【リスキリング完全ガイド】DX・AI時代に負けない30代・40代・50代女性のキャリア戦略
「今のままでいいのかな?」「40代で転職なんて遅い?」──そんな悩みを抱える女性は少なくありません。さらに「AIに仕事を奪われる?」という時代の変化も、30〜50代女性のキャリア形成に直結する大きな不安です。
この【リスキリング完全ガイド】では、DXやAI時代に必要な学び直しから、国のリスキリング支援・補助金制度、キャリアアップや再就職への具体策までをわかりやすく解説。ぜひ最後までお読みになり、自分に合ったキャリア戦略の始め方を見つけてください。
目次
女性のキャリアアップに必須のリスキリングとは?

国内外で広まっている「リスキリング」は、急速に進展するデジタル時代において、とくにDX(デジタルトランスフォーメーション)やAI分野で注目されています。
DXはデジタル技術を活用し、業務プロセスやビジネスモデルを変革する取り組みであり、日本では人材不足が課題です。
経済産業省の「Society 5.0 時代のデジタル人材育成に関する検討会報告書」によれば、企業がDXに取り組まない理由のトップは人材不足で、米国と比べても人材確保の面で大きく遅れていることが明らかです(下グラフ参照)。


出典:上記2点とも経済産業省ホームページSociety 5.0 時代のデジタル人材育成に関する検討会報告書
こうした人材不足が続く今こそ、女性がリスキリングでDX人材につながる新しいスキルを学ぶことは、キャリアアップや家庭と両立できる柔軟な働き方を描く大きなきっかけになります。
リスキリングの定義
ここで、「リスキリング」の定義を確認しましょう。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必 要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得する/させること」出典:経済産業省ホームページ「リスキリングとは ―DX時代の人材戦略と世界の潮流―」
リスキリングとは、「新しい仕事のやり方や新しい職務に移行するためのスキル習得」であり、単に新しいスキルを身につけることとは区別されています。(参考:厚生労働省ホームページ「リスキリングをめぐる内外の状況について」)
生涯学習やリカレント教育との違い
リスキリングは、単なる学び直しではありません。
また、教育や文化、スポーツ、趣味など様々な場で行う生涯学習や、大学や専門機関で知識を再習得する「リカレント教育」とも異なり、今そしてこれからのキャリアアップや再就職に直結するスキルを習得することを目的としています。
そして、「必要なスキルを獲得する/させること」とあるように、特徴は次の二面性にあります。
企業側:人材育成の一環として社員に新しいスキルを習得させる。
個人側:自ら学び直し、DXやAI時代に必要なスキルを獲得する。
働くための学びであるリスキリングは、DX人材不足という社会的課題を補うだけでなく、女性のキャリア形成や再就職を後押しする重要な手段として注目されています。
データで見る、リスキリングが注目される社会的背景

世界的にDX推進が進む中、カギとなるAI技術はビジネスで急速に活用されています。
日本は生成AIの利用状況で主要国に遅れをとっていますが、DXの波は止まらず、DX・AIへの対応=リスキリングはキャリアアップや再就職に不可欠です。
特に女性に選ばれることの多い事務職は、DXやAIの影響を受けやすい分野といえます。
AI技術の進歩 日本での生成AI利用状況
総務省の「令和7年度版 情報通信白書」によれば、生成AIサービスの利用経験者は2023年から2024年にかけて約3倍に増加しました。(下図参照 グラフ3点とも出典:総務省「令和7年度版 情報通信白書」)

米国・ドイツ・中国では利用率が50%を超える一方、日本は26.7%にとどまっており(2024年時点)、今後の伸びが期待されます。
企業の「生成AI活用方針策定状況」を見ても、日本は導入が進みつつあるものの海外に比べて低水準です。
これから先、日本でのAI利用は急速に広がると見込まれ、女性のキャリア形成や働き方に新しい可能性をもたらすと考えられます。

