
【50代女性×フリーランス】 豊富な経験を活かして自由に働く!おすすめの仕事などを徹底解説
「定年後もまだまだ働きたい」「子育てを終えてセカンドキャリアを築きたい」そんな50代女性が、自由度の高いフリーランスとして活躍するケースが増えています。本記事では50代フリーランスの現状や、フリーランスになる前に押さえたいポイント、おすすめの仕事などを詳しくご紹介。50代女性とフリーランスの新たな可能性を探り、自分らしい働き方を見つけるヒントにしてみてください。
目次
50代フリーランスの現状
まず、「フリーランス」という働き方がどういうもので、「50代」というライフステージにどのようにマッチしているのかについて見ていきましょう。
フリーランスとは?社会的関心の高まり
「フリーランス」とは職業ではなく“働き方”のことを指します。
たとえば「フリーランス×Webライター」「フリーランス×デザイナー」といった形で、自分のスキルや得意分野を活かして仕事を請け負うスタイルを指します。
このような働き方の普及は、高齢化が進む中、多様な働き方の拡大、ギグ・エコノミー(インターネットを 通じて短期・単発の仕事を請け負い、個人で働く就業形態)の拡大を促すとして期待されており、社会的な関心が高まっています。
フリーランスという働き方を支援する制度も整備されつつあり、令和6年11月1日には、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」が施行されました。
フリーランス法に関連して作成された、政府のガイドラインによるフリーランスの定義は、以下のようになっています。
フリーランスとは、
実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者
出典:内閣官房 公正取引委員会 中小企業庁 厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
50代フリーランスは意外と多い
「フリーランスは若者のイメージ」という人もいるかもしれませんが、「令和4年度フリーランス実態調査結果」(内閣官房ホームページ)によると、フリーランスの年齢層で最も割合が大きかったのは50代となっています。

出典:厚生労働省「令和4年度フリーランス実態調査結果」、円グラフはこの調査をもとに加工して作成
背景には、人手不足の企業が「必要な時だけ専門家を起用したい」というニーズと、50代以降もスキルを活かして働き続けたいという人材側の思惑がマッチしていることが挙げられます。
また、団塊ジュニア世代が50代という年齢層を厚くしていることや、70歳まで働く環境を整える高年齢者雇用安定法の改正など、社会全体の変化も後押ししています。
老後資金や価値観の多様化が後押し
2019年の「老後2000万円問題」で注目されたように、長寿化に伴い「年金だけで安心できるのか?」という不安が社会に広がりました。
「人生100年時代」といわれ、多くの人ができるだけ長く働く道を探る中、同じ職場で定年まで勤める以外にも、経験を活かして独立したいと考える50代女性が増えています。
雇用される働き方とは別に、フリーランスで複数の仕事を掛け持ちするなど、「組織にしばられすぎない」「自分のペースで続けられる」働き方がひとつの選択肢になってきているのです。
フリーランスを目指す前に押さえたい3つのポイント
フリーランスは魅力的な働き方ですが、いきなり独立するとなると、収入面や家族との折り合いなど、不安も尽きませんよね。特に50代は体調管理や老後資金も気になる時期。ここではフリーランスを検討するうえで確認しておきたい3つのポイントを押さえましょう。
ポイント①:キャリアの棚卸しをする
まずはこれまでの仕事や経験を振り返る作業が重要です。
- 業種・役割・仕事内容:どの領域で、どんなポジションを担ってきたか
- 身についたスキル・知識:専門知識、コミュニケーション力、チーム管理など
- 成功体験・失敗体験:どんな課題にどう対処し、何を学んだか
- やりがいを感じた点・苦手な点:自分の情熱を注げることは何か?
