたててもてなすお茶会やその作法、茶道具や庭園、茶室などの建築、絵画、書、精神的な修養も含めた総合芸術。言い換えれば、お茶そのもの、お茶会を通じた人とのコミュニケーションを楽しみ、自分の美意識を養っていくことともいえます。

    「わびさび」、不完全なものの美しさなど、これまでの自分に新しい価値観を加えてくれるのではないでしょうか。

    紅茶もダージリン、アールグレイ、アッサム、セイロンなど、茶葉の産地によって分類されるなど多種類あり、ミルクティー向きやストレートティー向きなどの風味のちがいがあります。ダージリンはファーストフラッシュ、セカンドフラッシュ、オータムナルなど茶葉収穫の時期で呼び方や味が変わるなど、千差万別な紅茶の淹れ方や飲み方に細かくこだわる時間は、よいリフレッシュになるかもしれません。

    コーヒーも産地や焙煎、粉のひきかた、淹れ方と、こだわればこだわるほど奥深い世界。これらの飲み物にまつわる趣味は、一人でもお客さんを招いても楽しめ、飲み物に合わせた食べ物のセレクト、器やテーブル・セッティングにも気をまわしてみたり、生活そのものにも心地よい変化をもたらしてくれるでしょう。

    POINT

    茶道で自己研鑽を積む、紅茶やコーヒーに関する知識を深めてカフェ巡りやカフェ開業の夢をもつなど、生涯を通して楽しめる趣味となるでしょう。

    • 茶道では、家元制度のもと、修道の段階によって受けられる資格や許状があります。
    • 紅茶やコーヒーの知識やスキルについては、日本安全食料料理協会による「コーヒーソムリエ」、「紅茶アドバイザー」、「紅茶マイスター認定」などの認定制度がありますよ。

    植物と一緒に四季の繊細な変化を見つめる

    季節の変化が著しく、四季があり、季節的な行事も大切に考えてきた日本では、いけばなや園芸が人々のあいだでさかんに親しまれてきました。いけばなには、いくつかの流派があり、現代のライフスタイルになじむようないけ方を学ぶこともできます。テーブル上や、チェストの上、フローリング上など、従来の「床の間を飾る花」というばかりではないので、気軽に始めてみてはいかがでしょうか。

    いけばなやフラワーアレンジメントなど、花を飾って楽しむ趣味は、家の中を明るくするばかりではなく、美しい花を楽しむために、部屋を片づけ整えるきっかけにもなりますね。自由に花を楽しむのもよしですが、教室などに通えば、花材を用意してもらえることが多く、どんな花を組み合わせるか、どんなふうに空間になじませるかなど、花を飾るためのたくさんのヒントが得られますよ。

    園芸は、現代生活において、外の空気、土にふれる良い機会となります。広い庭がなくても、コンテナや鉢に季節の花を寄せ植えして楽しんだり、屋内の窓辺で種類が多く人気の多肉植物を栽培してみたり。キッチンでは、バジルやミントなどのハーブを育てて収穫するのもおすすめです。

    家庭菜園も、最近では、大根やじゃがいもを鉢で育てるキットなども出回っていますし、野菜と一緒に見て楽しむ花を植える「ポタジェ」も注目されているなど、自分のスペースや暮らしに合わせた園芸の楽しみ方が広がっていますよ。

    POINT

    花を身近に置くと、癒されたり元気が出たりしますよね。そんな花や植物と関わることのできる職種もあり、好きなことを仕事にする道もあります。

    • 華道の家元制度のもと、修道の段階によって受けられる資格や許状があります。
    • 冠婚葬祭でのフラワー装飾などに必要となるスキルと知識を対象とするフラワー装飾技能士、おもにオフィスやリビングを観葉植物で演出したり維持管理する園芸技能士という職種のための国家検定があります。

    食卓を楽しく演出するうつわ選びを楽しむ

    和洋中ほか、その他のエスニック料理と、さまざまな食文化を取り入れているわたしたちの食卓。多彩な料理を楽しむなら、うつわにもこだわってみませんか? 料理をするモチベーションもあがりますし、デパ地下などでテイクアウトする料理も、料理に合わせた好きなうつわに盛り付けることで、より特別な一皿になります。

    日本には、中世からの歴史をもつ「日本六古窯(瀬戸・常滑・備前・信楽・丹波・備前)」のほか、多くのうつわの産地が各地にあります。それぞれに特色があり、カラフルな絵付けが施されていたり、土のあたたかみを帯びていたり。長く使いたいお気に入りのうつわを求めて旅をする楽しみもありますね。作り手である窯元の方とコミュニケーションをとれることもあり、毎日使ううつわに、たくさんの思い出がこめられます。

    うつわ好きが高じたら、自らの手でつくりだす陶芸、お気に入りのうつわを修復する金継ぎも、制作の楽しみを知り、暮らしを豊かにする趣味に。

    POINT

    2023年から、一般社団法人 テーブルウェアスタイリスト連合会が主催する「うつわ検定®」は、種類や産地、文様などうつわに関する知識を問う検定。うつわ選びでこだわるべきポイントを見つけたり、審美眼を養うために挑戦してみるのもおすすめですよ。

    インテリアにこだわって心地よい空間で暮らす

    コロナ禍で家の中の環境を見直すことになった方も多いのでは。部屋を整えることを家事ではなく趣味とすると、暮らしの質も心地よさもぐっとよくなるはずです。

    インテリアのテイストを考えてみる、クッションカバーなどオリジナルのファブリックを手作りしてみる、空間を演出するものを探して雑貨屋めぐり、雰囲気や用途にぴったりのちょっとした棚や家具をDIYする、など。インテリアはたくさんの興味や行動を引き起こしてくれます。