AIが事務職へ与える影響、スキルの陳腐化とは
世界経済フォーラム(WEF)は、2018年から「リスキリング革命」を推進し、2020年の年次総会で「2030年までに世界で10億人をリスキリングする」と宣言、世界でリスキリングへの注目度を高めました。
この世界経済フォーラムが発表した『The Future of Jobs Report 2025』では、世界の企業による、現在から2030年の間に雇用市場がどのように変化していくかという予想について、以下のように分析されています:
- 今後5年間、テクノロジースキルの重要性が急速に高まる。特にAIとビッグデータが成長分野
- 事務職・事務関連職はデジタル化やAIにより最も急速に減少
- 労働者の主要スキルの39%が2030年までに変化
こうした労働市場の変化は、既存スキルが急速に陳腐化(スキルの陳腐化)していく現実を示しています。
とくに事務職では、AIや自動化の導入によって従来の業務が縮小する一方、AIやRPAなどの自動化スキルを身につけるリスキリングによって新しい業務に対応できる可能性が広がります。
さらに同レポートでは、「分析的思考」「リーダーシップ」など人間中心のスキルは依然として重要であり、AIは人間と機械の協働を通じてスキルを拡張する可能性を持つ、とされています。つまり、AIは単に仕事を置き換える存在ではなく、学び直しやスキルアップを加速させるツールにもなり得るのです。
これからの時代でキャリアを築いていくためには、複数回のリスキリングを前提に、AIを活用しながらスキルを更新・拡張していく姿勢も欠かせません。
女性がリスキリングをするメリットとデメリット

DX人材への需要が高まるなか、リスキリングで、女性のキャリア形成や働き方において選択肢が大きく広がる可能性があります。
「攻めのDX」に携われる人材へ
DXには大きく分けて「守りのDX」と「攻めのDX」があります。
- 守りのDX:既存業務の効率化やコスト削減を目的としたデジタル化の取り組み。
- 攻めのDX:新しいビジネスモデルやサービスを創出し、競争力を高めるためのデジタル活用。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やSAPなどの基幹システムを活用できるスキルを、リスキリングで身につけることで、単なる業務効率化にとどまらず「攻めのDX」に関わることができるでしょう。
リスキリングで得られるメリット:
- 市場価値の向上:企業から高く評価され、キャリアアップの可能性が広がる
- 柔軟な働き方:在宅勤務や副業など、家庭と両立できる選択肢が増える
- ブランクからの復帰:育児や介護などでのブランク後も、最新スキルを持つことで再就職につながる
始めるときに気をつけたいポイント
リスキリングには以下のような負担もあります。
- 時間と費用の捻出:学び直しには一定の投資が必要
- 挫折しないための心構え:途中でやめてしまうと成果につながらない
だからこそ、何をどのようにリスキリングするかが重要です。
陳腐化するスキル、陳腐化しにくいスキル

リスキリングをよりよい結果へつなげるためには、どのようなスキルを学んでいくかを見極めることが大切です。
上の表は、どのようなスキルがこれからの人材市場での価値を高めるのかという視点から「陳腐化しやすいスキル」「陳腐化しにくいスキル」のそれぞれの特徴、具体例、AI・DXとの関係、キャリアへの影響を整理したものです。
需要の高いDX人材となるために未経験からでも取り組める分野としては、ビジネスITスキル(データ分析、SAP操作、RPA開発など)が挙げられます。
自治体も採用するオンライン学習プログラム「でじたる女子+」なら、動画編集、Webデザインなどの人気スキルから、DX人材になるためのSAP、RPAスキルについて学べます。
女性におすすめ!国の補助金・支援制度活用で始めるリスキリング