これらを時系列で書き出すと、「自分ができること」「得意なこと」「やりたいこと」が明確になり、フリーランスとしての仕事選びのヒントになります。
フリーランスで活かすことができるスキルを見つけよう
どんな業種や役割で働いてきたかを振り返ることで、自分の強みや得意分野を整理し、どの分野で活かせるかを考えることができます。また、マネジメント経験やコミュニケーション力など、フリーランスとしても価値があるスキルにも気づくことができるでしょう。
「これから必要となる」スキルを習得
とくに50代女性がキャリアの棚卸しをするときに意識したいのが、「過去の経験だけにとらわれすぎない」ということ。これまでの成功体験に固執せず、柔軟に新しいスキルを学ぶ姿勢を持つ、変化の激しい市場に対応できるような適応力を身につけることが大切です。
ポイント②:自分の生活に合った働き方を考える
どのように働きたいか、どのように生きたいのか。これからのライフプランと照らし合わせると、フリーランスになることについて、より具体的に検討していくことができます。
- 仕事のペースをどうしたいか(ワーク・ライフ・バランスを考える)
- 老後の生活を考慮し、収入や働き方のバランスをとる
- 体力や健康面を考慮し、無理のない働き方を設計する
フリーランスは時間や場所を自分で決められる半面、仕事とプライベートの線引きが難しく、働き過ぎによる体調不良に気をつけなければなりません。社員時代のように有給や福利厚生に守られることが少ないぶん、体調不良はすぐに収入ダウンに直結します。
また、家族の介護や家事との両立、体調の変化など、プライベートな事情が50代の女性には多いもの。無理なく働ける稼働時間やペースを把握し、受ける仕事量をコントロールする意識が大切です。
ポイント③:ライフプランに必要な収入を見積もる
フリーランスになると、企業と雇用契約を結んでいる場合とはちがい、どうしても収入面で不安定になる可能性があります。そのため、事前に必要な収入を見積もることが、経済的に安定した生活をするために重要なポイントとなります。
収入を見積もるのための5ステップ
以下のステップを参考に、これから必要なお金を見積もってみましょう。
①生活費を把握する
毎月の生活費を一覧にし、基本的な支出額を確認します。たとえば以下のような項目を考慮すると良いでしょう。
- 住居費(家賃・ローン・管理費)
- 食費(外食費含む)
- 光熱費・通信費(電気・ガス・水道・インターネット)
- 交通費(車の維持費、公共交通費)
- 医療費・保険料(健康管理に必要な費用)
- 交際費・娯楽費(旅行、趣味)など
②老後資金を考慮する
50代からフリーランスになる場合、老後資金の準備も重要です。
たとえば、年金や貯蓄だけで十分か、追加の資産形成が必要かを検討し、必要な額を試算します。
③仕事にかかる費用を計算する
フリーランスとしての活動には、以下のような費用が発生するため、それを収入見積もりに加えます。
- 仕事の設備費(パソコン、ソフトウェア、オフィス環境)
- 研修・学習費(スキルアップ、資格取得)
- 営業・マーケティング費(ウェブサイト運営、広告費)
- 税金・社会保険(確定申告、国民健康保険、国民年金)
④最低限必要な月収を算出する
上記の支出額を合計し、「毎月必要な最低収入額」を試算します。
たとえば「生活費+老後資金積立+仕事の維持費=月に最低30万円必要」というような目安を作ります。
⑤収入源を分散させる戦略を立てる
フリーランスは収入が変動しやすいため、以下の方法で収入を安定させる計画を立てます。
- 複数のクライアントと契約する
- 副収入を得る(ブログ運営、講座販売など)
- 投資や資産運用を活用する
このように、「月にいくら必要か」「単価はいくら欲しいか」を想定できていれば、仕事を探すときにも交渉や絞り込みがしやすいでしょう。
【経験活かす派】50代女性におすすめフリーランスの仕事
50代までキャリアを継続してきた人にとっては、これまでの専門分野やスキルをフリーランスとして活かせる仕事がおすすめ。企業がスポット的に専門家を起用したいと考えるケースも多く、高収入が期待できる場合があります。
Webデザイナー
すでにウェブデザイナーとしての経験がある50代女性は、フリーランスとして以下のような仕事が可能です。
Webデザイナーにおすすめの仕事:経験者(実務経験あり)の場合
- 企業など向けのウェブサイト制作(コーポレートサイト、ECサイト、ブランドサイト)
- UI/UXデザイン(アプリやウェブサービスの使いやすさを設計)
