50代女性はフリーランスで活躍できる? 50代フリーランスの現状とおすすめの仕事を紹介

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20代からキャリアを継続させている人、出産・育児を機にいったん仕事を離れ、子育てがひと段落してから再び働き始めた人など、50代女性のキャリアは様々です。また、「定年退職」という言葉がより現実味を帯びる年代でもありますね。人生100年時代の今、これからの働き方を模索している人も多いのではないでしょうか。この記事では、「フリーランス」を検討している人に向けて、50代フリーランスの現状とおすすめの仕事をご紹介します。

目次

    50代フリーランスの現状

    フリーランスとは、

    実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者

    出典:内閣官房 公正取引委員会 中小企業庁 厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン概要版

    このように、フリーランスは職業ではなく”働き方”のことを指し、職業を伝える際は「フリーランス(働き方)」の「Webライター(職業)」のように表現します。

    50代フリーランスは意外と多い

    フリーランスで働いているといえば、若い世代をイメージするかもしれませんが、厚生労働省が令和4年におこなった「フリーランス実態調査」では、回答者であるフリーランスのうち、一番大きな割合を占めていたのは50代です。

    出典:厚生労働省「令和4年度フリーランス実態調査結果」、円グラフはこの調査をもとに加工して作成

    50代フリーランスが多い背景

    人手不足が続く企業と専門スキルを持つフリーランスの両立関係

    慢性的な人手不足の課題を抱える企業が多いなか、フリーランスを起用する企業が増えています。特に、これまでの経験から専門スキルを保有している50代フリーランスは活躍できる場が多くなっています。

    フリーランスの起用は、企業側では必要な時に必要なポジションへスポット起用でき、フリーランス側はこれまでに培った専門スキルを活かして働くことができるため、双方にメリットがあります。また、社員を採用するよりコストを抑えることができることも、企業によるフリーランス起用の理由のひとつといえそうです。

    少子高齢化が進む社会の変化

    団塊ジュニア世代が50歳を迎えることで、日本は2024年に歴史上初めて人口の過半数が50歳以上になります。少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中で、働く意欲がある高年齢者が活躍できる環境を整備するために、高年齢者雇用安定法の一部が改正され、定年が70歳まで引き上げられました。このような状況で、50代で働き方を見直し、自分らしく働ける環境を自分でつくろうと、フリーランスになる人も増えています

    価値観の多様化

    2019年、金融庁が提出した報告書によっていわゆる「老後2000万円問題」が話題となりました。これにより、できるだけ長く働くことを考え、これまでと同じ職場で再雇用の道を辿る人もいれば、早期退職制度を利用し、これまでの経験を武器に新しいフィールドで働くことを考える人も出てきました。ひとつの企業や組織に留まらない働き方で、長く働き続ける可能性を高めるフリーランスも、おもな選択肢のひとつとなってきているようです。

    フリーランスを目指す時に確認したい3つのポイント

    ポイント①キャリアの棚卸しをする

    これまでのキャリアを振り返って自分が何をやってきたか洗い出し、フリーランスとして選択できる仕事の幅を確認してみましょう。自己分析して、自分にできること・できないこと、得意・不得意を明確にすると、向いている職業を考えるための判断材料になります。

    振り返るべき内容は

    • 業種
    • 役割
    • 仕事内容
    • 仕事を通して学んだこと、身についたこと
    • 情熱を注げたこと
    • 失敗したこと
    • 失敗から学んだことなど

    これらを時系列で書き出すなどしてみて、今後伸ばしたいスキルや自分の強みをどんな仕事に活かせそうかイメージしてみましょう。

    ポイント②自分の生活に合った働き方を考える

    フリーランスは、自分の裁量のみで働く時間や仕事量を決められることがメリットではあるものの、そのために働き過ぎて体調を崩してしまう可能性もあります。企業による福利厚生などにサポートされないフリーランスは働けないことが「収入減」に直結するため、体調管理が必要不可欠です。また、体調管理だけでなく、家庭などプライベートな生活との両立も考え、無理なく働けるペースを把握しておく必要もあります。

    ポイント③ライフプランに必要な収入を見積もる

    日々の生活に必要なお金はもちろんのこと、フリーランスになると保険、年金、税金等を自分で管理しなければいけないことを念頭に置き、必要な収入額を見積もりましょう。病気やケガで働けなくなった場合の蓄えも必要です。必要な収入を計算しておくと、自分のなかで単価や報酬の目安をつけられ、仕事を探す際に絞り込みやすくなります

    50代女性におすすめのフリーランスの仕事

    50代女性のキャリアは様々。キャリアを継続させてきた人は経験を活かせる仕事、子育てなどがひと段落し、改めて働き始めたい人は未経験でも挑戦できる仕事がおすすめです。

    それぞれの仕事の例をご紹介します。

    経験を活かして働けるフリーランスの仕事

    専門スキルがあり、かつ経験を活かして働けると、高収入を得られる可能性が高まります。フリーランスで経験を活かせる仕事の例を以下にあげますので、参考にしてみてください。

    Webデザイナー

    企業、学校、官公庁などのWebサイトの企画・デザイン・制作を行う仕事です。Webページの見た目と使いやすさを重視してデザインするスキルが求められます。デザインの基礎知識や技術、クライアントの要望を聞き出すコミュニケーション能力が求められるため、Web制作会社に勤めたことがある人や一般企業で自社のWebサイトやオウンドメディアの運用などの経験があると、その経験を活かすことができるでしょう。

    【Webデザイナーの目安月収】20万円~

    コンサルタント

    特定の分野についての深い知識と経験をもとに、クライアントの相談に乗り、解決策を提示する職業のことをいいます。例えば「キャリアコンサルタント」は、職業選択や職業能力の開発・向上に関する相談に応じ、助言をする仕事です。これまでのキャリアによってひとつの分野に精通しているなら、クライアントを開拓し適切なアドバイスをおこなうコンサルタントとして独立することも可能でしょう。

    【コンサルタントの目安月収】20万円~※専門領域により異なる

    未経験でも挑戦しやすいフリーランスの仕事

    未経験の仕事に挑戦し、フリーランスで働きたい方は、比較的始めやすい以下の仕事はいかがでしょうか。どちらも在宅でできる仕事で、時間や場所にとらわれない働き方を目指す人におすすめです。クラウドソーシングサイトに登録し、「初心者OK」「未経験歓迎」の仕事から始めて経験を積むとよいでしょう。

    データ入力

    WordやExcelなどに文字データを入力していく仕事です。例えば、議事録の作成、イベントなどで回収した手書きのアンケート結果をデジタルデータ化する、データの校正作業などがあげられます。必要な資格やスキルがないため、比較的はじめやすい仕事です。

    【データ入力の目安月収】5万円前後

    Webライティング

    Webサイト上に掲載される文章を作成する仕事です。コラム記事や求人情報、通信販売サイトの商品紹介、広告など、掲載メディアによってさまざまな案件があります。発注者から提示されたテーマやキーワードに沿って情報収集を行い執筆することが多く、検索エンジンやSNSなどを経由する集客を意識したSEO対策を求められるケースもあります。

    【Webライティングの目安月収】5万円前後

    フリーランスとして仕事を続けるために

    この記事で見てきたとおり、50代でフリーランスとして働く人は多くいます。これまでの経験を活かして働くのか、未経験の仕事に挑戦するのかは、置かれている状況しだいですが、共通して求められることは、情報や知識を常にアップデートすることです。これまでの豊富な人生経験や知識に加えて、新しい知識やスキルを学ぶ姿勢を持ち続けることが、50代女性がフリーランスとして活躍するためのカギといえるでしょう。

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