現在、国では「DX」「グリーン・GX(脱炭素社会・カーボンニュートラルへの取り組み)」「介護・教育」といった分野でリスキリングを積極的に後押ししています。
これらは女性のキャリア形成に直結する分野であり、補助金や支援制度を活用することで挑戦のハードルを大きく下げることができます。
- DX:ITスキルやデータ活用力を伸ばし、在宅ワークや副業にも直結。
- グリーン、GX(グリーン・トランスフォーメーション):持続可能で資源効率の高い社会の発展に寄与するために必要な知識を身につけ、社会的意義のあるキャリアを築ける。
- 介護・教育:女性が多く関わる分野で需要が高く、資格や研修を通じて安定した働き方を確保できる。
女性がリスキリングに活用できる支援制度
教育訓練給付制度
一定の受給要件を満たした個人が、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した場合に、その費用の一部(20~70%、上限あり)が、教育訓練給付金として支給されます。
デジタル、事務、ビジネス、医療系など、幅広い分野が対象です。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
補助事業者経由でリスキリング講座の受講費用の負担が軽減されます。
リスキリング講座の受講を終了した場合や、リスキリング講座の受講を経て実際に転職しが場合など、一定の条件を満たすことで最大56万円の補助が受けられます。
人材開発支援助成金(厚生労働省)
事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識、技能を習得させるための職業訓練を実施した場合などに、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等が助成される制度です。
これらの支援制度の形式はさまざまであることに注意して、上手に利用しましょう。
- 個人で申請するもの:教育訓練給付制度(厚生労働省)など
- 補助事業者を通じて受講費用の軽減がおこなわれる制度:リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)など
- 勤める企業に給付されるもの:人材開発支援助成金(厚生労働省)など
女性のキャリア設計にリスキリングが欠かせない理由
人生100年時代、働く期間が長くなる中で、女性はライフイベント(結婚・出産・介護など)によってキャリアが中断されることも少なくありません。
だからこそ、複数回のリスキリングを通じてキャリアを再構築できる力が必要です。
国の補助金や支援制度を活用し、攻めのDXに関わるスキルを身につけること、そして、育児休業後の復職や副業準備などの場面で無理なく、時代に合わせたリスキリングを行っていくこと。こうしたことが、女性が安心してキャリアアップや再就職を果たすための大きな武器となります。
【年代別戦略】30代・40代・50代女性のキャリアアップ・再就職に役立つリスキリング戦略