- 広告・バナー制作(SNS用画像、オンライン広告デザイン)
- ウェブサイトの運用・改善業務(リニューアル、SEO対策)
- デザインコンサルティング(企業へのデザイン提案や指導)
収入の目安
高いスキルがあり、安定した仕事を獲得できれば月収50万円以上も可能ですが、フリーランスとしての営業活動や継続案件の確保が重要です。
- これまでの実績を活かし、高単価の案件を狙う
過去のプロジェクトをポートフォリオにまとめ、専門性をアピール。経験がある分、高単価の案件を受けやすい。 - 人脈を活用し、継続的な仕事を確保する
元の職場や業界の知人にフリーランス転向を伝え、仕事の相談を受けやすくする。 - スキルのアップデートを怠らない
最新のデザイントレンドやツール(Figma、Webflowなど)を学び、競争力を維持する。
コンサルタント
コンサルタントは、企業や個人に対して専門的なアドバイスを提供し、課題解決をサポートする仕事です。経営、人材育成、キャリア支援など多岐にわたる分野で活躍できます。
コンサルタントとしておすすめの仕事
- 業務改善コンサルタント
企業の事務処理や業務フローを最適化し、生産性を向上させる仕事です。
・事務経験者であればその仕組みを理解しているため、業務効率化の提案が可能
・RPAやSAPなどITツール導入やペーパーレス化のサポートを通じて、企業の成長に貢献 - キャリアコンサルタント(転職・スキルアップ支援)
個人のキャリア形成や就職・転職支援を行う仕事です。
・ 求職者の履歴書・職務経歴書の添削や面接対策をアドバイス
・企業の人事に携わったり見てきた経験を活かし、採用の視点を提供 - ワークライフバランスコンサルタント
仕事と家庭のバランスを取る方法をアドバイスする仕事です。
・50代女性の視点から、時間管理や働き方改革のアドバイスが可能
・ 働き方の見直しやフリーランスとしてのキャリア設計をサポート
収入の目安
企業向けのコンサルティングは高単価ですが、個人向けは単価が低め。クラウドソーシングやSNSを活用した集客を工夫する必要があります。
- ポートフォリオを充実させ、信頼を得る
過去の実績や成功事例を整理し、具体的な成果を示すことで、クライアントからの信頼を高め、高単価の案件を獲得しやすくなる。 - 定期契約を獲得し、安定した仕事を確保する
単発案件では収入が不安定になりやすいため、企業の顧問契約や長期プロジェクトに関わることで、継続的な収入を得ることが可能に。 - オンライン講座や出版など、副収入を得る手段を考える
知識や経験を活かして講座を開講したり書籍を執筆することで、コンサル業務以外からの収益を得られ、経済的な安定につながる。
【未経験から挑戦派】50代女性が始めやすいフリーランスの仕事
「子育てや家庭の事情で一度離職してしまった」「他業種だったが心機一転チャレンジしたい」という方には、比較的ハードルが低く、初めてでも取り組みやすい仕事もあります。
データ入力
データ入力の仕事は、企業や個人の依頼を受けて、決められたフォーマットに情報を入力する業務です。シンプルな作業が多いため、未経験でも始めやすいでしょう。
データ入力の具体的な仕事内容は?
- ExcelやGoogleスプレッドシートへの数値や文字情報の入力
- 名簿やリストの整理(顧客情報、商品情報など)
- 議事録やアンケート結果のデジタル化
- 書類のデジタル化(PDF→Wordなど)
収入の目安
時間単価 800円〜1,500円の案件が多く、単価が低いために、ある程度の収入を得るにはまとまった量の案件をこなす必要があります。
- 作業スピードを意識し、効率よくこなす
タイピング速度を上げる練習をし、短時間で正確な入力を心がけましょう。 - クラウドソーシング(CrowdWorks、Lancers)で案件を探す
初心者向けの仕事が多いため、実績を積みながらスキルアップできます。 - ExcelやGoogleスプレッドシートの基本スキルを身につける
表計算やデータ整理のスキルを学び、作業をスムーズに進めましょう。 - 誤入力を防ぐためのチェック体制を整える
入力ミスを減らすためにダブルチェックを習慣化し、ミス防止の仕組みを作りましょう。
Webライティング・Webライター
Webライティングとは、企業や個人が運営するサイトやブログ、SNSなどのオンラインメディア向けに、読者にとって役立つ記事やコンテンツを企画・執筆する仕事。SEO(検索エンジン対策)を考慮しながら文章を作成し、ターゲットとなる読者に情報を届けることが求められます。
Webライティング・Webライターの具体的な仕事内容は?
