テレワークを始めるために準備すべき通信環境とテレワークツールを徹底解説
働き方の多様化で、フリーランスという働き方を選択したり、会社の業務をテレワークに切り替えたり、「在宅」で仕事をする機会は多くなってきています。ですが、とくに在宅での仕事を新たに始める場合、どのような準備をすればよいのかという不安もあるでしょう。このとき重要なのは、「自宅を働く環境に整えること」、そしてコミュニケーションやプロジェクト管理用の「テレワークツールに慣れること」。在宅ワークへの切り替えは、ライフスタイルの大きな転換点です。準備や心構えを整えて、前向きな一歩を踏み出しましょう!
目次
テレワークのための準備 通信環境編
まず、「テレワーク」の意味を再確認してみましょう。
テレワークとは、情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
引用元:テレワーク総合ポータルサイト https://telework.mhlw.go.jp
テレワークによって、働く場所を自分で選ぶことができ、移動時間をなくして、様々なライフスタイルでの仕事が可能になります。そして「情報通信技術を活用」する点で、テレワークを始めるときは、自宅でのインターネット環境やセキュリティソフトといった情報通信環境を整えることが必須です。
安全で安定したWi-Fi環境
安定したインターネット環境は、テレワークを行うにあたってまず最初に整えるべきものです。自宅で使うインターネット回線には、光回線などの「固定回線」、モバイルWi-Fiやポケット型Wi-Fi、据え置き型のホームルーターなどの「無線回線」があります。それぞれのおもなメリット、デメリットは以下の通り。
<固定回線>
- メリット:高速で安定した接続を保てる
- デメリット:手続き後に工事(有料)が必要
<無線回線>
- メリット:工事が不要で、すぐに使える
- デメリット:安定・通信速度の面では固定回線にはかなわない。使い方によっては料金が高くなる
通信環境を整えるとき、一番注意すべきは通信速度です。業務で使うツールやブラウザで開くウィンドウ数によって、通信速度が仕事に大きく影響することがあるためです。一般的には、Wi-Fiの通信速度が10Mbps~30Mbpsほどある場合はストレスなくスムーズに仕事ができると言われています。言い換えると、これが「仕事をする目的で整えておくと安心な通信速度」といえますね。
仕事に影響する通信速度について、具体的には、メールやチャットに1Mbps、バーチャルオフィスやリモートデスクトップに5~10Mbps、ビデオ会議に10Mbps~30Mbps程度あればスムーズな利用ができるといわれています。業務内容にもよりますが、ビデオ会議はテレワーク上のコミュニケーションにおいて重要な役割をもっていることを意識しておきましょう。
テレワークのセキュリティ対策
「自宅を仕事場にする」ことで、対策を忘れてはいけないのがセキュリティです。「ヒューマンファイアウォール」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? どんなに堅固なセキュリティが施されていても、システムにつながる誰かがフィッシングなどで欺かれると、サイバー攻撃の被害にあってしまう、ということが強く意識された考え方です。
自分のPCを通して、たとえば顧客の個人情報や会社の機密情報など、業務や企業に重大なリスクをもたらしかねない情報に、常につながっていることを意識しておくことがとても重要です。
業務によっては、企業貸与のパソコンで、企業の回線を通してテレワークをすることもあります。この場合、セキュリティはオフィスで働くときと同等であるといえますが、たとえば、コミュニケーションは自宅の自分のパソコンで、ということもありえます。その場合、やはり自分のパソコンのセキュリティを万全にしておくことが必要となります。
「自宅を仕事場にする」ということには、つねに高いセキュリティ意識が要求されることを覚えておきましょう。
セキュリティソフトを導入するときのポイント
パソコンなどのデバイスにセキュリティソフトを導入することで、情報の漏洩やコンピュータウイルスによる被害を防ぎ、より安心・安全に仕事を進めることができるようになります。自分のデバイスで、デフォルトでセキュリティ対策されているものも、一度セキュリティが万全かどうかのご確認を。
もしセキュリティソフトを導入するならば、気をつけておきたいのが、オンラインやSNS上で宣伝されているセキュリティソフトは必ずしも安全なものばかりではないということ。近年はセキュリティソフトを偽ったサイバー攻撃やコンピュータウイルスなども増えてきているため、使用するものを選ぶ際には以下のポイントをしっかりチェックしましょう。
- セキュリティソフトのダウンロード数
- セキュリティソフトのオンラインストアでの評価、レビュー
- セキュリティソフトの名称をインターネットで検索したときに表示される結果
長く使われてきた信頼度の高いソフトを選ぶのもよいでしょう。たとえば、ESET HOME セキュリティ、トレンドマイクロ ウイルスバスター クラウド、Norton(ノートン) 360 などがセキュリティソフトの定番といえます。
また、有料のソフトを導入する前には「思っていた料金とちがった」「使用期間の想定がちがった」などの無駄がないよう、以下のポイントをしっかり確認しておきましょう。
- 対応OSの確認 Windows、MacOS対応のほかAndroid対応のものもある
- 更新期限やインストール台数 契約期間の確認、複数台(マルチデバイス)で利用できるものも
- パッケージ版かダウンロード版か インストールディスクを使うかダウンロードするか
テレワークに欠かせない5種類のツールを知ろう
自宅から離れた場所にいる人たちやシステムと連携し、円滑にテレワークを進めるにあたって使われるツールは、大きく分けて以下の5種類です。
- 連絡を取り合うための「チャットツール」