リスキリングを始めるにあたって、30代・40代・50代では「育児と両立できるかな」「今後の働き方を見直したい」「長く働くために何か始めたい」など、年代によって気になるポイントも変わってきます。
ここでは、そんな女性のライフステージに合ったリスキリングの進め方と、押さえておきたいポイントを整理していきます。
30代女性:リスキリングでキャリアの基盤を築き、専門性を深める戦略
30代は、これからのキャリアの「土台」を固める黄金期です。
出産・育児による一時的なキャリアの中断に不安を抱えつつも、仕事の吸収力もまだ高く、方向転換もしやすい年代。 「今の経験 × 新しい専門スキル」 を掛け合わせることで、将来の選択肢を大きく広げられます。
30代女性が目指す理想の未来像
- 専門性を持ち、市場価値の高い人材へ
事務・営業などこれまでの経験に、ビジネスITスキルやDX系スキルを掛け合わせることで、「選ばれる人材」へ - ライフイベントに左右されないキャリアを確立
結婚・出産・介護など環境が変わっても、自分のスキルを軸に柔軟な働き方を選べる - 「攻めのDX」に関われる人材へステップアップ
30代で方向性を定め、40代以降は業務改善・デジタル推進に主体的に携わる
30代後半で始めるキャリアパス変更の具体的な方法
30代後半は、まだ方向転換がしやすく、資格取得や副業準備を踏まえたキャリア再設計が可能です。
以下のステップで進めると、無理なく未来のキャリアを描けます。
- 自己棚卸しを行う
「活かせる経験」と「希望する働き方」を整理する。 - 理想像を描く
3〜5年後の姿を具体化(例:リモート中心で働く、収入+5万円など)。 - 必要なスキルを逆算して選択
未来像から逆算して学ぶべきスキルを決める。
・事務経験がある → RPA・SAP
・Excelが得意 → データ分析
・人とのやりとりが得意 → ITサポート・CS(カスタマーサクセス)
無料セミナーや短時間のオンライン講座から始め、実践経験を積むことで副業や転職準備につなげられます。
40代女性:リスキリングでブランクを乗り越え、経験を活かしたデジタル転換戦略
40代は、育児ブランクからの復職や長年同じ職場で感じる停滞感、将来の働き方や収入への不安が重なりやすい時期です。
一方で、“現場経験 × デジタルスキル” を組み合わせることで、キャリアチェンジや再就職の可能性を広げ、これまでの経験を再評価されるチャンスが生まれます。
40代女性が目指す理想の未来像
- 経験 × デジタルで再評価される人材へ
長年の実務経験にITリテラシーを掛け合わせ、「DX推進を支える力」として高く評価される - 柔軟な働き方を自分で選べる
子育てや家事と両立しながら、在宅・時短・ハイブリッドなど、自分に合った働き方を選択できる - 40代からの“キャリア再スタート”を実現
「ブランクがあるから不利」ではなく、「経験があるからこそ必要とされる」ポジションを確保し、再びキャリアを前に進められる
家庭や仕事と両立したい40代におすすめの学習方法と学び直しスキル
40代女性におすすめの学習方法としては、在宅でも学べるオンライン講座や資格取得が挙げられます。
簿記やITパスポートなどの資格、在宅ワークに直結する副業スキル、RPAやAIなどのビジネスITスキルを学ぶことで、“選ばれる働き方”を実現できます。
▶「家事と仕事を両立できる働き方を探したい」「自分にもできるスキルを知りたい」という方は、40代向けの具体的なスキルセットと働き方のイメージをくわしく解説したこちらの記事もご覧ください。
50代女性:リスキリングで定年後も長く活躍できる、セカンドキャリア設計戦略
50代は、「あと何年働ける?」「年金だけで生活して大丈夫?」「介護と仕事の両立ができるか不安」といった悩みが現実に迫ってくる時期。
一方で、仕事・家庭・地域活動を通じて積み重ねてきた経験は、50代だからこそ持てる大きな強みです。
この”経験”にデジタルスキルを加えることで、 定年後も続けられる働き方や、新しい収入源の選択肢 が広がり、自分らしいセカンドキャリアを描きやすくなります。
50代女性が目指す理想の未来像
- 定年後も収入を得られる働き方へ
長年の経験にDXスキルを重ねることで、年齢に左右されにくい仕事へ挑戦、定年後も続けられる収入源を確保 - 家庭や介護と両立できる柔軟な働き方
在宅ワーク・週3勤務・オンライン業務など、 体力や家庭事情に合わせて働き方を選べる - 経験を活かしたセカンドキャリアの再スタートが実現する
年齢で制限されるのではなく、培った経験をベースに新しい収入源や役割を持てる
50代のリスキリングで年収アップと柔軟な働き方を目指す方法
50代のリスキリングでは、オンライン学習や資格取得を活用し、これまでの経験に新しいスキルを掛け合わせることが効果的です。
在宅ワークや副業、ITサポート・RPAエンジニアなどの職種を視野に入れることで、定年後も収入を得ながら柔軟に働ける人生設計が可能になります。
▶「一歩踏み出したいけれど、失敗したくない…」という方は、50代女性向けに“現実的なセカンドキャリアの選択肢”を整理したこちらの記事を、次の行動を決めるヒントにしてみてください。
何を学ぶべき? 女性が 高収入・高需要を狙う「未来型スキル」の選び方

世界経済フォーラムの『The Future of Jobs Report 2025』で、2030年までに成長する、または衰退すると予想された仕事。出典:世界経済フォーラムHP
近い将来、テクノロジーの進歩による仕事への影響は、事務職を中心に女性のキャリアアップや再就職に直結すると予想されるため、「未来型スキル」の習得が重要になります。
世界経済フォーラムによるレポート『The Future of Jobs Report 2025』では、2030年までに大きく成長する職業の分野として、AIとビッグデータ関連、セキュリティ、ソフトウェア開発に関係する職業などが挙げられています。
IT人材の不足と需要の高まり