    じっくりと長い時間をかけて理想のインテリアを実現させていくのもよし、手軽なアイテムを使って、時々の気分に合わせて、がらりとテイストを変えてリフレッシュするのもよし。「趣味の中で暮らす生活」を目いっぱい楽しんでみましょう。

    POINT

    整理、収納は極めてスキルとすることも。「整理収納アドバイザー」(特定非営利活動法人ハウスキーピング協会)という資格もあります。テレワークのために、片づけやゾーニングするための模様替えをするなら、同時に整理や収納も見直してみましょう。整理整頓が苦手という方も、仕事する環境を整えるのと同時になら、プライベートの片づけも意外に進むかもしれません。

    想像の世界に浸り、リラックスできる趣味

    読書や映画鑑賞など、想像の世界に浸る時間は、忙しい毎日のなかでとても贅沢な時間といえるでしょう。

    わたしたちは日々、膨大な情報にふれていますが、文字・音声・映像のうち、脳に入力される情報量がいちばん少ないのが文字であり、だからこそ「読む」こと(とくに紙の本)は、このなかで想像する情報量がいちばん多いといいます。(出典:致知出版社ホームページ 脳は紙の本でこそ鍛えられる。言語脳科学で明らかになった読書の知られざる効能(酒井邦嘉))

    想像することは脳の神経細胞の活性化につながります。よく睡眠をとることも脳の活性化に大切で、スマートフォンが入眠を妨げるのに対し、読書は寝つきもよくなるといわれています。そのため、読むこと、想像力を働かせることは、就寝前や週末のリフレッシュにおすすめの趣味ですよ。

    読書

    最近では、読みたいなと思った本を電子書籍ですぐに読むことができます。ふと思いついたときなどに読書を楽しめるのがデジタルの利点ですが、書店や図書館で背表紙を眺めながら本を選ぶ時間を楽しむのも、よいリフレッシュとなるでしょう。

     本のタイトル、装丁、紙の質などをじっくり味わうことから、読書を始めてみるのもよいかもしれません。最近では書店にカフェが併設されていたり、古本を購入できたり、特定のコンセプトで集められた本を楽しめるブックカフェなども人気です。本がテーマのカフェ巡り、読書にどっぷり浸れる図書館めぐりなど、気軽な外出と組み合わせて趣味とするのもおすすめです。

    歴史

    歴史好きといえば、2009年、ユーキャンの「新語・流行語大賞」で「歴女」という言葉がトップ10入りしてから、各メディアで歴女向けのコンテンツが提供されたり、各地の歴史にまつわるイベントが開催されてきました。

    歴史を知ることにより、過去の光景や人々の様子、誰かの生涯に想いをはせることで、自分の世界が大きく広がっていきます。歴史を訪ねる旅、歴史の話を通じた友達づくりも人生を豊かにしてくれるでしょう。

    体を動かしたり、移動することでリフレッシュできる趣味

    運動や散歩、旅などを趣味とすれば、必然的に身体活動が増えて健康維持につながります。体を動かすことで、身体や脳を活性化させ、ストレス軽減や心身のリフレッシュなどの効果を体感できる趣味をご紹介します。

    ヨガ・ピラティス

    室内でできる運動であるヨガやピラティスは、体を動かす趣味として女性に人気がありますよね。方法や目的は違いますが、どちらも身体の柔軟性や筋力を高めたり、深い呼吸を重視することで有酸素運動と分類されています。

    その高い人気のため、無料で見られる数多くの動画で方法が紹介されているのも趣味として始めるときのメリット。年齢が上がるにつれ、健康維持が課題となってくるなか、自分の身体やペースに合わせて続けることで、体調や体力の変化を知り、自分自身を丁寧に見つめていくことのできる趣味になるでしょう。

    写真

    スマートフォンのカメラも高性能である今、写真はとても気軽に始められる趣味のひとつです。何を撮影しようかと考えることは、ふだんは目を向けない新しいものや景色の発見につながります。たとえば、いつもはあまりじっくりとは見ないものを接写してみるだけで、新しい景色に出会えたりもすることも。

    撮影の対象を探して散歩をしてみると、慣れ親しんだ地域にもたくさんの新しい発見があるでしょう。家族やペット、お気に入りのものなど身近に被写体を探すことで、意外に背景となる部屋の片づけが進んだり、というメリットもありますよ。

    日常を離れ、新しい景色を見たり、土地の特産品を味わったりお土産を物色したりと、旅をいちばんのリフレッシュとする人も多いのではないでしょうか。人は、移動することでポジティブな感情が高まり、新しい場所へ出かけることで幸福度が増すという研究もあります。(出典:朝日新聞GLOBE+「人は移動するほど幸せを感じる」という研究成果 「遠出するとスカッ」は本能かも)

    旅を趣味とするなら、より丁寧に旅を記録し振り返るトラベルノートをつけたり、旅に便利なバッグ、パッキンググッズやポーチ類などをそろえるのも、日々「旅」を感じられる楽しみとなるかもしれません。

    趣味は履歴書にも書く自分の「特色」

    自己紹介や履歴書に「趣味」の欄がよくあるように、趣味は他人があなたについて知りたい大きな要素であるといえます。趣味について話すだけで、共感しあったり、興味を抱いたり、人とのつながりができていくきっかけにもなるでしょう。

    また、この記事では趣味から資格を目指してみることなども紹介しましたが、趣味が特技となり、スキルとなれば、プライベートにとどまらないあなたの「特色」ともなります。

    ぜひ、これからの人生で長くじっくり楽しめる趣味を見つけてくださいね。

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