- オンライン上で会議を行うための「Web会議ツール」
- 資料を複数人で共有するための「ファイル共有ツール」
- チームのメンバーの仕事状況を把握するための「タスク、進捗管理ツール」
- アイデアや意見、計画などを整理するための「思考整理ツール」
チャットやWeb会議ツールなどは、使ったことのある方も多いのではないでしょうか。これらのコミュニケーションツールに加えて、ファイル共有や、プロジェクト内の動きを可視化するツールなど、仕事によってさまざまなツールが使われています。
それぞれのツールには、各企業からソフトウェア/アプリケーションが提供されています。「仕事の相手が指定してきたツールを使ったことがない」と戸惑うこともあるかもしれません。が、使い慣れてくると、各企業が「仕事をするため」に知恵をしぼったツールの醍醐味にふれることができ、新しい働き方への強い味方になってくれるはずです。
チャットツール
チャットツールは、対面ではなくオンライン上でやりとりを行い仕事を進める点で、欠かせないツールです。自分や相手のパソコンの画面を共有できたり、ファイルのやり取りができたり、対面でないと難しい、まどろこしいようなコミュニケーションを円滑にする助けとなります。代表的なものは以下の3種類。
代表的なチャットツールと特徴
いずれも業界・業種を問わずに使われることが多く、3種類全てを使う場面もあるかもしれません。どれも無料でアカウントをつくることができるので、これからテレワークを始める方は、画面や使い方にふれておくとよいでしょう。
Web会議ツール
リモートでの会議や打ち合わせ、質問を行うにあたってのWeb会議ツールも、テレワークに欠かせないツールのひとつです。Web会議ツールは数多くありますが、なかでも代表的なものとして以下の4種類が挙げられます。
代表的なWeb会議ツールと特徴
これら4種類のWeb会議ツールにおける共通点は、以下のようなものがあります。
- Mac、Android、Windowsなど様々なデバイス、OSに対応可能
- 部屋の背景を隠すことができる「バーチャル背景機能」搭載
- 無料版でも充分使うことができるが、大人数で長時間会議を行う場合などによっては有料プランを契約した方が使いやすくなる場合もある
いずれも無料版があり、大企業から個人間におけるビジネスまで幅広い場面で使われているものばかりです。自分にとって使いやすいツールを探してみましょう。
テレワークツールは、まるでオフィスで一緒に仕事をしているように、円滑なコミュニケーションほか様々な面で仕事の進め方をサポートしてくれます。ファイル共有したり、進捗状況を確認し合ったりといったツールも以下で紹介していきます!
ファイル共有ツール
ビジネス上では大量のファイルがやり取りされます。ファイル共有ツールは、複数人でオンラインにおける共同作業を進めていく上で必要になってきます。
代表的なファイル共有ツールと特徴
Google Drive を含むGoogle Workspaceは、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートと連携がしやすく、ひとつのアカウントでメールやWeb会議、チャット機能を利用することができます。このため管理を一元化しやすく、使用する人が多い傾向にあります。Google アカウントは複数もつことができるため、プライベートで利用しているならば、仕事用のアカウントを登録しビジネス利用を想定しておくのも手です。
タスク・進捗管理ツール
チームや複数人でテレワークを進めていくにあたっては、タスクや進捗の管理が必須です。
最近IT業界では、システム、ソフトウェア、アプリケーション開発などにおいて、従来の「ウォーターフォール」に代わり、「アジャイル」という手法が注目されています。その手法は、短期間でテスト、開発、改善を繰り返しスピーディな開発を実現させようというもの。このアジャイル開発を意識したツールも多数あります。
代表的なタスク・進捗管理ツール
上記の表で紹介した進捗管理ツールはどれも魅力的であり、あえて大きな特徴をで分けるとしたら、以下のようになるでしょう。
- Slackなどのビジネスツールとの連携を重視するなら「Asana」
- チームのメンバーに仕事を振りわけることを重視するなら「Trello
- 多岐にわたる方面のプロジェクトの進捗管理をするなら「Backlog」
思考整理ツール
思考整理ツール(マインドマップツール)とは、複数人でプロジェクトを進めていくにあたって、チームのメンバーとのアイデアの共有や認識の差異の発見、思考の整理などに使われるツールを指します。テレワークで長期的な案件を進めていく上で、大切なツ―ルです。以下で2種類を紹介します。
代表的な思考整理ツールと特徴
Xmaindが「連想ゲームのように線で繋がる図」というイメージであるのに対して、Miroは「付箋を貼り付けて意見を可視化するホワイトボード」のようなイメージ。思考整理ツールは、いわば、互いの”頭の中を可視化できる”ツール。使ってみるのが、ワクワクしてくるようなツールですよね!
テレワークツールは、「場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」を実現させるもの。プライベートにも取り入れると便利なものもあるので、まずはぜひ使ってみましょう。
「備えあれば憂いなし」で新しい働き方への扉を開こう
社会に浸透してきたとはいえ、まだまだ「新しい働き方」といえるテレワーク。とくに地方では、まだ導入され始めたばかりといえます。
「新しいこと」を始めるのには勇気が必要です。それが社会に深く根付いていないものなら、なおさらです。でも、多くの情報を共有することで、乗り越えられることもきっとたくさんあるはず。WeMAIAでは、ほかにテレワークでそろえたいグッズや新しい働き方に関する話題なども紹介しています。ぜひご参考にしてみてください!
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