出典:経済産業省「ITベンチャー等によるイノベーション促進のための人材育成・確保モデル事業」
日本では、予測されるIT人材需要と供給のギャップから推計して、将来的に40~80 万人の規模でIT人材不足が生じる可能性があるといわれています。
市場で需要が急増している人気スキル一覧(DX編)
ITスキルのなかでも、女性のキャリアアップやキャリアチェンジ、再就職のために必要なスキルを考えるための参考としては、経済産業省の提示する「デジタルスキル標準」があります。
経済産業省は、企業の競争力を高めるために必須のDXを推進する人材について、以下2つの「デジタルスキル標準」を提示しています。
- DXリテラシー標準:全ビジネスパーソンが身につけるべきスキル
- DX推進スキル標準:DXを推進する人材が習得すべきスキル
2022年に策定されたこの「デジタルスキル標準」は、生成AIの急速な普及によって、翌2023年、おもに生成AIに関連する改訂がおこなわれました。

出典:「デジタルスキル標準 ver1.2」(経済産業省ホームページ)

生成AIの普及によっておこなわれた、デジタルスキル標準の改定内容。出典:「デジタルスキル標準 ver1.2」(経済産業省ホームページ)
これから働き続けるために必須とされるスキル
DXスキル標準では、全ビジネスパーソンに必要とされる知識としてAI、クラウド、ハードウェア、ネットワークが取り上げられています。

出典:「デジタルスキル標準 ver1.2」(経済産業省ホームページ)
DXを推進するスキル
DXを推進するために必要なスキルは、5つの人材類型をベースに説明されています。
- ビジネスアーキテクト
- デザイナー
- データサイエンティスト
- ソフトウェアエンジニア
- サイバーセキュリティ
この5つの役割に必要とされるスキルとして挙げられているのは、ビジネス変革、データ活用、テクノロジー、セキュリティ、パーソナル スキルで、以下のサブカテゴリーに分類されています。
- ビジネス変革:戦略・マネジメント・システム、ビジネスモデル・プロセス、デザイン
- データ活用:データ・AIの戦略的活用、AI・データサイエンス、データエンジニアリング
- テクノロジー:ソフトウェア開発、デジタルテクノロジー
- セキュリティ:セキュリティマネジメント、セキュリティ技術
- パーソナル スキル:ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル

出典:「デジタルスキル標準 ver1.2」(経済産業省ホームページ)
これらのDXを推進するスキルが、これから学び習得すべき「未来型スキル」の参考となります。
とくに注目したいスキルは、急速に普及し、私たちの仕事、暮らしに大きな影響をおよぼしている生成AI。こちらの記事では、今すぐ始められる、日々の生活で楽しく生成AIを活用する学び方をご紹介しています。
【最優先】未経験女性の需要が急増する「SAP・RPAスキル」
未経験からリスキリングに取り組み、これまでの経験と掛け合わせて現場でのDXに即活用できるスキルが、SAPを扱うスキル、RPAスキルです。
SAPとは基幹業務システム(ERP)のひとつ。企業の主要なリソース(ヒト・モノ・カネ)を一元管理するERPはDX、業務効率化の強力なツールです。
SAPはそんなERP市場でトップクラスのシェアを占め、日本でも多くの企業で導入が進んでいます。
RPAは、パソコンで行う定型的な業務を自動化する技術で、RPAツールを利用することにより業務自動化ロボットをローコードやノーコードでも開発することができます。
自治体や企業で導入が進み、2024年12月時点で、都道府県でのRPA導入率は100%(実証実験中を含む)となっています。(出典:総務省『自治体におけるRPA導入ガイドブック』
SAP、RPAとも総務、人事、経理、販売など多岐にわたる部署での事務職と密接に結びつく技術。これまでの経験やスキルに足すことで、キャリアアップや高単価な仕事獲得を見込めたり、デジタルベースの業務であることから、リモートワークなど柔軟な働き方にもつながります。
▶こちらの記事では、SAPシステムについて、また、SAP認定コンサルタント資格取得のための学習方法や資格取得のメリットなどについてくわしく解説しています。
▶こちらの記事では、RPAの基礎知識、業務での実践法、RPAツールについてなど、を丁寧にわかりやすく解説しています。
スキル選びで失敗しないための3つの鉄則
リスキリングで成果を出すためには、ただ流行のスキルを学ぶだけでは不十分です。「興味」「目標」「市場」の3つの軸で選ぶことが、失敗しないスキル選びの鉄則です。
- 興味(続けられるかどうか)
自分が「面白い」「やってみたい」と思える分野を選ぶことが継続のカギ。
例:数字が好きならデータ分析、デザインが好きならWeb制作や動画編集など。 - 目標(キャリアの方向性)
3〜5年後にどんな働き方をしたいかを具体化し、その目標に直結するスキルを選ぶ。
例:在宅ワークを目指すならRPAやライティング、副業収入を増やすなら動画編集やデザイン。 - 市場(需要と収入の見込み)
世界経済フォーラムや経済産業省のデータを参考に、需要が伸びている分野を選ぶ。
AI、クラウド、セキュリティ、SAP、RPAなどは高需要・高収入が期待できる分野。
この3軸を意識することで、「興味はあるけど収入につながらない」「需要はあるけど続けられない」といった失敗を防ぎ、自分に合った未来型スキルを選べるようになります。
未経験者向けのSAP、RPA講座
高度IT人材育成へ向けた取り組みとして、自治体も採用するオンライン学習プログラム「でじたる女子+」では、未経験者を対象としたSAP、RPAのリスキリング講座を提供しています。
さらに、生成AIや動画編集、ウェブデザインなどの人気スキル、Micorosoft Office操作、基本PC操作スキルなど基本から高度なITスキルのリスキリングも、すべて定額、eラーニングで受講可能。
まずは、自分が理想とする未来像に向かい、何を目的に、どのようにリスキリングしていくかを考えることが、リスキリングへの第一歩。「でじたる女子+」では、ラインに友だち登録することで、無料カウンセリングを受けることができます。
どう進める? リスキリング開始からキャリアチェンジまでの実践ロードマップ