- SEO記事(検索されやすいコンテンツ)の執筆
- 商品・サービスの説明文作成
- 企業ブログやコラム記事の執筆
- SNSの投稿原稿作成
収入の目安
ラ
イティング案件は、文字単価(1文字=○円)で報酬が決まることが多く、経験を積みながら単価を上げることで収入アップが可能です。
- 得意ジャンルを見つけ、専門性を高める
美容・ビジネス・健康など、専門知識がある分野に特化して案件を探すと、高単価案件を獲得しやすい。 - SEOの知識を身につける
検索で上位に表示される記事を書く技術を学ぶと、ライターとしての価値が高まり単価アップにつながる。 - クラウドソーシングで実績を積む
ある程度の数の仕事をこなし、評価を上げることで継続案件が増える。 - 執筆スピードを上げる
効率的に記事を書けるようになると、より多くの案件をこなして収入を増やせる。
初心者からWebデザイナーを目指したい場合
これからWebデザインについて学び、フリーランスとして収入を得たい場合には、以下を参考にスキル習得を進めましょう。未経験の場合でも、基礎を学びながら以下のような仕事からスタートできます。
Webデザイナーにおすすめの仕事:初心者の場合
- 簡単なウェブサイト制作(WordPressやテンプレートを活用) ロゴ・バナー制作(SNSやブログ用のデザイン作成)
- クラウドソーシングで小さな案件を獲得(初心者向け案件に挑戦)
- オンライン講座やスクールで学びながら実践(自主制作でポートフォリオを作成)
収入の目安
最初は月収5万円〜10万円程度になることが多く、経験を積んで案件単価を上げることで30万円以上の収入も目指せるでしょう。
- 基礎をしっかり学び、小さな案件から実績を積む
オンラインスクールや教材を活用し、HTML/CSS・デザインツールの基本を習得。 - クラウドソーシングを活用し、経験を増やす
Lancers、CrowdWorks、Upworkなどで初心者向け案件を探し、実務経験を積む。 - ポートフォリオを充実させ、仕事を獲得しやすくする
最初は自主制作でもいいので、作品を積み重ねてサイトやSNSで発信する。
フリーランスとして仕事を続けるための心得
フリーランスは自由度が高いぶん、自己管理が重要。心身の健康を守りながら、スキルを磨き、コミュニティとのつながりを持つことなどで、長く安定したキャリアを築いていきましょう。
スキルや情報を常にアップデートする
IT分野やマーケティング分野は日々進化が早いもの。勉強会やオンライン講座で新知識を取り入れる習慣を持ちましょう。
業界ニュースやSNSをチェックし、人脈づくりやトレンドリサーチも欠かさずに。業界のイベントやウェビナーに参加することで、新しい仕事につながる可能性も広がります。
コミュニティやネットワークを活用する
フリーランスは孤独になりがちなので、同業者のコミュニティやSNSグループに参加し、情報交換や仕事の相談ができる環境を作ると心強いです。
たとえば、50代の女性同士が集うコミュニティでは、年齢や家庭の事情などを共有しながら仕事上の悩みも相談できるでしょう。
体調管理とメンタルケアを大切に
50代は更年期や体力の変化を感じやすい時期。定期的に休息をとり、過密スケジュールは避けましょう。
ストレスや不安が続くとモチベーションが低下し、仕事のクオリティにも影響するので、適度にリフレッシュを。
まとめ:50代からでも遅くない! フリーランスで自分らしく働く
50代女性のキャリアは本当に多彩です。長く一つの企業でキャリアを積んできた方もいれば、出産や育児、介護などでブランクのある方もいるでしょう。
「これから先も、自分のペースで好きなだけ働きたい」「年齢にとらわれず、新しい分野にチャレンジしたい」――そんな想いを抱く方は、フリーランスという選択肢も検討してみましょう。
どんな背景を持っていても、フリーランスという働き方はあなたの経験・スキルを活かした挑戦の機会をもたらしてくれます。
この記事では、50代女性がフリーランスで働くためのヒントを解説しました。
- キャリアの棚卸しで自分の強み・得意分野を把握する
- 生活リズムや必要収入を考慮し、無理のない働き方を設計する
- 未経験でも挑戦可能な仕事からスタートし、徐々に実績やスキルを積む
- コミュニティやスキルアップを活用し、仕事の幅を広げる
50代からフリーランスになるのは難しいかも、と思うかもしれませんが、実際に活躍している同年代は多く存在します。
長年の社会経験や人脈、人生経験そのものを大きな財産ととらえることができれば、20~30代では難しいような付加価値を仕事に与えられるのではないでしょうか。こうした付加価値が、自分の裁量で仕事を選び働くフリーランスの道へとつながります。
あなたの50代からの未来が、より自由で充実したものになるといいですね!