「リスキリングが大事なのは分かったけれど、結局何から始めればいいの?」
そんな疑問に答えるために、ここでは “今日から動ける”3ステップで、具体的な進め方を整理します。
STEP 1:目標設定と学習プランの策定
まず最初にやるべきなのは、「自分がどんな未来を望んでいるのか」 を言語化することです。目標が曖昧だと、講座選びもブレやすく、途中で挫折の原因になります。
次の3つを考えてみましょう。
- どんな働き方をしたい?(リモート中心/週3勤務/副業で+3万円など)
- どのくらい収入を得たい?(将来のために月+3〜5万円の安定収入など)
- 自分の得意・苦手は?(数字管理が得意、PCが不安、文章力が強み…など)
また、悩みを“行動できる目標”に変換することもできます。
- 「子どもが小さく時間がない」
→ リモートワークできる働き方を目指す - 「収入を増やしたい」
→ 副業で月3〜5万円の安定収入をつくる - 「ブランクがこわい」
→ 簿記・MOSなど“見える資格”で自信を取り戻す - 「長く働ける仕事にしたい」
→ 体力に依存しないDXスキル(RPA・SAP等)を習得する
失敗しがちなパターンと気をつけたいポイント
リスキリングを始める際、「やる気はあるのに続かない」「何から始めればいいかわからない」といったところでつまずく方も。そんな場合は、 「未来像 → 学ぶ分野 → 学習時間」の順番で考えていくことが、ムリなく続けるコツです。
- 目標が曖昧なまま講座に申し込んでしまう
→まずは“自分がどんな未来を望むのか”の言語化が最優先です。 - 学習時間を決めず、忙しさに押されて中断してしまう
→平日の朝30分+夜30分など、固定枠を決めておくことで継続しやすくなります。 - 強み・経験を棚卸ししないままスキルを選んでしまう
→事務経験ならRPA・SAP、文章力があるならライティング、Excelが得意ならデータ分析など、自分の経験との親和性を基準に選ぶのが成功の近道です。
STEP 2:学習方法の選択と時間の確保
次は、自分に合った学習方法を選ぶステップです。
とくに家事・育児・介護との両立をする必要がある場合には、“続けやすい形式” を選ぶことが成功のポイントになります。
独学(テキスト・動画・Udemy など)
メリット:
- 低コストで始められる
- 自分のペースで進められる
デメリット/注意点:
- つまずいたときに相談できる相手がいない
- 「忙しいから今日はいいか…」が積み重なり、挫折しやすい
- 学習計画が立てにくい
独学は気軽に始められますが、習慣化ができる人向きです。
オンラインスクール(動画+サポート型)
メリット:
- 自宅で学べるため、家庭との両立に最適
- 質問サポートやコミュニティがあり、挫折しにくい
- 学習ロードマップがあるため、迷わず進める
デメリット/注意点:
- 独学より費用がかかる
- スケジュールに沿って進むため、多少の時間確保が必要
オンラインスクールは、短期間で確実に力をつけたい人 と相性が良い学び方です。 オンラインスクールの特徴や選び方を詳しく知りたい方は、 こちらの記事が参考になります。
通学型スクール
メリット:
- 対面で教わるため理解が深まりやすい
- 集中しやすく、学習リズムも作りやすい
デメリット/注意点:
- 通学時間が必要で、家庭との両立が難しい場合も
- 受講日時が固定されるため柔軟さに欠ける
しっかり腰を据えて学びたい人、環境が整っている人に向いています。
STEP 3:学んだスキルの実践とキャリアチェンジ成功の法則
在宅ワーク・副業・安定収入・長く働ける仕事など、最初に設定したリスキリングの目標を達成するために、新しいスキルをどのように活用するか、どのように仕事へ結びつけていくかは、実践を必要とする重要なステップです。
これまでの経験や自分の特技や長所とかけ合わせて、実践を積んでいくことが成功のポイントです。
転職活動に活かす
事務経験・調整力・コミュニケーション力のある女性は、実はDX系職種と非常に相性が良いです。
ビジネスITスキルを習得して、“未経験歓迎”のポジションも増えているRPAアシスタント、ITサポート、業務改善担当などへのキャリアアップ、キャリアチェンジが目指せます。
現職で活かす(DX担当など)
現在携わっている業務で、業務改善やデータ整理、RPA化に挑戦することで、「効率化できる人材」として社内評価が上がりやすいのがDXの特徴です。
小さな改善から始めても成果が見えやすく、キャリアアップにつながるケースも増えています。
フリーランスという選択肢
スキルを積み重ねていけば、時間や場所にとらわれないフリーランスという働き方も選べます。
家庭・介護・体調の事情に合わせて働く時間を調整でき、「自分のペースで長く働く」ことが現実的な選択肢になります。
▶「ITがまったくの未経験で不安…」 という方は、RPA・SAPの基礎、そして業務で使われるIT用語をやさしく丁寧にまとめたこちらの記事へ。
リスキリングを成功させるために
この記事では、
- リスキリングの定義と社会背景
- 女性にリスキリングが必要である理由
- リスキリングのメリット
- どんなスキルをリスキリングすべきか
- リスキリングをキャリアアップや再就職に活かす方法
などについて解説しました。
今、AIを中心とするテクノロジーの進歩が、わたしたちの生活全体を大きく変えつつあります。とくに業務、キャリアに与える影響について、不安を覚える女性も多いでしょう。
こうした不安や悩みに向き合い、解消するためには、まず社会やテクノロジーの変化を理解することが欠かせません。そして、そのうえで自分に必要な知識やスキルを選び取り、リスキリングを通じてキャリアを磨いていく姿勢が求められます。
「でじたる女子+」では、DX人材、リモートワークやフリーランスなど柔軟な働き方につながる以下のスキルを、定額ですべて受講可能です。
- SAP(ERP基幹業務システム)
- RPA(業務自動化)
- 生成AIプロンプトエンジニアリング
- 動画編集・Webデザイン
- Microsoft Office操作・基本PCスキル
「でじたる女子+」紹介サイトでは、学べるプログラムの詳細だけでなく、リスキリングを通じてキャリアアップや再就職を実現した女性たちの体験談も紹介しています。
未来の働き方を描くきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。



